公証役場へ行ったが、実印の登録をしていなかったので定款の認証を受けることができなかった
会社の定款を作り、認証を受けるために公証役場に行きました。発起人は自分一人です。印鑑は
持って行ったのですが、実印の登録をしておらず、印鑑証明書がありませんので結局この日は認証を
受けることができませんでした。出直しです。設立登記にも印鑑証明書が必要らしいので、急いで
実印の登録をする必要がありそうです。
失敗のポイント
定款の認証に必要な書類等を把握していませんでした。印鑑証明書は、定款の認証と設立登記の際に必要になります。
正しい対応
印鑑の登録は役所でできます。少し時間がかかるので、登録をしていない人は早めに登録しておきましょう。その他、スムーズに会社設立をするために、流れをおさえておく必要があります。
解説
会社は、法務局に登録(登記)することで初めて「法人」として認められます。登記することで、会社名義で契約を結ぶことができたり、銀行口座を開設できたりするのです。
まずは会社設立の流れをおさえておきましょう。
[会社設立の流れ(株式会社のケース)]
1.会社の基本事項決
事業の内容や商号、事業年度、役員など基本事項を決めます。
登記申請の際に必要なので、代表者の実印と、会社の印鑑を準備しておきましょう。
2.定款を作成
会社の目的や商号、本店の所在地、設立時の出資額など最も基本的な事柄を定めた「定款」を作成します。定款に定めたことは会社の決まりごととして法的な拘束力を持ちます。定款はいわば会社の憲法です。
3.定款の認証
作成した定款は、公証役場で正しく作成されていることを確認してもらう必要があります。定款の認証は、会社設立登記のために必要な手続きとなります(合同会社等の場合は、定款認証不要)。
4.登記書類の作成
会社の設立登記をするには、定款のほかに登記申請書や代表取締役の就任承諾書、印鑑届出書などいくつかの書類を作成・添付する必要があります。
5.設立登記の申請
法務局へ登記申請書を提出します。不備がなければ1週間程度で審査が完了し、無事に会社が成立したことになります。会社の創立記念日にあたる設立日は、登記を申請した日になります。
6.開業の届出等
会社を設立したことを税務署や年金事務所等に届け出ます。
登記が完了しないと「登記事項証明書」が取れないので、銀行で会社名義の口座を開設するのは登記が完了してからとなります。
設立登記を法務局に申請するまでの準備期間を2週間程度、申請後の諸手続きに1〜 2週間と考えると、準備を始めてから開業までにかかる期間は3週間から1ヶ月となります。このくらいの期間を見ておけば、余裕を持って進めることができるでしょう。
定款の認証とは
会社の憲法、「定款」を作成したら、公証人に認証してもらいます。準備が整ったら、事前に予約をしたうえで、本店所在地と同一の都道府県内にある公証役場に行きます。原則は発起人全員で行くのですが、行けない人がいる場合には「委任状」を作成して、持参します。
公証役場へ持参するものは次のとおりです。
・押印済みの定款3通
・発起人全員の印鑑証明書
・発起人全員の実印
・4万円分の収入印紙
・公証人手数料5万円と謄本の交付手数料約2千円(現金)
・委任状(行けない発起人がいる場合)
定款が受理されると、1通が原本となって公証役場に保管されます。この1通に収入印紙を貼り、実印で消印をします。
よほどの欠陥でなければその場で訂正をさせてもらえますが、事前に定款をファックスで送ってチェックをしてくれるところもありますので、チェックしてもらっておくとスムーズです。
また、発起人が人違いでなく、定款に記載された住所・氏名・押印の正確性を確認するため、発起人全員の印鑑証明書が必要です。印鑑証明書は、役所で印鑑を登録してから取得できるようになります。定款認証の後、設立登記の際にも必要になりますので、2通(発起人かつ取締役に就任する場合)取得しておきましょう。