我が社は移転価格文書化義務の対象になる?対象法人が提出する書類とは
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平成28年度税制改正により、移転価格に関する文書化制度が整備されました。対象となった企業ではローカルファイル、マスターファイル、国別報告事項(CbCレポート)などの作成が必要です。
ご自身の会社が対象にあたるか、対象である場合はどんな書類を提出することになるのかをこの記事で確認しましょう。
簡易診断フローチャートで対象法人かを診断できます
ご自身の会社に移転価格に関する各文書を作成する義務が生じるか、下図の簡易診断フローチャート表で確認しましょう。
国外関連者を有する法人は、実質的にすべての場合にローカルファイルと同様の準備を行っておくことが必要です。
国外関連取引を行った企業が作成する文書【親・子会社がそれぞれ作成】
ローカルファイル
ローカルファイルとは、前事業年度における一の国外関連取者との取引金額が以下の基準を満たす法人が、確定申告書の提出期限までに作成し、保存しなければならないものです。これがいわゆる同時文書化義務とよばれるものです※1。
(1)国外関連取引の合計金額が50億円以上
または
(2)無形資産取引の合計金額が3億円以上
※1 措置法66条の4第7項
多国籍企業グループが作成する文書【最終親会社が作成】
以下の文書は、前事業年度の連結総収入金額が1,000億円以上の多国籍企業グループ(特定多国籍企業グループ)の最終親会社等である法人が作成します。※2
- 事業概況報告事項(マスターファイル)
- 国別報告事項(CbCレポート)
- 最終親会社等届出事項
※2 措置法66条の4の4第4項3号
このように、マスターファイル、国別報告事項、最終親会社等届出事項については、相当規模の収入金額を持つ企業グループのみが対象となっています。
一方、ローカルファイルについては、50億円、3億円といった一定の取引規模のある法人が広く文書化義務の対象となっています。
国外関連者取引のある法人は税務調査時に提示/提出を求められる可能性あり
国外関連者取引のある法人は、上記基準に達していないとしても、税務調査を受け、税務職員に求められた場合には、ローカルファイルに「相当する」資料を、60日以内の税務職員が指定する日までに提示もしくは提出しなければならないこととされています※3
この結果、同時文書化義務が課されている法人との実質的な違いは、提示等までの期間が45日以内か60日以内かのみとなっていますので注意が必要です。
※3 措置法66条の4第14項、措置法規則22条の10第12項
おわりに
私たち辻・本郷 税理士法人では、社内に専門チームを設けて移転価格税制に係る法人様のご支援を行っています。
まずは現状のご相談からお受けしますので、お問い合わせをお待ちしています。
法人ソリューショングループ
移転価格チーム 趙 天一
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