「相続の手続きが始まった。相続人が多く、戸籍謄本の量が多い、、何通ずつ取得すればいいのか?」
「いろんな手続きで戸籍謄本を使用して、どこにあるのか、失くしたのかわからない!」
そんなお悩みでお困りではないでしょうか。
相続手続きでは、金融機関等へ相続人が誰なのかを証明するために戸籍が必要となります。
ここでご紹介する「法定相続情報証明制度」を利用すると、何通にも及ぶ戸籍謄本を一覧図として一枚にまとめることができます。
この記事を読むと制度の概要だけでなく、手続き方法から費用までの具体的な情報がわかります!
ぜひ最後までご覧いただき本制度を活用し、スマートな手続きを行いましょう。
(参考)
■相続登記が義務化されます(令和6年4月1日制度開始) ~なくそう所有者不明土地!~
■相続登記ガイドブック 相続登記の手続きについて(詳細編)
■法定相続情報証明制度の具体的な手続について
目次
1.法定相続情報証明制度とは
法定相続情報証明制度は、何通にも及ぶ戸籍謄本を1部にまとめることができる法務局による制度です。
相続手続では、お亡くなりになられた方(被相続人)の戸籍謄本等の束を、各種窓口に何度も出す必要があり、相続人の負担となっています。
【本制度を利用することができる方】
①被相続人(亡くなった方)の相続人(又はその相続人)
②申出人から委任された、代理人
※被相続人や相続人が日本国籍を有しないなど、日本の戸籍謄本等を提出することができない場合は、
この制度を利用することができません。
2.法定相続情報証明制度の利用をおすすめするケース
3章で詳しく図解しますが、以下の手続きを2件以上行う人は法定相続情報証明制度の利用をおすすめします。
- 相続税申告
- 相続登記
- 公的年金の手続き
- 預貯金や有価証券等の金融機関での解約等手続き
- 保険会社での請求等手続き
- 自動車の名義変更手続き
戸籍謄本の提出が法務局だけといった場合は、本制度を利用しなくても良いかと思いますが、
相続手続きを行う、ほぼ全ての人は上記手続きを2件以上行います。
ぜひ本制度を利用しましょう。
3.法定相続情報証明制度を利用するメリット
本制度の最大のメリットは、時間の大幅な短縮ができることです。
どのくらい短縮できるのかを、図にまとめましたので是非ご覧ください。
【法定相続情報証明制度を利用しない場合】
上記図の様に、法定相続情報証明制度を利用しない場合は、書類の準備だけで約5カ月もかかってしまいます。その上、相続税申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。準備に5カ月もかかってしまうと、余裕をもって申告をすることが出来なくなってしまう可能性があります。
次に、利用した場合の図を見てみましょう。
【法定相続情報証明制度】
法定相続情報証明制度を利用することにより、4カ月も短縮されました。
これはもう、使わない理由はないですよね。次章では、手続きの流れを確認していきましょう。
4.法定相続情報証明制度の手続きの5つのSTEP
STEP1 必要書類の収集
以下の表は法務局に必ず提出するものの一覧となります。
必 要 書 類 一 覧 |
① 被相続人の戸籍謄本等 問合せ先:被相続人の本籍地の市区町村役場 |
② 被相続人の住民票の除票 問合せ先:被相続人の最後の住所地の市区町村役場 |
③ 相続人の戸籍謄抄本 問合せ先:各相続人の本籍地の市区町村役場 |
④ 申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類 |
① 被相続人の戸籍謄本等
出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取得します。
まずはじめに、死亡時の本籍地で戸籍謄本を取得しましょう。
出生から死亡まで同じ本籍地ならこれで取得作業は終了です。
被相続人が本籍地を移動している場合は、死亡時の本籍地の戸籍謄本に記載されている前本籍地の市区町村役場で戸籍謄本等を取得します。
順次上記作業を繰り返し、出生までさかのぼって行きましょう。
※戸籍謄本のほか、除籍謄本、改製原戸籍謄本と呼ぶものもあり、コンピューター化されている場合は、戸籍全部事項証明書、除籍事項証明書と言います。
被相続人の戸籍謄本に関しては、下記記事をご覧ください。
被相続人の戸籍謄本とは?取得方法からよくある疑問まで解説します
② 被相続人の住民票の除票
亡くなられた方が最後に住んでいたところの、市区町村役場で取得します。
住民票の除票とは、転出や死亡などで除かれた住民票を「除票」といいます。 「除票」は主に、かつて住んでいた(住民登録をしていた)ことの証明や、そこに住民登録をする前後の住所地の証明、あるいは、そのかたが死亡していることを証明する場合に用いられます。
※現在、住民登録をしている方についての証明書を「住民票の写し」といいます。
③ 相続人の戸籍謄抄本
相続人全員の現在の戸籍謄本等を取得しましょう。
各相続人の戸籍は、本籍地の市区町村役場で取得できます。
被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要となりますのでご注意ください。
④ 申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類
申出人(相続人の代表となって、手続を進める方)の氏名・住所を確認することができる公的書類を取得しましょう。また、以下の公的書類がない場合は法務局にご相談ください。
公 的 書 類 一 覧 |
運転免許証の表裏両面のコピー ※ |
マイナンバーカードの表面のコピー ※ |
住民票記載事項証明書(住民票の写し) |
※ 原本と相違がない旨を記載し、申出人の記名が必要です。
STEP2 追加書類を取得する
STEP2の書類は、必要な方だけ取得しましょう。
追 加 書 類 一 覧 |
(法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合)★★重要★★ ⑤ 各相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し) 問合せ先:各相続人の住所地の市区町村役場 |
(委任による親族の代理人が申出の手続をする場合) ⑥ 委任状 申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本 ※①又は③の書類で親族関係が分かる場合は不要 問合せ先:被相続人の本籍地の市区町村役場 |
(②の書類を取得することができない場合) ⑦ 被相続人の戸籍の附票 問合せ先:被相続人の本籍地の市区町村役場 |
⑤ 各相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し)★★★★
法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合に提出が必要となります。
相続人の住所を記載するかどうかは、相続人の任意によるものです。
★★重要★★
法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載しなければ、添付書類が増える手続きもありますので、記載をおすすめいたします。
⑥ 委任状・申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本
親族が代理する場合は申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本の取得が必要です。
①又は③の書類で親族関係が分かる場合は、不要となります。
⑦ 被相続人の戸籍の附票
被相続人の住民票の除票が市区町村において廃棄されているなどして取得することができない場合は、被相続人の戸籍の附票を取得しましょう。
STEP3 法定相続情報一覧図の作成
法定相続情報一覧図とは、被相続人の生まれてから死亡までの戸籍関係の書類等に基づいて作成した法定相続人を一覧にした図です。
法定相続情報一覧図を以下のように作成しましょう。
詳しくは以下参考をご確認ください。
(参考)
■相続登記ガイドブック 相続登記の手続きについて(詳細編) 法定相続情報
■相続人の順位を解説!チャートとシミュレーションで相続人が分かる
STEP4 申出書の記入
以下図の申出書を記入しましょう。
詳しくは以下参考をご確認ください。
(参考)
■相続登記ガイドブック 相続登記の手続きについて(詳細編) 申出書
■法務局 申出書記入例
STEP5 管轄する法務局で手続き
STEP1~4で準備した書類を持って以下のいずれかを管轄する法務局で手続きを行いましょう。(郵送手続きも可)
■各法務局のホームページ
(1)被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
(2)被相続人の最後の住所地
(3)申出人の住所地
(4)被相続人名義の不動産の所在地
※郵送による一覧図の写しの交付、戸除籍謄抄本の返却を希望する場合はその旨を申出書に記入し、返信用の封筒及び郵便切手を同封しましょう。窓口で受取をする場合は、受取人の確認のため、「申出人の表示」欄に記載した住所及び氏名と同一のものが記載された公的書類(※)を持参しましょう。
公的書類とは、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等があります。
5.法定相続情報証明制度についてよくある質問
以下に法務局作成の質問を要約したものを記載します。詳しくは以下参考URLをご参照ください。
(参考)
■よくあるご質問
手数料はかかりますか?
無料でご利用いただけます。
提出した戸籍謄本は返却されますか?
戸籍謄本等は一覧図の写しを交付する際に併せて返却されます。
申出の手続をとる時間がありません。誰かに頼むことはできますか?
申出の手続は、次の資格者代理人に依頼することができます。
・弁護士 ・税理士 ・司法書士 ・土地家屋調査士 ・社会保険労務士 ・弁理士・海事代理士 ・行政書士
※本制度の委任による代理は、上記の専門家のほか申出人の親族に限られます。
一覧図の写しが追加で必要となりました。再交付を受けることは可能ですか?
再交付可能です。
まとめ
法定相続情報証明制度を利用すると、相続手続きの負担を大幅に軽減することができます。
無料で利用できる制度となりますので、ぜひご利用ください。
相続でお悩みの方は、辻・本郷税理士法人へご相談ください。お待ちしております。