辻・本郷 税理士法人

検索する

企業の業務効率化のキーワード!「Peppol」ってなに?

  • 税務・会計
企業の業務効率化のキーワード!「Peppol」ってなに?

電子帳簿保存法の改正から早2年、そしてインボイス制度開始から1年が経ちました。

新型コロナウイルスの流行によるテレワークやペーパーレス化の急速な発展、デジタル庁の発足によるDX化が行われているなか、各企業でも法対応に合わせたシステムの導入による業務効率化を図る動きが出てきました。

今回は、請求書の発行・受け取りにあたり、新たなシステムの導入を検討している企業には必ず知っておきたい「Peppol」についてご紹介します。

Peppol(ペポル)とは

Peppolとは、「Pan European Public Procurement Online」の略語で、デジタル化された請求書などの文書をネットワーク上でやり取りするための標準規格を指します。

例えば、取引先から請求書を電子で受け取る際、相手と同じシステムを利用していなければデータの連携ができず、請求情報の登録等を手動で行うことになります。

しかし、Peppolに対応したクラウドサービスや会計システムであれば規格が同じであるため、仮に相手と異なるシステムを利用していても、自動で認識することができます。

日本ではデジタル庁によって「JP PINT」という、Peppolをベースとした日本版の標準仕様が策定されており、システムベンダー側で順次対応が進んでいます。

Peppolを導入するとどんなメリットがある?

Peppolを導入するとどんなメリットがある?

それでは、Peppolの導入によって企業にはどのようなメリットがあるでしょうか。

経理業務の効率化

インボイス制度の開始により請求書の記載事項が増え、その内容の確認や経理処理などの業務が複雑になりました。

Peppolに対応したシステムを利用することにより、相手と異なるシステムであっても請求情報を自動で取り込めるため、請求から入金消込までの一連の経理業務を自動化することができます。

そのため、システムへの入力や計算といった処理を効率的に行うことができるうえ、また、手入力の際に起きる入力ミスのようなヒューマンエラーも防ぐことができます。こうしたことから業務上のリスクも抑えられます。

テレワークの推進

新型コロナウイルスが流行した際、自由に出社できない状況が発生し、ほとんどの企業で業務に支障が生じました。

しかし、Peppolに対応したシステムを利用することで紙の処理がなくなり、どこにいても請求書に関する一連の処理が可能です。
従業員側では業務を滞りなく行うことができ、企業側では従業員の交通費やその他諸経費の削減にも繋がります。

管理コストや紛失リスクの削減

企業は、7年分の請求書や領収書などの書類の保存が必要となります。

Peppolに対応したシステムを利用することにより、各書類がデータ化されるため、保管場所の確保やファイリングなどの手間がなくなり、管理コストの削減が期待できます

また、データでの保管にすることで、書類の紛失リスクを抑えられたり、必要なときにはシステム上でデータを確認したりすることができます。

データでの管理には、電子帳簿保存法の要件を抑えておく必要があるため、併せて確認しましょう。

効率化を求めて、かえって非効率に? システムの導入のためには

過去の記事「陥りやすいDX化の落とし穴 ~あなたの会社は大丈夫?」でも触れたとおり、『効率化』のキャッチフレーズにつられて単にシステムを導入するだけでは、慣れないシステムでかえって業務が非効率になるおそれがあります。

また、その間もシステム利用料は発生するため、不要なコストばかりかかってしまいます。
それはPeppolに対応したシステムでも同様のため、「何のために」「誰が」「いつまでに」「どのようにして」導入していくのかをきちんと決めたうえで推進しましょう

おわりに

今回は、Peppolについてご紹介しました。
先述のとおり、システムの導入によって業務の効率化が期待できる反面、明確なロードマップや先導するメンバーがいないと使いこなせません。

辻・本郷 税理士法人ではシステムの導入支援はもちろんのこと、専門チームを交えた業務全体の効率化提案も行っております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

執筆担当:仙台事務所 佐藤 大樹
関連ページ

電子帳簿保存法の対応準備

サービスに関するお問い合わせ

  • お電話でのお問い合わせの場合、原則折り返し対応となります。直接の回答を希望される場合、お問い合わせフォームをご利用ください。
  • 海外からのお問い合わせにつきましても、お問い合わせフォームをご利用ください。
  • フリーダイヤルへおかけの際は、自動音声ガイダンスにしたがって下記の2つのうちからお問い合わせ内容に沿った番号を選択してください。
    1/相続・国際税務・医療事業に関するお問い合わせ
    2/その他のお問い合わせ
お問い合わせフォーム 0120-730-706

9:00~17:30(土日祝日・年末年始除く)