相続税申告の期限は知っていますか？
「よく分からないから、先延ばしで良いや」
「期限過ぎても大丈夫？」
「申告期限って、意外と長いんじゃないの？」
不安な方もいれば、気楽にとらえている方もいるでしょう。
しかし、しっかりと期限を把握しないと損をしたり、手遅れになってしまう事もありますので注意が必要です。ぜひ、この記事を読んで申告期限を把握しましょう。
■相続税申告についての詳細はこちら
相続税申告は自分でできる？税理士が相続税申告の進め方を解説
目次
1.相続税申告の期限は亡くなった日を知った日の翌日から10ヵ月以内
相続税申告の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。
例えば、令和5年10月1日に亡くなるとします。その場合、申告期限は令和6年8月1日となります。
※申告期限が土日祝日にあたる場合は、これらの日の翌日となります。詳しくは下記HPをご覧ください。
引用：国税庁HPより「申告の期限と方法」
1-1.亡くなったことを知った日とは
亡くなったことを知った日とは、一般的に考えると死亡日となりますが、必ずしも「死亡日＝亡くなったことを知った日」になるとは限りません。例えば下記の様な例があげられます。
・別居し、疎遠になっていて知らなかった場合
・失踪により、死亡が確定された場合
・死後認知された場合 等
このような特殊なケース以外は、基本的に”死亡日”となります。
2.相続税申告にまつわる2つの期限
相続税申告の期限は10ヵ月となっていますが、申告期限以外にも気を付けなければいけない期限が2つあります。下記図をご覧ください。どういったものなのか、一つずつ解説していきます。
2-1.相続放棄と限定承認の期限は3ヵ月以内です
相続放棄とは、全ての財産を相続しない事です。例えば、財産が「不動産・車・借金」だった場合には、「借金」だけ放棄したい気持ちになると思いますが、放棄の場合は「不動産・車」も含む全ての財産を放棄しなければいけません。
限定承認とは、相続によって得たプラスの財産を限度として、マイナスの財産も引き継ぐことをいいます。要するにプラスマイナス0という事です。
2-2.準確定申告の期限は4ヵ月以内です
準確定申告とは、亡くなった人がやるべきであった確定申告を、相続人が代わりに行う事です。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。引用：相続ガイド：準確定申告とは「亡くなった方の確定申告」
3.申告期限に間に合わないとどうなるのか
申告期限に間に合わなかった場合は、”無申告加算税”や”延滞税”等のペナルティが課せられてしまい余分な税金を払う事になってしまいます。また、本来であれば税金を安くできる特例を使えたのに、申告期限を過ぎてしまうと使えなくなってしまいます。相続税申告は早めに取り掛かり、余裕を持って申告しましょう。
ペナルティや、特例に関しては、下記の記事をご覧ください。
引用：相続ガイド「相続税を申告しない場合のペナルティを解説！税務署には見つかるの？」
引用：国税庁HPより「相続税の計算と税額控除」
4.もしも、申告期限ギリギリになってしまったら
大切な方が亡くなり、お気持ちの切り替えに時間がかかってしまったり、お仕事等でお忙しいと、先延ばしになってしまう事が多いと思います。そんな時にやるべき事を2つ紹介いたします。
4-1.相続専門の税理士に相談する
申告期限ギリギリになってしまった場合、自分で申告をするのは不可能です。まずは、相続専門の税理士へ相談し、申告を手伝ってもらいましょう。
4-2.とりあえず申告する
期限内に申告しないと、各種特例や税額軽減が使えなくなってしまうため、一旦は、法定相続分で分割し、申告しましょう。申告をした後でも、”修正申告”や”更正の請求”をすれば損はしないようになっているので、落ち着いて対処しましょう。
5.相続税申告の期限に関するQ＆A
Q.相続税申告が必要な人には税務署から何か通知が来るの？
A.「相続税についてのお尋ね」が届きます。必ずしも申告が必要な方全員に届くわけではありませんので、自分で申告が必要かどうか確認しましょう。下記の記事を参考にしてみてください。
引用：相続ガイド「相続税申告が不要になる3つの？ケース」
Q.相続税の納付期限はいつですか？
A.申告期限＝納付期限となります。申告期限までに納税資金を準備しておきましょう。
Q.申告書を提出した後に、評価方法の間違いを見つけた場合どうしたら良いですか？
申告期限内であれば、間違いを訂正し再提出できます。最初の申告で納付した額が過少であった場合でも、期限内の訂正であれば、過少申告加算税は発生しません。
さいごに
相続税申告の期限に関して解説してきましたが、申告期限の10ヵ月はあっという間に過ぎてしまいます。申告が必要かどうか自分で考えてみるのも良いですが、まずは相続専門の税理士へ相談することをお勧めします。ストレスなく、スムーズな相続税申告を目指しましょう。