内縁の妻が相続という大切なことに関わるとき、どの様な権利があるのでしょうか。
「実際に籍を入れていないので、相続できないのではないか」
「内縁の妻との間に子どもがいるが、財産を渡せるのか」
「相続人と円満に話し合いたい」
様々な想いがあると思います。
この記事では、内縁の妻と相続について解説していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
1.内縁の妻に相続する権利はありません
内縁の妻は、相続する権利がありません。
一緒に暮らしていて夫婦同然なのになぜ、相続する権利がないのか確認していきましょう。
1-1.内縁の妻は法定相続人ではない
内縁の妻は、婚姻しているわけではないので亡くなった人の戸籍に記載されません。
当然、戸籍上の配偶者とはならないため法定相続人になることはできません。
1-2.内縁の妻との子どもは認知していれば法定相続人になる
内縁の妻との間に生まれた子どもは、亡くなった人が認知していれば法定相続人となります。
認知とは、「亡くなった人が、血縁上自分の子であると認めること」です。
市役所へ認知届を提出することによって、亡くなった人の戸籍に認知事項が記載され、認知完了となります。
この手続きをしていないと、法定相続人として認められないので注意しましょう。
2.内縁の妻に財産を残す4つの方法
1章では、内縁の妻自身には相続する権利がないことを説明させていただきました。
しかし、財産を残す方法が全くない訳ではありません。
この章では、主な方法を4つ紹介いたします。
2-1.遺言を遺す
まず、1つ目は遺言書を作成することです。
遺言書に内縁の妻へ、遺したい財産を遺贈すると記載しておけば、内縁の妻は財産をもらうことができます。
遺言書作成についての詳しいことは、下記記事をご覧ください。
遺言書が有効か無効か判定できる14のチェック項目
遺言執行者とは何をする人?選任すべき5つのケースを紹介
遺言書の検認とは?必要な状況・理由・流れを網羅的に解説
2-2.生前贈与をする
2つ目は、生きているうちに内縁の妻へ財産を贈与することです。
生前贈与は、血縁関係がなくても行えるもので、双方の合意があれば成立します。
年間110万円までは、贈与税を払うことなく財産を受け取れますので検討してみましょう。
2-3.生命保険を契約する
3つ目は、内縁の妻を受取人として生命保険を契約することです。
生命保険金は、受取人固有の財産となるため、法定相続人以外の人が受け取っても何も問題がありません。
また、生命保険金の受取人は、基本的に戸籍上の配偶者と2親等以内の血族または親族とされていますが、内縁の妻や、同性パートナー等でも受取人として認めている保険会社もありますので、覚えておきましょう。
2-4.結婚する
4つ目は、内縁の妻と結婚することです。
この方法が1番シンプルなものとなります。結婚をして法律が定める正式な配偶者となるため、法定相続人になることができます。
戸籍上の配偶者となることで、配偶者の税額軽減等の特例が使用できるようになり税金がお得になることもあります。特別な理由がない場合は、検討することをお勧めします。
まとめ
内縁の妻と相続のお話をさせていただきました。内縁ですと、法定相続人にはなれませんので、しっかり理解しておきましょう。また、生きている間にできる限りのことを考え、行動することをお勧めします。
相続のお悩みは、ぜひ辻・本郷 税理士法人へご相談ください。