相続税申告書は修正OK?記入ミスの対処法を徹底解説!

相続税申告書を手書きで記入していたら、「うっかり数字や文字を書き間違えてしまった…」という方!「どうやって修正すればいいのだろう?」と悩んでしまい、手が止まってしまいますよね。

こちらの記事では、国税庁HPに記載されている相続税申告書の記載ミスの修正方法を、イラストを使用してわかりやすく解説しております。また、「押印は必要か?」「修正テープは使っていいのか?」といった記入ミスを修正する時に、気になるポイントも合わせて解説します。


1. 相続税申告書は「訂正する文字を二重線で抹消し、上の欄などの余白に適宜記入し、矢印を引く」で修正

相続税申告書の記入ミスを訂正する場合は、「訂正する文字を二重線で抹消し、上の欄などの余白に適宜記入し、矢印を引く」という方法で修正をします。

国税庁HP申告書の記載例より引用

★手順★
① 訂正する数字・文字を二重線で抹消する。
② 正しい数字・文字を上の欄や横の余白に記入する。
③ ②から①へ向かって矢印を引いて、どの箇所を修正したか示す。

また、修正箇所によっては、正しい数字・文字を記入する余白が小さい場合もあります。その場合は読める範囲内で記入できるのであれば、正しい数字・文字を余白に記入しても問題ないと思われます。一方で余白が小さすぎて正しい数字・文字が書ききれない場合は、面倒であっても新しい様式に記入し直すことをおすすめします。


2.記入ミスを修正する時の6つのポイント

次に記入ミスを修正する時に気を付けてほしい6つのポイントを紹介します。

2-1.修正する時も「黒」ボールペンを使用する

記入ミスを修正する時は、記入していた時と同じ黒ボールペンを使用します。

国税庁HPに掲載されている申告書の記載例には、「申告書は黒いインクのボールペンで、強く記入します。」と記載されているので、赤ボールペンを使用する必要はありません。

国税庁HP申告書の記載例より引用

2-2.二重線を引く時は「定規」を使用する

訂正する文字・数字に二重線を引く時は、定規を使用した方が早く綺麗に仕上がります。

相続税申告書には8桁(〇千万円)・9桁(〇億円)といった桁数の多い金額を入力することが多々あるため、訂正するために引く二重線は長くなる傾向があります。定規を使用することは国税庁から求められているわけではありませんが、フリーハンドで長い線を真っすぐに引くことは至難の業です。定規を使用した方が綺麗に早く二重線を引くことができます。

2-3.訂正印(押印)は不要

相続税申告書の記入ミスを訂正する際に、訂正印を押印する必要はありません。

令和3年度税制改正により、令和3年4月1日以降に提出される税務関係書類の押印義務が廃止されました。それに伴い令和3年4月1日以降は、税務関係書類への申告書への押印も不要となったので、訂正印も押印する必要はありません。

ただし、訂正印を推してしまったからといって、申告書を一から書き直す必要はありません。訂正印を押したまま提出しても間違いではないので、問題なく税務署は受理してくれると思われます。

2-4.修正テープ・修正ペンは使用不可

相続税申告書の記入ミスを修正する際に、修正テープ・修正ペンを使用することはできません。

公的な書類は、どのように間違え訂正されたのか、その履歴がわかるように修正する必要があります。間違えた箇所を塗りつぶしてしまう修正テープ・修正ペンは相続税申告書には使用できません。

2-5.消えるールペン・鉛筆は使用しない

記入ミスの修正が楽だからといって、相続税申告書を記入する時に消えるボールペン・鉛筆を使用することはできません。

なぜなら、消えるボールペンは温度変化や摩擦などで記入した文字が消えてしまう可能性があり、鉛筆はすぐに消しゴムで消すことができるからです。国税庁が公表している国税庁標準文書保存期間基準(保存期間表)によると、相続税申告書は10年の保存期間が設けられています。また、税務調査や相次相続等、過去の相続税申告書が必要となるケースもあります。

何年か経った後に相続税申告書が必要になり、引き出しの奥から相続税申告書を取り出してみたら、「文字が薄くなっていて読めない…!」なんてことが起こると、後々自分が困ってしまいます。

消えるボールペン・鉛筆を使用せず、黒ボールペンを使用して書きましょう。

国税庁標準文書保存期間基準(保存期間表)を参考に作成

2-6.ケアレスミスがあったまま申告しても修正申告になる可能性は高くない

誤字脱字等のケアレスミスがあったまま申告したとしても、修正申告になる可能性は高くはないのが現状です。取得財産の価額や税額など本質的な部分が合っていればよいと税務署は考えているようです。

例えば「みずほ銀行」を「みづほ銀行」と記載して提出しても、本質の部分である預貯金額が合っていれば、修正申告になる可能性は高くありません。

だからといって、ケアレスミスはない方が望ましいものです。相続税申告書は丁寧に注意しながら記入を進めてください。


まとめ

相続税申告書の記入ミスは「訂正する文字を二重線で抹消し、上の欄などの余白に適宜記入し、矢印を引く」という方法で修正します。ただし、修正箇所が多数(10箇所以上)ある場合や、余白が狭すぎて訂正して数字や文字が読みづらくなる場合など、新しい用紙を使用して書き直した方が良い場合もありますので、ご自身の申告書の状況に合わせて、修正方法を選択してください。

末筆ではありますが、皆さまが作成されている相続税申告書が正確に綺麗に仕上がることを祈っております。

辻・本郷 税理士法人の相続税申告サービス
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