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税金対策、PRに活用できる「企業版ふるさと納税」とは?

  • 法人税

企業版ふるさと納税

ふるさと納税について注目されるようになって以降、個人でこの制度を利用されている方は多くいらっしゃると思いますが、じつは企業版のふるさと納税があることをご存じでしょうか。

今回の記事では、企業版ふるさと納税と呼ばれる制度についてご紹介していきます。

企業版ふるさと納税の概要

企業版ふるさと納税は、正式名称「地方創生応援税制」といい、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合、法人税等から税額控除することができる制度です。
平成28年に創設され、令和2年での大幅な税制改正によってさらに注目が集まり、年々この制度を活用する企業が増加しています。なお、この税額控除の適用期限は上記の改正により5年間延長(令和6年度まで)されました

具体的なメリット

個人のふるさと納税ではその地域の特産品など寄付に対する返礼品を受け取る場合がありますが、企業版ふるさと納税では返礼品などの経済的な見返りを受け取ることは禁止されています。

では、企業にとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。いくつかご紹介します。

寄付による税金の軽減効果が最大9割

自治体に寄付をする場合は損金算入として約3割が控除されますが、企業版ふるさと納税による寄付の場合は損金算入による約3割に加え、法人税等から最大6割控除されるため、約9割の税額軽減の効果があります
そのため企業の実質負担としては約1割となります。
なお、控除割合が最大9割となる寄付限度額についてはその企業の課税所得や資本金等によって異なりますので、事前に税理士などの専門家に確認するようにしましょう。

SDGsの達成などの社会貢献ができ、企業のイメージ向上やPR効果がある

SDGsとは、すべての人が平和と豊かさを享受するために幅広い課題の解決を目指す「持続可能な開発目標」のことです。
地方創生プロジェクトに対して寄付を行うことにより、その地域が抱える社会的課題への支援をすることができます
さらに、公式HPに企業名とその企業が取り組むSDGs活動が紹介されるなど、企業のイメージアップを図ることができ、企業のPRとして期待ができます

地方創生

新事業の開拓などのビジネスチャンスがある

地方創生プロジェクトには、地域資源などを活かした計画があり、寄附をきっかけにその地域資源などを活用した新しい事業を展開していくなどのビジネスチャンスがあります。

企業版ふるさと納税の活用の注意点

企業にとって実質負担1割でこれだけのメリットがあり、より使いやすくなった企業版ふるさと納税ですが、活用するにあたっては注意すべき事項があります。

適用対象外の地域がある

その企業の本社が所在する地方公共団体への寄付については対象外となっています。
さらに、地方交付税の不交付団体である都道府県、不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村への寄付も、制度の対象外となります。

内閣府から認定を受けていない事業は対象外

寄付を検討している地方創生プロジェクトが、企業版ふるさと納税の対象として内閣府から認定を受けていない場合には、寄付をしても税額控除の対象となりません。
したがって、認定を受けているかどうかについて事前に確認する必要があります。

少額の寄付は対象外

企業版ふるさと納税として認められるためには、1回あたり10万円以上の寄付をする必要があります。

おわりに

今回は企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)についてご紹介しました。
個人のふるさと納税とは異なる部分も多いですが、企業や自治体にとってメリットがある制度となります。今後活用されてみてはいかがでしょうか。

執筆担当:
法人ソリューショングループ 松井 幸史

<参考サイト>
【内閣府】地方創生 企業版ふるさと納税ポータルサイト『地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について』

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