単独相続とは?単独相続となりやすい2つの条件も解説

この記事をご覧になっている方は、遺産分割の方法の一つに「単独相続」というものがあると知り、「自分は遺産を単独相続することができるのか…?」と疑問に思い、検索しているのではないでしょうか。

単独相続とは被相続人のすべての財産を、一人が相続することです。

本記事は法定相続人が複数いるが、単独相続をすることを検討している方を対象に、単独相続の意味を図解を用いながら説明しています。
また、現在の遺産分割のスタンダードは共同相続であること、例外として単独相続になりやすい相続財産の2つの条件も合わせて紹介しております。

本記事をご覧いただければ、「自分は本当に単独相続してもよいかどうか」冷静に考えて、判断することができるでしょう。

本記事が、みなさんが現在の相続制度を正しく理解した上で、円満に遺産分割協議を終えるための一助となれば幸いです。


1.単独相続とは

単独相続とは被相続人のすべての財産を、一人が相続することです。

遺産を相続する権利がある法定相続人が一人の場合は当然、単独相続ですが、法定相続人が複数人いる場合であっても、遺産分割協議の結果、一人が相続することになった場合は単独相続です。


2.単独相続は現在のスタンダードな遺産分割方法ではない

単独相続は現在のスタンダードな遺産分割方法ではありません。

現在の相続制度では「被相続人の遺産を相続する権利は、法定相続人全員にある」という原則が存在するので、現在のスタンダードな遺産分割方法は「共同相続」です。

法定相続人全員が納得すれば、長男など誰か1人に遺産を単独相続させることは、法律上なんの問題もありません。しかし、実際に単独相続を選択する家庭は多くありません。

※「家を継いだ人が全ての遺産を相続する」という考え方は、家督相続という明治31年から昭和22年まで施行されていた旧民法における相続の考え方です。

■家督相続についての詳細はこちら
家督相続とは?図解を用いてわかりやすく解説


3.【例外】単独相続になりやすい2つのパターン

例外として単独相続になりやすい2つのパターンを紹介します。
1章で説明した通り、単独相続を選択する家庭は多くありません。

しかし、私たちが日々相続税申告を行っている中での感覚的には、以下の2つのパターンに該当する方は、単独相続を選択することがたまにあります。

  • 若くして配偶者が亡くなり、子供がまだ学生であるパターン
    →配偶者が単独相続
  • 娘たちは全員嫁いで、同居していた息子が被相続人の面倒をみていたパターン
    →息子が単独相続


4.まとめ

本記事は現在の相続制度の大前提を紹介した後に、遺産分割のスタンダードは共同相続であること、例外として単独相続になりやすい2つのパターンを紹介してきました。

最後に、本記事の大切なポイントをもう一度振り返ります。

  • 単独相続とは被相続人のすべての財産を、一人が相続すること
  • 現在の遺産分割のスタンダードは共同相続であり、単独相続を選択する家庭は少数派
  • ただし、以下の2つのパターンに該当した場合は単独相続となりやすい
    【パターン①】若くして配偶者が亡くなり、子供がまだ学生であるパターン
    【パターン②】娘たちは全員嫁いで、同居していた息子が被相続人の面倒をみていたパターン

本記事が、みなさんが現在の相続制度を正しく理解した上で、円満に遺産分割協議を終えるための一助となれば幸いです。

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