自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄することはできるのだろうか…?
自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄する時に、何か気を付けることはあるだろうか…?
本記事をご覧になられている方は、ご自身の兄弟姉妹が亡くなり、相続人になったものの、その兄弟姉妹の遺産を相続放棄をしたいという意向をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、ご自身の兄弟姉妹の遺産を相続放棄することはできます。
兄弟姉妹特有の相続放棄のルールや手続きがあるわけではありません。
しかし、自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄する時は、必要書類と期限に注意して相続放棄の手続きを進めることになります。
本記事では自分の兄弟姉妹が亡くなり、相続人になったものの、その遺産を相続放棄したいと思った時に行うべきことを図解を用いながら解説します。
ご自身の兄弟姉妹の遺産の相続放棄を検討している方の一助となれば幸いです。
目次
1.自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄することはできる
ご自身が兄弟姉妹の相続人である場合には、兄弟姉妹の遺産を相続放棄することができます。
兄弟姉妹だからといって、相続放棄はできないということはありません。
兄弟姉妹の相続人となるケースは、以下の二つのパターンが考えられます。
- 被相続人(亡くなった兄弟姉妹)に子供がおらず、親も既に亡くなっている場合
- 子供や親など先の順位の相続人全員が相続放棄をした場合
2.兄弟姉妹だからといって特別な相続放棄の手続きは必要ない
兄弟姉妹だからといって、特別な相続放棄の手続きは必要ありません。
配偶者や子供といった他の相続人と同じ手続きを行います。
また、相続放棄をする兄弟姉妹が複数いる場合は、全員まとめて手続きをすることもできますし、別々に手続きをすることもできます。
相続放棄の手続きの詳細について、以下の記事で詳しく解説しています。
■相続放棄とは|選択すべきケース、自分で手続きを行う時の流れを解説
3.兄弟姉妹の相続放棄の手続きで気を付けるべき2つのこと
兄弟姉妹の相続放棄の手続きで気を付けるべき2つのことを解説します。
2章でお話した通り、兄弟姉妹だからといって、特別な相続放棄の手続きはありません。
ただし、「必要書類」「期限」の2つに注意をして、手続きを進めていくことが必要です。
必要書類 | 必要となる戸籍謄本の種類が多い |
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期限 | 期限が「死亡日から3ヶ月」とならないケースも多い |
3-1.必要となる戸籍謄本の種類が多い
自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄する場合、必要となる戸籍謄本の種類が多いです。
第三順位の相続人である兄弟姉妹が相続人となるのは、第1順位・第2順位の相続人が存在しないことを戸籍をもって証明する必要があるため、必要となる戸籍謄本の種類が多くなります。
漏れなく準備をする必要もありますし、収集するのに時間を要する場合もあります。
以下の記事を参考に、早めに戸籍謄本の収集を始めましょう。
複数の兄弟姉妹が相続放棄をする場合、共通する書類の提出は1通で構いません。
被相続人の戸籍謄本、被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本などは1通で足りることになります。
3-2.期限が「被相続人の死亡日から3ヶ月」とならないケースもある
相続放棄の期限が被相続人の死亡日から3ヶ月とならないケースもあるので注意をしましょう。
相続放棄の期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。
自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄する場合、「子供や親などの先の順位の相続人全員が相続放棄をしたから相続人になったケース」や、「兄弟姉妹といえども疎遠で、債務者からの手紙で初めて兄弟姉妹の死亡を知ったケース」などが考えられます。
この場合、「自己のために相続の開始があったことを知った時=被相続人の死亡日」とはなりませんので、相続放棄の期限は被相続人の死亡日から3ヶ月となりません。
あくまでも自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内になります。
注意ください。
4.自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄する時によくあるQ&A
自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄する時によくあるQ&Aを紹介します。
なお、相続放棄に関する注意点は、相続放棄を行う時に知っておきたい注意点に詳しく記載されています。
Q.自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄すると、自分の子供が相続人になるのか
A.自分の兄弟姉妹の遺産を相続放棄したとしても、自分の子供が相続人になることはありません。
相続放棄をすると、その人ははじめから相続人ではなかったことになるので、子供に相続権が移るといったことはありません。
Q..自分が相続放棄をしたことは、他の兄弟姉妹に自動で連絡がいくのか
A.他の兄弟姉妹に自動で連絡がいくことはありません。
相続人となる兄弟姉妹が複数いて、自分だけが相続放棄をする場合は、トラブルを回避するためにも、相続放棄をすることを他の兄弟姉妹に速やかに連絡しましょう。
Q.兄弟姉妹が亡くなり自分が相続人となったことを知ってから3ヶ月以降に、相続人に借金があったことが判明した。相続放棄できないのか…?
A.正当な理由がある場合は相続放棄の熟慮期間の起算点が繰り延べられることがあります。
まずは法律の専門家である弁護士に相談し、弁護士と連携して手続きを進めましょう。
5.まとめ
自分の兄弟姉妹が亡くなり、その遺産を相続放棄したいと思った時に確認すべきことを図解を用いながら解説してまいりました。
兄弟姉妹の遺産の相続放棄を検討している方の一助となれば幸いです。