準確定申告の主な必要書類一覧

準確定申告の必要書類にはどのようなものがあるんだろう?

本記事はこのようなお悩みにお答えすべく、税理士監修のもとで準確定申告の主な必要書類を一覧で紹介しています。
また、各書類ごとにイメージ画像を掲載し、取得場所・取得できる人・取得費用についても解説しています。

本記事をご覧いただきながら、準確定申告の必要書類を収集していただければ、スムーズに漏れなく必要書類を集めることができるでしょう。

準確定申告の手続きを進めているみなさんのお役に立てれば幸いです。

■準確定申告とはどのような手続きか知りたい方は、準確定申告とは「亡くなった方の確定申告」をご覧ください。

■準確定申告が必要かどうか、判定したい方は、準確定申告が不要になる主な3つのケースをご覧ください。(近日公開予定)


1.準確定申告の主な必要書類一覧

準確定申告の主な必要書類一覧をご紹介いたします。

全員必要確定申告書
全員必要相続人全員のマイナンバー関係書類(本人確認書類)
該当者のみ確定申告書付表
該当者のみ青色申告決算書または収支内訳書
該当者のみ年金・給与などの源泉徴収票
該当者のみ医療費の領収証
該当者のみ保険の控除証明書
該当者のみ準確定申告の確認書
該当者のみ委任状

厳密には、準確定申告の必要書類は、国税庁HP〔令和5年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き〕申告書に添付・提示する書類に掲載されている書類のうち、亡くなった方が該当するもの全てです。

しかし、国税庁HPに掲載されている書類の中には該当する人がごく一部の書類も多数含まれています。そこで、本記事では日頃準確定申告の代行を行っている税理士法人の目から見て、当てはまる方が多い9つの書類を紹介させていただきます。


2.全員必要な書類

全員必要な書類2点について、取得場所・取得できる人・取得費用などの詳細をお伝えいたします。

  • 確定申告書
  • 相続人全員のマイナンバー関係書類(本人確認書類)

2-1.確定申告書

全員必須の必要書類の1つ目は、確定申告書です。

準確定申告としての特別な様式はありません。通常の確定申告書に追記して使用します。
追記の方法については、死亡した方の準確定申告をする場合の記載例①をご覧ください。

取得場所申告書第一表・第二表【令和5年分以降用】(国税庁)をダウンロード
・税務署の窓口
取得できる人誰でも可
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■国税庁HP申告書第一表・第二表【令和5年分以降用】より引用

2-2.相続人全員のマイナンバー関係書類(本人確認書類)

全員必須の必要書類の2つ目は相続人全員のマイナンバー関係書類(本人確認書類)です。

取得場所・マイナンバーカード・通知カードなど:自宅
・住民票の写しなど:市区町村役場・コンビニなど
取得できる人・マイナンバーカード・通知カードなど:本人
・住民票の写しなど:本人または同一世帯の方
取得にかかる費用住民票の写し:200-300円程度
取得の際に必要な書類住民票の写し:本人確認書類、委任状(代理人の場合)など

■詳細は国税庁HP〔令和5年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き〕申告書に添付・提示する書類に詳しく記載されています。

※マイナンバーカードがない場合

マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナンバーカード(個人番号カード)をご用意いただければ大丈夫です。
マイナンバーカードをお持ちでない方は、以下の「番号確認書類」と「身元確認書類」を、それぞれ1つずつ提出する必要があります。

番号確認書類・通知カード
・住民票の写し又は住民票記載事項証明書 など
身元確認書類・運転免許証
・公的医療保険の被保険者証
・パスポート
・身体障害者手帳
・在留カード など

■住民票の写しに関する詳細は各市区町村役場のHPに詳しく掲載されています。
 ここでは新宿区のHPを参考として記載しておきます。

※書類のイメージ

大阪市HPより引用

名古屋市HPより引用


3.該当者のみ必要な書類

該当者のみ必要な書類を7つ紹介します。

  • 確定申告書付表
  • 青色申告決算書または収支内訳書
  • 年金・給与などの源泉徴収票
  • 医療費の領収証
  • 保険の控除証明書
  • 準確定申告の確認書
  • 委任状

3-1.確定申告書付表

該当者のみ必要な書類の1つ目は確定申告書付表です。
これは相続人等が2人以上いる場合に提出する必要があります。

正式名称は「死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」と言います。

取得場所死亡した者の_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(国税庁)をダウンロード
・税務署の窓口
取得できる人誰でも可
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■国税庁HP 死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表 より引用

3-2.準確定申告の確認書

該当者のみ必要な書類の2つ目は準確定申告の確認書です。
これは相続人が2人以上いる場合で、e-Taxにより準確定申告書を提出する時に必要です。

相続人代表に準確定申告の提出を委託する旨を、代表以外の相続人が記入します。

取得場所令和 年分 準確定申告の確認書よりダウンロード
取得できる人誰でも
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

■凖確定申告のe-Taxの取り扱いについて知りたい方は、国税庁HP 所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応についてをご覧ください。

※書類のイメージ

■国税庁HP 令和 年分 準確定申告の確認書より引用

3-3.委任状

該当者のみ必要な書類の3つ目は委任状です。
これは相続人が2人以上いる場合で、準確定申告に係る還付金を相続人代表が一括して受領する時に必要です。

委任状に相続人代表以外の相続人が署名する必要があります。

取得場所委任状(準確定申告用)よりダウンロード
取得できる人誰でも
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■国税庁HP 委任状(準確定申告用)より引用

3-4.青色申告決算書または収支内訳書

該当者のみ必要な書類の4つ目は青色申告決算書または収支内訳書です。
これは亡くなった方が個人事業や不動産賃貸などを行っていた場合に提出する必要があります。

亡くなった方が生前、青色申告を行っていた場合は青色申告決算書を、白色申告を行っていた方は収支内訳書を提出してください。

取得場所令和 年分所得税青色申告決算書(一般用)、または令和 0 年分収支内訳書(一般用)をダウンロード
・税務署の窓口
取得できる人誰でも可
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■国税庁HP 令和 年分所得税青色申告決算書(一般用)p.1を引用

令和 0 年分収支内訳書(一般用)p.1より引用

3-5.年金・給与などの源泉徴収票

該当者のみ必要な書類の5つ目は年金・給与などの源泉徴収票です。
これは亡くなった方が年金所得者や会社員の場合に必要になる書類です。

年金所得者の場合は加入先、会社員の場合は勤めていた会社から、相続人に対して交付されます。
お手元にない場合は、加入先または会社に問い合わせましょう。

取得場所お手元
※万が一ない場合は年金の加入先、亡くなった方が勤めていた会社に連絡を取りましょう。
取得できる人相続人
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■日本年金機構のHP 令和5年分 公的年金等の源泉徴収票より引用

3-6.医療費の領収書

該当者のみ必要な書類の6つ目は医療費の領収書です。
医療費の領収書は必ず提出しなければならない書類ではありません。医療費控除を受けたい場合に、提出する必要がある書類です。

万が一医療費の領収書を無くしてしまった場合は、保険組合から送られてくる「医療費のお知らせ」を添付すれば大丈夫です。

なお、医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った医療費です。死亡後に相続人などが支払ったものは対象外なので注意しましょう。

医療費控除の詳細は国税庁HP No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)をご覧ください。

取得場所お手元
取得できる人亡くなった方ご自身または、その家族が保管していることが多い
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■東京都保険医療局HP 第1回目の医療費の支払いより引用

3-7.生命保険などの控除証明書

該当者のみ必要な書類の7つ目は生命保険などの控除証明書です。
生命保険などの控除証明書は必ず提出しなければならない書類ではありません。生命保険料控除を受けたい場合に、提出する必要がある書類です。

■生命保険料控除に関する詳細は、国税庁HP No.1140 生命保険料控除をご覧ください。

一般的な控除証明書は毎年10月頃に契約者宛てに送られてきますが、準確定申告の場合は亡くなった日までの控除証明書が必要になります。
亡くなった日までの控除証明書は、生命保険会社で死亡の手続きを行えば、生命保険会社が送ってくれることが多い。万が一、手元にない場合は生命保険会社に問い合わせましょう。

また、最近では郵送ではなく、電子交付を行う生命保険会社も多いようです。

取得場所お手元
※万が一ない場合は生命保険会社に問い合わせましょう。
取得できる人相続人
取得にかかる費用無料
取得の際に必要な書類なし

※書類のイメージ

■大同生命HP 制度概要 生命保険料控除証明書の見本より引用


4.四十九日を過ぎたら、準確定申告の必要書類の収集をはじめよう

四十九日を過ぎたら、準確定申告の必要書類の収集をはじめることがおすすめします。

準確定申告の期限は相続開始日から4ヶ月以内と短かいです。
また、ご紹介した9つの書類のうち、〇がついている書類は相続人全員の署名が必要になります。

全員必要確定申告書
全員必要相続人全員のマイナンバー関係書類(本人確認書類)
該当者のみ確定申告書付表
該当者のみ準確定申告の確認書
該当者のみ委任状
該当者のみ青色申告決算書または収支内訳書
該当者のみ年金・給与などの源泉徴収票
該当者のみ医療費の領収証
該当者のみ保険の控除証明書

郵送などの方法で相続人に順番に署名してもらうなど、相続人全員分の署名を集めるのには時間を要します。
相続人全員が近所に住み、すぐに集まれるという状況ではない限り、準確定申告は早めに準備をはじめることをおすすめします。


5.まとめ

「準確定申告の必要書類にはどのようなものがあるんだろう?」と疑問をお持ちの方を対象に、準確定申告の必要書類について解説してまいりました。

最後に本記事の一番大切なポイントである準確定申告の主な必要書類一覧を、もう一度ご紹介いたします。

全員必要確定申告書
全員必要相続人全員のマイナンバー関係書類(本人確認書類)
該当者のみ確定申告書付表
該当者のみ青色申告決算書または収支内訳書
該当者のみ年金・給与などの源泉徴収票
該当者のみ医療費の領収証
該当者のみ保険の控除証明書
該当者のみ準確定申告の確認書
該当者のみ委任状

本記事が準確定申告の手続きを進めているみなさんのお役に立てれば幸いです。

辻・本郷 税理士法人の相続税申告サービス
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