間違えてNISA口座を複数開設した場合どうなる?
- その他
NISA口座は1人につき各年1口座しか開設できません。しかし、複数の金融機関で開設できると勘違いをしてNISA口座の開設をしようとしてしまうこともありえます。
他の金融機関ですでにNISA口座を保有している場合、通常はNISA口座を開設できません。しかし、手続きの誤りなどでNISA口座が複数開設されてしまうことも想定されます。
今回は、NISA口座が複数開設されてしまった場合どうなるのかまとめました。
まとめ
NISA口座が複数開設されてしまった場合、一定のルールによって有効となるNISA口座が決まります。有効となるNISA口座は任意で選ぶことができません。
どのNISA口座が有効になるの?
NISA口座は1人につき各年1口座しか開設できません。万が一誤ってNISA口座が複数開設されてしまった場合、次のうち日または時が最も早いNISA口座が有効になります。
(1)証券会社等の営業所長から所轄税務署長が非課税適用確認書または非課税口座開設届出書に記載された事項の提供を受けた日または時
(2)上記(1)が同日または同時である場合には、証券会社等の営業所の長が非課税適用確認書または非課税口座簡易開設届出書の提出を受けた日
(3)上記(1)が同日または同時であり、かつ(2)が同日である場合には、NISA口座で上場株式等を取得した日
(4)上記(1)が同日または同時であり、かつ(2)及び(3)がいずれも同日である場合には、NISA口座で保有する株式等の配当等の支払を受けた日またはNISA口座内の株式等を譲渡した日
有効となるNISA口座を選べないデメリットは?
複数のNISA口座が開設されてしまった場合、有効となるのは1口座だけです。有効になる口座は先述のとおりのルールで決まるため、任意に選択することはできません。
A証券とB証券にNISA口座を開設してしまい、Aが有効となった場合を例にして説明します。B証券のNISA口座(重複して開設された口座)で大きな運用益が出た場合、NISA口座として有効でないため、譲渡益は課税対象となってしまいます。
また、A証券のNISA口座で購入した株式が急落したとしても、NISA口座内での損失なので、その譲渡損は無かったものとされてしまいます。
NISA口座が複数開設された場合の注意点
重ねて開設されてしまったNISA口座(上記の例ではB証券の口座)で購入した株式を売却する場合、特定口座での取引にはならず、一般口座での取引になります。一般口座では、一定の場合には株式の取得費を総平均法または総平均法に準ずる方法によって計算します。計算の結果、一般口座での取引で譲渡益が発生すると、確定申告が必要になります。
また、重ねて開設されてしまったNISA口座で保有する株式から、配当金を受け取った際に、その配当金を非課税で受け取った場合には遡及して課税されます。NISA口座を複数開設してしまわないよう注意しましょう。
根拠条文
租税特別措置法第37条の14第12項
租税特別措置法基本通達37の14-22
租税特別措置法基本通達37の14-23
所得税法施行令第108条
所得税法施行令第118条
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