企業版ふるさと納税 内容を拡充して5年延長
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令和2年度税制改正で「企業版ふるさと納税」について、制度の延長と税額控除割合の引上げ、手続の簡素化等の見直しがされました。
1. 概要
返礼品競争が過熱した個人のふるさと納税に対して、平成28年4月から始まった企業版のふるさと納税はメリットが少ないため、あまり利用されていませんでした。
そこで令和2年の税制改正で、企業版ふるさと納税の税負担軽減を、現行の寄付額の6割から9割に拡大することで制度利用を後押しするとともに、適用期間が5年間延長されました。
2. 企業版ふるさと納税の特徴
企業版ふるさと納税は、内閣府があらかじめ認定した地方創生事業に対する寄付金に限られます。
また、自治体側が許認可や入札などで特定の企業を優遇することがないように、寄付する企業の本店所在地の自治体への寄付は対象外とされます。
3. 改正前
もともと企業が地方自治体に寄付をすれば全額が損金になるので、例えば100万円を寄付したケースでは、法人の実効税率約3割、30万円の税金が減少します。
さらにその寄付金が企業版ふるさと納税の対象であれば、寄付金額の3割(30万円)を追加で税金から控除することができます。つまり約3割+3割で約6割の税金が少なくなるという制度です。
一見有利に見えますが、寄付先が限定されている上、実質は4割の持ち出しなので、個人版のように得にならないため利用は限定的でした。
4. 改正後はどうなるか?
改正は令和2年4月1日から令和7年3月31日までの寄付が対象となり、改正後は寄付金の3割相当の追加控除の割合が6割に拡大します。
つまり損金になることによる通常の減税分が約3割+企業版ふるさと納税としての追加分6割=計9割の減税効果となります。しかし、それでも1割は持ち出しです。
「企業版ふるさと納税」の詳細は、内閣府地方創生推進事務局のポータルサイト をご確認ください。
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