辻・本郷 税理士法人

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申請を検討する前に知っておきたい、補助金の基本

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補助金の基本

ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための大型補助金として注目を集めた「事業再構築補助金」の1次公募が開始されてから1年。
大々的にニュースになっていたこともあり、これをきっかけに補助金そのものに興味を持たれた事業者様も多いと思います。

現在は事業再構築補助金の6次公募の真っ最中ですが、この機会に補助金の基本的なことについて学びましょう。

補助金と助成金の違いは?

中小企業・小規模事業者の皆様を対象とした国の支援のひとつに補助金・助成金制度があります。
補助金・助成金を大きく分けると、事業や研究などに関係するものと、雇用に関係するものとの2種類があります。また、それぞれの違いは下記のとおりです。

補助金助成金
申請後、審査により採択される必要がある所定の資格要件を満たせば受けられる
所定の目的で支出したことを証明する
書類の整備も必要
資格要件を満たすことを証明する
書類の整備が必要
経済産業省、商工担当が多い厚生労働省、雇用担当が多い

どちらも、「国や自治体の政策目標に合った事業の実施をサポートするために給付するお金」で、返済義務はなく、原則、後払いとなります。
※個々の補助金等の規定により収益納付が必要な場合があります。

なお、厚労省関係の助成金は、社会保険労務士だけが会社の代わりに申請を代行できます(労働社会保険諸法令)。
今回は、お問い合わせの多い「補助金」についてご説明いたします。

補助金とは?6つのポイント

事業・研究に関係する補助金は、新製品の開発や新しい技術の実現、先進的省エネ化、特許の取得、新規顧客の開拓やマーケティングなどの支援を目的としています。

補助金によって、目的・対象・仕組みが異なります

補助金は、国の政策ごとにさまざまな分野で公募されており、それぞれの「目的・趣旨」があります
下記の検索サイトをぜひご活用ください。「補助金」で調べると数千件ヒットしますので、目的や分野を絞り込んで、自社の事業とマッチする補助金を探してみましょう

検索サイトの一例

申請・実施期間が限られます

申請期間(1カ月前後)や、補助事業の実施期間(交付決定から〇カ月以内)など、補助金ごとに定められた期間内に手続きや事業を行う必要があります

補助金の対象経費として扱われる期間に注意が必要です

原則、対象経費は、交付決定を受けた日付以降に契約(発注)を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものです。
補助金の交付決定後に契約、発注、購入を行うことが原則となっております。

なお、補助金によっては事前着手承認制度をもうけているものがあります。

必ずしも、事業の全額が補助されるわけではありません

補助金は、事業に必要となる経費のすべてが対象となるわけではないため、必ず事前に公募要領等で補助対象となる経費・補助の割合・上限額などを確認しましょう。

補助の有無や補助の額については、審査があります

補助金は、「申請したら必ずもらえる」というものではありません。補助の有無や金額は「事前の審査」と「事後の検査」によって決まります。

補助金は原則、後払いです

事業の実施後に報告書等の必要書類を提出して検査を受けた後、はじめて受け取ることができます。

補助金受給までのスケジュール

補助金の事前準備から完了までは、下図のようなスケジュールになっています。
以下、ポイントごとに確認していきましょう。

補助金受給までのスケジュール

1 申請する(図内1、2)

公募要領を確認のうえ、申請書として必要書類一式を期限までに事務局に提出します。

2 交付申請する(図内3、4、5)

採択事業者が事務局から通知されます。 採択後の交付申請の内容が認められたら交付決定となり、補助事業の開始となります

3 事業の実施(図内6)

交付決定された内容で事業を開始します。事業内容を変更する場合は、必ず事前に事務局に連絡し所定の手続を行います。対象経費の支払証憑はすべて保管しておきます。

4 補助金の交付(図内7、8、9)

実施した事業の内容や経費等の実績報告を行います。確定検査を受け、補助金額が確定し、補助金を受け取ります。

5 事業終了後5年間(図内10)

補助金の対象となる証拠書類は、補助事業の終了後5年間保管しておく必要があります。また、年に1回状況報告を行います。個々の補助金等の規定により、一定以上の収益が認められた場合は、収益納付(補助金の額を上限)が必要となる場合があります。

おわりに

補助金は税金が原資となっています。そのため、事業の進め方や実績報告に細かなルールが定められており、採択後の交付申請や実績報告などの事務局の審査を受けることで、経費支出の適正性をチェックします。実績報告に不備があると、補助金が減額される場合もありますのでご注意ください。

必要書類の準備や報告書作成など、前もって準備をしておくと、補助金受給がスムーズになります。また、購入物件ごとに写真を撮っておくと、事務局からの問い合わせの際の参考になりますので、画像のデータ保管をおすすめします。

執筆担当:辻・本郷グループ 辻・本郷 ビジネスコンサルティング株式会社 坂本 美紀

<参考サイト>
【中小企業庁】ミラサポplus中小企業向け補助金・総合支援サイト

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