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個人経営のクリニックは医療法人化した方がいい?デメリットもある?

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【2024年6月】医院の「法人設立」無料相談会を開催します(関東地区限定)
本郷メディカルソリューションズ株式会社と辻・本郷 税理士法人との共催により、個人クリニックの皆さまを対象に医院の「法人設立」無料相談会を開催いたします。
ぜひこの機会をご活用いただき、日々の経営や今後にお役立てください。
事前申し込みによる完全予約制となります。定員になり次第受付を締め切らせていただきますので、ぜひお早めにご予約ください。

【日程】2024年6月5日(水)/6月6日(木)/6月8日(土)
時間は各日とも ①14:00~/②15:00~/③16:00~/④17:00~/⑤18:00~

ご予約・お問い合わせは本郷メディカルソリューションズ内のページにて承っております。

個人事業のクリニックは法人化するべきか?メリット・デメリットをご紹介

個人事業主としてクリニック・医院を経営している先生は、医療法人として新たに運営するのが良いか、それとも個人のままで良いのかと検討されたことがあるのではないでしょうか。

この2つは制度が大きく異なり、決めかねて悩んでいる先生も多いかと思います。
今回は医療法人のメリット・デメリット、そして制度について解説します。場合によっては法人化しない方がよいこともありますので、この記事がクリニックの将来を考えるための一助になると幸いです。

医療法人化するメリットは?

個人クリニックから医療法人へ「法人成り」することによって、さまざまなメリットを受けることができます。代表的なものは以下の通りです。

個人事業主 医療法人
所得税 所得の上昇に比例して税率が上がる(超過累進税率) 法人税となるため、利益額にかかわらず一定の税額になる
院長の給与 院長の給与=事業所得であり、控除なし 医療法人からの給与となるため、給与所得控除が使える
退職金 なし 受け取れる
赤字の場合の繰越控除 3年間 ※1 10年間 ※1
生命保険 個人契約となり、確定申告における生命保険料控除に上限がある 法人契約にすることによって損金に算入できる
社会保険(健康保険・厚生年金) 全額自己負担 健康保険・厚生年金の半分を法人に負担させ、損金に算入できる
社宅 全額自己負担 医療法人の業務上必要な社宅を医療法人名義で契約することにより、社宅の費用を法人の経費にすることができる※2
福利厚生 全額自己負担 リゾート会員権などの年会費やスポーツジムの法人会員費用等を損金に算入できる※3
分院の設立 できない 分院の設立ができ、事業規模の拡大が図れる
※1 青色申告を行っている場合に限る ※2 一部は個人で負担する必要がある ※3 従業員も使用可にする必要がある

医療法人化するデメリットは?

医療法人の設立には、当然ながらキャッシュアウトをともないます。そのため、経営を圧迫する側面があることにも留意が必要です。
法人化することによる主なデメリットは以下の通りです。

  • 個人開業時代に行った借入のうち、設備資金については医療法人に引き継ぐことができる。運転資金については引き継ぐことができず、個人の借入として残ることになる
  • 個人開業では従業員が5名未満であれば、必ずしも社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する必要はない。一方、法人化すると加入義務が発生するため、労務関係のコストが増える
  • 各都道府県に対して決算確定後に「事業報告書」と「登記事項届」を毎年提出する必要がある。2年に1度、役員の選任(重任も可)を行う必要があるため、事務作業の手間が増える
  • 都道府県による立入検査などの指導が強化される
  • 医療法人では、剰余金の配当や院長個人への貸付も制限されているため、院長個人の急な資金繰りに対応することが難しくなる

医療法人の形態にはどんなものがある?

医療法人

医療法人は大きく分けて「医療法人社団」と「医療法人財団」があり、社団を設立・運営するケースが一般的です。

個人経営のクリニック・医院が医療法人化を検討する際には、2つの方法があります。

  • 新規で医療法人を設立する
  • すでに存続している医療法人を事業承継等により引き継ぐ

事業承継により引き継ぐメリットは、すでに個人として開業している医院と、事業承継により引き継ぐ医院との2医院の運営を法人として行うことにより、事業規模の拡大を図ることができます。
デメリットは、新規で医療法人を設立する場合と比較すると、多額の資金が必要になることが挙げられます。

医療法人には「持分あり医療法人」と「持分なし医療法人」がある

医療法人は、「持分あり医療法人」と「持分なし医療法人」の2つに大きく分けられます。医療法人の持分とは、医療法人の財産における権利のことです。

例えば、医療法人を解散した際、「持分あり医療法人」では残余財産が出資者のものとなりますが、「持分なし医療法人」の場合は国などのものとして扱われます。
持分ありの場合は財産権があるので、出資者が死亡した場合には相続財産として扱われます。このため、多額の相続税が課されます。
その金額の大きさから、場合によっては医療法人の存続自体が危ぶまれる可能性があります。

「持分あり医療法人」は経過措置型医療法人として存続

こうしたことから、平成19年(2007年)の改正により「持分あり医療法人」は設立することができなくなりました。19年より以前に設立された持ち分あり医療法人は、経過措置型医療法人として、当分の間は存続することになっています。

現在は「持分の定めのない医療法人(持分なし医療法人)」のみ

現在の法律で個人事業から医療法人を設立する場合には、基金拠出型医療法人となります。

平成19年の改正で新規に導入された「持分の定めのない医療法人(持分なし医療法人)」です。
非営利性の徹底という観点から、解散時の残余財産が国などに帰属されます。現在は、この基金制度を採用した医療法人を設立することが一般的です。

おわりに

現時点では持分のない医療法人しか設立することができませんが、医療法人の設立には多くのメリットがあります。
しかし、医院の経営、運営状況によっては、そのメリットを十分に得られないこともありますので、ご自身の状況に照らし合わせてメリット・デメリットの両方を総合的に考え、検討する必要があります。
その判断には、専門的な知識が不可欠となりますので、専門家に相談されることをおすすめします。

私たち辻・本郷 税理士法人では、社内にヘルスケア事業支援を専門とする部署を持ち、全国の医療施設の法人設立や経営、そして事業承継のご支援を行っています。
ぜひご相談・お問い合わせください。

執筆担当:新宿ミライナタワー事務所
 ヘルスケア事業部 小幡 匠

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