国税庁のDX化で、近未来の税務調査はどうなる?
- 国税・地方税
国税庁が、令和3年6月11日に「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション- 税務行政の将来像2.0 -」を公表しました。
本年9月に設置されるデジタル庁の主導のもと、課税・徴収におけるデータ分析の活用等の取組をさらに進めていくこととしています。
AI・データ分析の活用
将来的なAIの活用も見すえて、幅広いデータの分析により、申告漏れの可能性が高い納税者の判定や、滞納者の状況に応じた対応の判別を行うなど、課税・徴収の効率化・高度化に取り組む模様です。
AIで調査先を抽出?
申告漏れの可能性が高い納税者の判定等には、AI・データ分析(BIツール、BAツール等)が活用されます。これらのシステムの構築と、情報を取り扱うエキスパートの育成に取り組むとされています。
申告内容や調査事績、資料等の情報のほか、民間情報機関や外国政府から入手する情報など、膨大な情報リソースを、BAツール等を用いて加工・分析を行い、有機的なつながりやデータ間の関連性を把握することにより、高リスク対象を抽出します。
BIツール、BAツールとは
BI(ビジネスインテリジェンス)とは、社内システム等によって蓄積された膨大なデータを抽出・分析をし、経営等の意思決定に役立つ有益なデータに加工をしてくれることです。
BA(ビジネスアナリティクス)とは、蓄積された大量のデータを分析し、経験や勘だけでは思いつかない有益なルールを見出し「未来」を予測することまたはそのためのデータ解析手法のことを指します。
分析結果をもとに、より細かな分析を行うことで「未来」を予測をし、次のアクションプランを見出すことを指します。
専用回線により金融機関へ照会・回答
官民の業務の効率化を図る観点から、これまで書面や対面により行っていた①金融機関への預貯金照会(令和3年10月導入予定)や②税務調査における必要な資料の提出(令和4年1月導入予定)について、オンライン化を図ります。
①税務調査や滞納整理のために必要な預貯金情報について専用回線により金融機関へ照会・回答をオンライン化、外部データとのインターネット・データ連携の拡充を行います。
②税務調査で必要な書類は、e-TaxでPDFファイルを送信可能になります。
まとめ
今後は、国税庁で保有しているデータのみだけでなく、他省庁や金融機関のデータとも連携してAIを掛け合わせることになりそうです。
これにより、今までよりも多くの要素を加味した上で、人間が考えるパターンやルールに捉われない多角的なデータ解析に基づいた税務調査が行われることになりそうです。
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【参考サイト】
【国税庁】税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-
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