「相続放棄の申述は、どこの家庭裁判所にすればいいの?」
本記事をご覧になられている方は、このようなお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
本記事では、被相続人の最後の住所地を調べる方法、家庭裁判所で実際に行う相続放棄の申述の流れを、図解を用いながら詳しく解説しております。
相続放棄を検討している方の一助となれば幸いです。
■相続放棄について記載している家庭裁判所のHPをご覧になりたい方はこちら
相続の放棄の申述
目次
1.相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続放棄の申述先(手続きを行う場所)は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
相続放棄をする人の住所地の裁判所ではないのでご注意ください。
例えば、宮城県仙台市に住む父親が亡くなり、東京都新宿区に住む息子が、父親の遺産の相続放棄を行うとします。この場合、相続放棄の申述先は、宮城県仙台市を管轄する仙台家庭裁判所になります。
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所がどこかは、以下の裁判所HPで確認することができます。
※遠方の場合は郵送で申述しましょう
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所が、相続放棄をする人の住所地と離れている場合は、郵送で手続きを行いましょう。相続放棄の手続きは直接、家庭裁判所の窓口に赴かなくとも、郵送で完了させることができます。
2.被相続人の最後の住所地は「住民票の除票」で確認
被相続人の最後の住所は、住民票の除票で確認できます。
住民票の除票とは、転出や死亡などによって住民登録が削除された住民票のことで、相続放棄の申述に必要な書類の1つです。
(日本住民票振興会のHPをもとに、辻・本郷 税理士法人が作成)
この住民票の除票に記載されている住所が、被相続人の最後の住所地です。
3.家庭裁判所で行う相続放棄の申述の流れ
家庭裁判所で行う相続放棄の申述の流れをご紹介します。
ステップ1 | 必要書類・費用を用意する |
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ステップ2 | 家庭裁判所へ赴く |
ステップ3 | 郵送で照会書が届く |
ステップ4 | 相続放棄申述受理書が届く |
3-1.【ステップ1】必要書類・費用を用意する
相続放棄の申述をする時は、まず、書類と費用を用意しましょう。
①必要書類
必要書類の一覧と取得方法は以下の通りです。
相続放棄の申述書 | 成人が相続放棄をする場合:こちら 未成年者が相続放棄をする場合:こちら |
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被相続人の住民票除票又は戸籍附票 | 被相続人の最後の住所地の市区町村役場で取得 |
申述人(放棄する方)の戸籍謄本 | 市区町村役場で取得 |
被相続人の戸籍謄本 | 市区町村役場で取得 |
(該当する申述者のみ) その他血縁者の戸籍謄本 | 市区町村役場で取得 |
■詳細はこちら:相続放棄で必要な5つの書類
②費用
相続放棄の申述にかかる費用は以下の通りです。
連絡用の郵便切手の値段は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に電話で問い合わせることをおすすめします。
収入印紙 | 申述人1人につき800円分 |
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連絡用の郵便切手 | 値段は申述先の家庭裁判所によって異なるが 400-500円程度 |
3-2.【ステップ2】家庭裁判所へ赴く
必要書類と費用が用意できたら、家庭裁判所へ赴いてください。
郵送での手続きも可能です。
郵送で手続きをする場合には、確実に書類が届くよう、簡易書留やレターパックを利用することをおすすめします。
3-3.【ステップ3】郵送で照会書が届く
費用とともに裁判所に書類を提出した3日〜4日後に、郵送で照会書が届きます。
照会書とはいわゆる質問票です。必要事項を記入して返送してください。
また、照会書と一緒のタイミングで追加の資料提出を求められることがあります。
求められた場合は速やかに提出しましょう。
3-4.【ステップ4】相続放棄申述受理書が届く
照会書を返送し、無事に相続放棄の申述が受理されれば、家庭裁判所から相続放棄申述受理書が届きます。
届く目安はおおよそ裁判所へ回答書が到着してから2週間ほどです。
この相続放棄申述受理書は、相続放棄が正式に認められたことの証です。
これで、被相続人の債務を負うことは原則なくなります。
※さらに詳しい相続放棄の流れをご覧になりたい方は自分で相続放棄の手続きを行う時の流れをご覧ください。
4.まとめ
「相続放棄の申述は、どこの家庭裁判所にすればいいの?」とお悩みの方を対象に、相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所であることを解説してまいりました。
相続放棄を検討している方の一助となれば幸いです。