プロベートを回避したくて方法を探していたら、TODD(Transfer on death deed)に行きついたあなた。
TODDが比較的簡単な方法だと目にするものの、実際アメリカのどの州で有効なのかを調べるとなると、情報がなくお困りではないでしょうか。この記事では、2022年6月時点でのTODD可能だったアメリカ30州について紹介していますので、是非参考にしてみてください。
※あくまで2022年6月時点での情報であり、今現在どうなっているかを保証するものではありませんのでご了承ください。
1.プロベート回避方法で、なぜTODDを選ぶのか
具体的にプロベートを回避する方法にはどういった選択肢があるのでしょうか。
①TODD ②ジョイントテナンシー ③ジョイントアカウント ④リビングトラスト(生前信託) ⑤少額財産 ⑥日本法人による財産の保有
これら6つが具体的な回避方法です。
では上記のうち、なぜTODDが比較的簡単な方法だと言われるのでしょうか。
その理由は、TODDは登記所に登記して申告書を作成すれば済むからです。 TODDは所有者の死亡時に、予め指定した受取人(Beneficiary)に譲渡ができる制度であり、2022年6月時点でアメリカの30の州で可能でした。
1-1.TODDとは?
TODDとは、特殊な譲渡証明書において、所有者が亡くなった後、指定する受取人に、不動産をプロベートを通過せず、譲渡させることを可能にする文書をいいます。
ではTODDの手続きとはどういったものでしょうか。受益者の指定を生前に行うことで回避する手続きです。
具体的には不動産については死亡時譲渡証書(Transfer on death deed,TODD)という手続きが用意されます。
自分が死亡した際にはこの者に所有権を譲渡する、ということを定めておくことで、ご本人が亡くなった時に受益者が煩雑なプロベート手続きを経ずに不動産を承継することができます。実際の手続きとしては、所有する不動産を管轄する郡(County)に書面を提出するだけで手続きは完了です。
特徴としては
- 所有権は、所有者が亡くなった後、受取人に移転します。(所有者が存命中は不動産の所有権は移転しません。)
- TODDは登記所に登記します。
- 所有者は生前、いつでもTODDを撤回することができます。
- プロベートを回避することができます。
- トラストよりも簡単に作成できますが、指定された受取人が所有者よりも早く亡くなったり、第二受取人の指定が無い場合には、無効になってしまいます。
1-2.TODD可能なアメリカの30州(2022年6月時点)
①カリフォルニア ②アラスカ ③アリゾナ ④アーカンソー ⑤ワシントンDC ⑥ハワイ ⑦イリノイ ⑧インディアナ ⑨カンザス ⑩コロラド ⑪ミネソタ ⑫ミズーリ ⑬モンタナ ⑭ネブラスカ ⑮ネバタ ⑯ニューメキシコ ⑰ノースダゴタ ⑱オハイオ ⑲オクラホマ ⑳オレゴン ㉑サウスダゴタ ㉒テキサス ㉓バージニア ㉔ワシントン ㉕ウェストバージニア ㉖ウィスコンシン ㉗ワイオミング ㉘メーン ㉙ミシシッピ ㉚ユタ
2.まとめ
TODDが時限立法となっている州もあり、あくまでも2022年6月時点でTODDが可能な30州について紹介しました。万全を期するために現地の弁護士等と連絡を取り、必要に応じてTODDが可能かどうかを確かめる必要があります。
※可能であった場合も、書式等については現地の弁護士等と連絡をとり、作成することを推奨します。
※本記事で取り上げているのはあくまでもプロベートの回避方法です。相続税・遺産税を回避できるということではありませんので、ご注意ください。