
「死亡届の提出期限はいつ?」
「期限ギリギリ・過ぎた場合はどうしたらいいの?」
本記事をご覧になっている方は、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
本記事では死亡届の提出期限について、詳しく解説しています。
一般的な期限はもちろん、土日祝日や年末年始、国外で死亡した場合など、「この場合はどうなの?」とつい迷ってしまうケースについても言及しています。
さらに、期限ギリギリの場合、過ぎてしまった場合の対応方法についても解説しています。
本記事が死亡後の手続きを進めるみなさんの一助となれば幸いです。
目次 [閉じる]
1.死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内
死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。
この期限は戸籍法第八十六条で定められています。
「死亡の事実を知った日」とは、一般的に医師から死亡診断書を受け取った日のことを指します。
1-1.実際には葬儀式・告別式までに提出する必要がある
死亡届は実際には葬儀式・告別式までに提出する必要があります。
なぜなら、死亡届を提出しないと、火葬・埋葬の許可が下りないからです。
火葬・埋葬ができないと、葬儀を執り行うことができません。
法律上の期限は7日以内ですが、実際には葬儀式・告別式が行われる前までに死亡届を提出する必要があります。
近親者が亡くなると、関係者への連絡や葬儀の準備などやることが山積みです。
ご自身で死亡届を提出期限までに出すことが難しい場合は、提出を代行する葬儀会社もあるようです。
葬儀会社に尋ねてみてください。
2.死亡届の提出期限がいつか迷いやすい5つのケース
死没者提出期限がいつか迷いやすい5つのケースをご紹介します。
死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。
しかし、「この場合はどうなの?」とつい迷ってしまうケースもあると思いますので、2章で言及していきます。
ケース | 期限 |
---|---|
期限が土日祝日の場合 | 翌開庁日 |
期限が年末年始の場合 | 翌開庁日 |
国外で死亡した場合 | 死亡の事実を知った日から3ヶ月以内 |
赤ちゃんが生まれてすぐに亡くなった場合 | 死亡の事実を知った日から7日以内 |
死産の場合 | 死産から7日以内(死産届を提出) |
2-1.期限が土日祝日の場合→翌開庁日が期限
期限が土日祝日の場合は、翌開庁日が期限となります。
また、土日祝日であっても、死亡届は夜間・休日受付に提出することができます。
不備等がない限り、夜間・休日窓口に提出すれば、死亡届に関する手続きは終わりとなりますので、期限が気になる方は翌開庁日を待たずに、夜間・休日窓口に提出することをおすすめします。
提出された死亡届は翌開庁日に戸籍係が内容を確認し、不備がなかったら受付した日にさかのぼって受理されます。
2-2.期限が年末年始の場合→翌開庁日が期限
期限が年末年始の場合は、翌開庁日が期限となります。
年始最初の開庁日は一般的に1月4日です。(4日が土日祝日の場合は異なります。)
また、年末年始であっても、死亡届は夜間・休日受付に提出することができます。
不備等がない限り、夜間・休日窓口に提出すれば、死亡届に関する手続きは終わりとなりますので、期限が気になる方は翌開庁日を待たずに、夜間・休日窓口に提出することをおすすめします。
提出された死亡届は翌開庁日に戸籍係が内容を確認し、不備がなかったら受付した日にさかのぼって受理されます。
2-3.国外で死亡した場合→死亡の事実を知った日から3ヶ月以内
国外で死亡した場合、死亡の事実を知った日から3ヶ月以内が期限となります。
この期限は戸籍法第八十六条で定められています。
死亡届の提出先は、以下のいずれかとなります。
いずれかの提出先に死亡の事実を知った日から3ヶ月以内に提出してください。
- 国外にある日本大使館・領事館等
- 死亡者の本籍地の市区町村役場
- 届出人の所在地(住所地)の市区町村役場
2-4.赤ちゃんが生まれてすぐに亡くなった場合→死亡の事実を知った日から7日以内
赤ちゃんが生まれてすぐに亡くなった場合は、死亡の事実を知った日から7日以内が死亡届の提出期限となります。
また、死亡届と合わせて、出生届も提出します。
死亡届と出生届を出すことで、赤ちゃんが出生したのちに亡くなったことが戸籍に記されます。
2-5.死産の場合→死産届を死産から7日以内に提出
死産の場合は、死産から7日以内に死産届を提出します。
死産とは妊娠12週目以降に赤ちゃんが母体内で亡くなった場合です。
死産の場合は、死亡届ではなくて、死産届という書類を提出します。
■(参考)大阪市 死産届(大阪市旭区役所『死産届について(よくあるお問合せ)』より抜粋)
3.死亡届の提出期限ギリギリの場合の対応方法
死亡届の提出期限ギリギリの場合の対応方法を解説します。
たとえギリギリであったとしても、可能な限り、期限内に提出するよう努力しましょう。
以下が死亡届の記載例をご覧になればお分かりになると思いますが、死亡届は記載に時間のかかる書類ではありません。期限当日に準備を始めたとしても、十分に用意することができます。
■法務省HP『死亡届 記載要領・記載例』をもとに、辻・本郷 税理士法人が作成
また、死亡届の提出先は、以下のいずれかの市区町村役場に提出します。
お近くの市区町村役場に可能な限り期限内に提出しましょう。
- 死亡者の本籍地
- 届出人の所在地(住所地)
- 死亡地
■死亡届の提出先については、死亡届を提出先|どこの役所の何係に提出するか解説をご覧ください。
4.死亡届の提出期限を過ぎてしまった場合の対応方法
死亡届の提出期限を過ぎてしまった場合の対応方法を解説します。
可能な限り速やかに死亡届を提出しましょう。
死亡届は提出期限に遅れても受け付けてもらえます。
提出期限を過ぎてしまったとしても、可能な限り速やかに提出をしてください。
5.死亡届を期限内に提出しないデメリット
死亡届を期限内に提出しないと、以下のような様々なデメリットが生じます。
デメリット1 | 火葬ができない |
---|---|
デメリット2 | 5万円以下の過料が科される可能性がある |
デメリット3 | 相続手続きがスムーズに進まない |
デメリット4 | 年金を不正受給したとみなされる可能性がある |
デメリット5 | 介護保険の手続きが進まない |
5-1.【デメリット1】火葬ができない
死亡届を提出しないと、火葬をすることができません。
故人の遺体を火葬するには、自治体が発行する「埋(火)葬許可証」が必要です。
この許可証は死亡届を提出と引き換えに受け取ることができます。
死亡届を提出しないと、埋(火)葬許可証を受け取ることができないので、火葬することができません。
火葬ができないと葬儀を行うこともできません。
5-2.【デメリット2】5万円以下の過料が科される可能性がある
期限内に死亡届を提出しないと、5万円以下の過料が科される可能性があります。
過料とは行政上の秩序罰です。
前科はつきませんが、期限内に提出すれば支払う必要のないお金を支払う必要があります。
5-3.【デメリット3】相続手続きがスムーズに進まない
死亡届を提出しないと、相続手続きがスムーズに進みません。
故人の住民票は、死亡届の提出によって削除されます。
そのため、死亡届を提出しないと、故人の住民票は削除されません。
死亡後の手続きには、故人の死亡を証明する書類が度々必要となります。
死亡届を提出しないと、故人の死亡を証明する書類がないので、死亡後の手続きがスムーズに進みません。
5-4.【デメリット4】年金を不正受給したとみなされる可能性がある
年金を不正受給したとみなされる可能性があります。
年金受給者が亡くなると「受給者死亡届(報告書)」を提出し、年金受給停止の手続きを行う必要があります。期限は10日以内(国民年金は14日以内)です。
この手続きには、故人の死亡を明らかにすることができる書類が必要です。
死亡届を提出しないと、戸籍上死亡したことにはならないので、書類を発行することができず、年金受給停止の手続きを行うことができません。
結果として不正受給とみなされる可能性があります。
また、亡くなった日以降の年金を受け取ってしまうことになり、後日まとめて返還を請求されることもあります。
5-5.【デメリット5】介護保険の手続きが進まない
死亡届を提出しないと、介護保険の手続きを進めることができません。
介護保険は死亡後14日以内に資格喪失届を提出し、死亡の手続きを行う必要があります。
死亡届を提出しないと、この手続きをすることもできません。
未払いの保険料を納めることもできませんし、還付金を受け取ることもできません。
6.【参考】死亡後の手続きにまつわる期限一覧
参考として、死亡後の手続きの期限をご紹介します。
死亡後の手続きには、死亡届の提出以外にも明確な期限があるものが多くあります。
以下の一覧を参考に、それぞれの期限に間に合うよう計画的に手続きを進めてください。
各手続きの詳細は遺産相続の手続き期限はいつ?わかりやすい一覧表付きで説明しています。
7.まとめ
死亡届の提出期限について解説してまいりました。
死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。
死亡の事実を知った日は、一般的に医師から死亡診断書を受け取った日のことを指します。
また、死亡届は記載に時間のかかる書類ではありません。
たとえ期限ギリギリであったとしても、可能な限り、期限内に提出するよう努力しましょう。
本記事が死亡後の手続きを進めるみなさんの一助となれば幸いです。