父が亡くなった後、間をあけずに母も亡くなった。
相続について、何からはじめたらいいか全く分からない…。
本記事をご覧のみなさんは、このようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。
親の死というのは、人生の中でもかなりショックな出来事です。
それが立て続けに起きたというのであれば、あなたの悲しみの深さは相当なものではないかとお察しします。
また、喪主や喪主に近い立場で、葬式や四十九日の準備を進めてこられ、精神的にも肉体的にもかなりお疲れのことと思います。
本記事は、相続手続きを進めていくにあたって、まずは知っておいて欲しい、「誰が相続するのか」「誰が相続手続きを行う必要があるのか」を解説しています。
そして、ご両親が相次いで亡くなられたという、大変な状況に置かれているみなさんが、膨大な相続手続きをどのように進めていけばよいのか、相続専門税理士監修のもと考えていきます。
目次
1.両親が相次いで死亡した場合、相続手続きを進めるにあたって、まず知って欲しい2つのこと
両親が相次いで死亡した場合、相続手続きを進めるにあたって、まず知って欲しい2つのことを紹介します。
1-1.【その①】父・母の財産は、原則子供が相続する
父と母の財産は、原則、子供が相続します。
遺産を相続する権利がある人を、民法では法定相続人として定めています。
父と母が亡くなった場合、法定相続人は「子供」になるので、原則、子供が相続します。
1-2.【その②】父・母の相続手続きは、子供が行う必要がある
父・母の相続手続きは、子供が行う必要があります。
つまり、この記事をご覧になっているあなた自身が相続手続きを行います。
相続手続きは量が多く、通常の相続であっても、かなりの時間と労力が必要になり、相続人にとって負担となります。
この記事をご覧の方は、ご両親が相次いで亡くなり精神的にかなり疲弊している状態で、父・母両方の相続手続きを行う必要があるので、その負担の大きさは計り知れないでしょう。
2.両親が相次いで亡くなった場合の相続手続きを、子供が一人で抱え込まない方が良い3つの理由
両親が相次いで亡くなった場合の相続手続きは、以下の3つの理由から、子供が一人で抱え込むことはおすすめできません。
2-1.【理由①】子供が行うべき相続手続きは24項目もある
子供が行うべき相続手続きは24項目もあります。
以下が相続手続きの一覧です。
この一覧表をご覧いただければ、相続手続きを自分自身で調べながら行うことは、かなりの時間と労力が必要であるとご理解いただけると思います。
■各手続きの詳細は、こちらの記事に詳しく掲載されています。
大切な人が亡くなったら行う24の相続手続き
2-2.【理由②】ほとんどの相続手続きは、父・母別々に行う必要がある
ほとんどの相続手続きは、父・母別々に行う必要があります。
つまり、上記の24の相続手続きを、それぞれ2回ずつ行う必要があるのです。
相続手続きは、ただでさえ量が多い上に、期限が決まっており、相続人にとって負担の大きな作業です。
ご両親が相次いでお亡くなりになった本記事をお読みの方は、通常の約2倍の作業量があることを考えると、その負担の大きさは計り知れません。
2-3.【理由③】数次相続という、特別な手続きを行う必要がある
追い打ちをかけるようですが、ご両親が立て続けに亡くなっている場合のことを「数次相続」とよび、この数次相続の場合は、以下のような通常の相続とは異なる手続きを行うものがあります。
一つずつご自身で調べながら行うのは、かなりの時間と労力がかかるでしょう。
特に相続税申告においては、相次相続控除という税額軽減制度を利用できたり、申告期限が変更になったりと多くの特有の規定があり、一般の方がご自身で申告するのはかなり厳しいと言えます。
■数次相続についての詳細はこちら
数次相続とは|特有の相続手続きを図解で解説
■相続税申告についての詳細はこちら
相続税申告は自分でできる?税理士が相続税申告の進め方を解説
3.両親が相次いで亡くなった場合の相続手続きは、無理をせず専門家に頼ることがおすすめ
両親が相次いで死亡した場合の相続手続きは、無理をせず、専門家に頼ることを検討すべきでしょう。
ただでさえ相続手続きは量が膨大で、期限の決まっているものが多く、相続人にとってかなりの負担になります。その上、この記事をご覧の方は、ご両親を相次いで亡くしていることで、精神的にも肉体的にも疲弊していることでしょう。そのような状況の中で、数次相続という特有の手続きについて理解し、通常の2倍の量の申告手続きを行う必要があります。
自分の身を守るためにも、相続手続きは専門家に頼りましょう。
以下が頼れる専門家の一覧です。
相続に関する基本的な情報 | 市区町村役場 |
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相続税に関する基本的な情報 | 税務署 |
相続トラブル | 弁護士 |
相続放棄 | 弁護士・司法書士 |
相続人・相続財産調査 | 弁護士・税理士・司法書士・行政書士 |
相続税 | 税理士 |
相続登記 | 司法書士 |
遺産分割 | 弁護士・税理士・司法書士・行政書士 |
被相続人の金融機関における手続き | 弁護士・税理士・司法書士・行政書士・金融機関 |
相続した財産の今後の運用 | 金融機関 |
ご両親もあの世で、あなたが精神的に疲弊している中、相続手続きまで完璧に行って欲しいと思っているでしょうか。無理をせず、あなたが元気にいつも通りの生活を送ってくれることを望んでいるのではないかと思います。
無理をせず、専門家に頼ることを検討すべきでしょう。
4.まとめ
ご両親を相次いで亡くされた方を対象に、相続手続きを進めていくにあたって、まずは知っておいて欲しい2つのこと、膨大な相続手続きをどのように進めていけばよいのかを考えてきました。
最後に本記事の大切なポイントをもう一度振り返ります。
- 父・母の財産は、原則子供が相続する
(遺言書で第三者に遺贈された場合、代襲相続が発生している場合は例外として子供以外が遺産を相続することもある) - 父・母の相続手続きは、子供が行うことが一般的
- 両親が相次いで亡くなった場合の相続手続きを、子供が一人で抱え込むことはおすすめできない
【理由①】子供が行うべき相続手続きは24項目もある
【理由②】ほとんどの相続手続きは、父・母別々に行う必要がある
【理由③】数次相続という特別な手続きを行う必要がある - 相続手続きは無理をせず、専門家に頼ることをおすすめ
本記事がご両親が相次いでお亡くなりになった方の相続手続きの一助となれば幸いです。