準確定申告が不要になる主な3つのケース

「準確定申告を行う必要はあるのだろうか…?」

本記事をご覧になられている方は、このようなお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

本記事は準確定申告が不要になる主な3つのケースを紹介しています。
また確定申告が必要なケース、準確定申告を行うと税金が還付されるケースも合わせてご紹介しております。

本記事をご覧いただければ、あなたご自身で準確定申告を行う必要があるのかどうか判断することができます。ぜひ最後までご覧ください。


1.準確定申告が不要になる主な3つのケース

準確定申告が不要になる主な3つのケースをご紹介します。

ケース1故人が年間400万円以下の年金受給者だった
ケース2故人が年収2,000万円以下の給与所得者だった
ケース3相続人が相続放棄をした

1-1.【ケース1】故人が年間400万円以下の年金受給者だった

故人が年間400万円以下の年金受給者だった場合、原則、準確定申告は不要です。

公的年金は源泉徴収をされてから口座に振り込まれるため、既に所得税は納付済みです。そのため、準確定申告を行う必要はありません。

故人の年金額は以下の3種類の方法で確かめることができます。

  • 年金振込通知書を確認する
  • 最寄りの年金事務所で源泉徴収票を再交付してもらう
  • ねんきんネットで過去の振込通知を確認する

ただし、年間400万円以下の年金受給者だったとしても、その他の収入が20万円以上ある場合は準確定申告を行う必要があります。不動産所得や生命保険金などの雑所得があった場合は注意しましょう。

1-2.【ケース2】故人が年収2,000万円以下の給与所得者だった

故人が年収2,000万円以下の給与所得者だった場合、準確定申告は原則不要です。

年収2,000万円以下の給与所得者は、年末調整を経て会社が所得税を納付してくれますので、準確定申告を行う必要はありません。

年収は故人が生前勤務していた会社から交付される「給与所得の源泉徴収票」を確認することでわかります。

ただし、2箇所以上の会社で働き、副業における所得が20万円を超えている場合は準確定申告を行う必要があるのでご注意ください。

1-3.【ケース3】相続人が相続放棄をした

相続人が相続放棄をした場合は、凖確定申告は不要です。

相続放棄をすると、故人の資産に関する一切の権利・義務を放棄することになるため、準確定申告を行う必要もありません。

相続放棄に関する詳細は、相続放棄とは|選択すべきケース、自分で手続きを行う時の流れを解説をご覧ください。


2.準確定申告が必要なケース

次に準確定申告が必要なケースを紹介します。

準確定申告は、国税庁が公表している「確定申告が必要な方」に故人が1つでも当てはまっていれば、行う必要があります。

本記事では、国税庁HP「確定申告が必要な方」を、なるべく平易な言葉で要約し、表にまとめました。

給与所得がある方給与の収入金額が2,000万円を超える。
給与所得・退職所得以外に20万円を超える所得がある。
ex)給与を受けつつ、公的年金等による収入が一定額以上ある。
給与を2箇所以上から受けていて、その給与全部が源泉徴収の対象である。
なおかつ、年末調整をされなかった給与の収入金額と各種の所得金額との合計が20万円を超える。
同族会社の役員やその親族である。
その同族会社から受けた給与の他に、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた。
給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた。
在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などである。
なおかつ、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている。
公的年金等の雑所得のみの方公的年金等の雑所得の金額から所得控除を差し引くと、残額がある。
退職所得がある方外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されないものがある。

3.準確定申告を行うと税金が還付されるケース

準確定申告を行うと税金が還付されるケースをご紹介します。

本来納めるべき所得税額よりも多い額を予定納税や源泉徴収で納めていた場合、準確定申告を行うことで納めすぎた所得税を還付してもらうことができます。

以下のケースに該当する場合、準確定申告が不要であっても、準確定申告を行うことで税金が還付される可能性がありますので、準確定申告を行うことをおすすめします。

  • 故人の1月1日から死亡日までの医療費の自己負担額が10万円を超えている場合
  • 故人に扶養家族や配偶者がいる場合
  • 故人が盗難や災害等により資産に損害を受けた場合
  • 故人が生前に一定の寄付を行っていた場合
  • 故人に株式運用による損失の繰り越しがある場合(特定口座に限る)
  • 故人が生前、配当金を受け取っていた場合

還付の申告は準確定申告の期限を過ぎたとしても、5年以内であれば受け付けてもらえます。
しかし、還付されたお金(還付金)は相続税の課税対象となりますので、相続税申告の期限である相続の開始があったことを知った日から10ヶ月に間に合うように準確定申告を進めましょう。


4.まとめ

本記事では、準確定申告が不要になる主なケース、準確定申告が必要なケース、準確定申告を行うと税金が還付されるケースをご紹介してまいりました。

最後に本記事の大切なポイントである準確定申告が不要になる主なケースをもう一度振り返ります。

ケース1故人が年間400万円以下の年金受給者だった
ケース2故人が年収2,000万円以下の給与所得者だった
ケース3相続人が相続放棄をした

本記事を準確定申告を行う必要があるのかどうか判断する際にご活用いただければ幸いです。

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