会社を休眠させるには ~手続きや税金はどうなる?
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2020年初頭から2年にわたって続くコロナ禍。この影響による業績悪化を受け、廃業・休眠を検討されている会社も多いのではないでしょうか。
廃業は、会社が消滅することになるので、消滅後に申告・納税は生じません。
一方、休眠の場合には会社は存続することになります。休眠中の会社でも申告・納税は必要なのでしょうか。
今回は、休眠会社にするための手続きや税務などについてまとめました。
休眠会社にするための手続き
休眠会社にするためには、税務署をはじめ、6つの行政機関に書類を提出します。基本的に費用は発生しません。
提出先・提出書類は以下の表を参考にしてください。
提出先 | 提出書類 |
---|---|
税務署 | 異動届出書(休業する旨を記載)、給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書(廃止の欄の休業のところに✔を入れる) |
都道府県税事務所 | 異動届出書(休業する旨を記載) |
市区町村役場 | 異動届出書(休業する旨を記載) |
労働基準監督署 | 労働保険確定保険料申告書 |
ハローワーク | 雇用保険適用事業所廃止届、資格喪失届 |
年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届、資格喪失届 |
休眠中でも税務申告は必要?
休業する旨の異動届出書を提出していても、会社は存続しているので税務申告が必要になります。
ほとんどの会社は青色申告をされているかと思いますが、2期連続で申告しなかった場合には青色申告承認が取消になる点に注意が必要です。
なお、取消後に青色申告を行うためには再申請が必要になりますが、1年間は再申請できません。
休眠中の税金の支払義務は免除される?
休眠会社にも「法人税」「法人住民税」「固定資産税」の納税義務があります。
しかし、休眠中は営業活動による収益獲得がなく、事務所家賃等の維持費だけが発生するため、基本的には課税所得は生じません。
ただ、法人住民税の均等割は所得に関係のない税金のため、一定額の納付が必要になります。
都道府県税事務所・市区町村役場に異動届出書を提出することにより、この均等割の支払いが免除される場合がありますが、自治体により取扱いが異なりますので、個別に確認が必要です。
また、固定資産がある法人の場合、固定資産税の納税義務があります。
役員変更登記手続きに注意
会社は存続しているので、役員の任期満了に伴う役員変更登記の手続きが必要になります。手続きを怠りますと、100万円以下の過料に処せられます(会社法976条に基づく)。
みなし解散による廃業
12年間登記を行っていない株式会社、5年間登記をしていない一般社団法人または一般財団法人は、解散したとみなされ、廃業になるおそれがあります。
令和3年12月14日(火)までに必要な登記(役員変更等)の申請又は「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない限り,同月15日(水)付けで解散したものとみなされ,職権で解散の登記がされますので,御注意ください。
※法務省:令和3年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について より抜粋
おわりに
休業中、あるいはこれから休業を検討している方の一助になりましたら幸いです。
ちなみに、休眠会社を再開するための手続きも異動届出書(再開の旨を記載)を提出するだけです。
会社の休業・再開でお困りのことがありましたら、お気軽に辻・本郷 税理士法人までお問い合わせください。
法人ソリューショングループ 田端 幸治
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