税務署に申告した内容について誤りがないか、聞き取りや書類の確認が行われることがあります。これを税務調査といい、相続税にも調査が入ることがあります。
相続税の税務調査とはどんなもので、何を聞かれるのでしょうか。 実際に立ち会った調査でのやり取りを交えてご紹介します。
調査のポイントは税務調査官との会話
相続税の税務調査は1日かけて行われ、一般的には午前10時から税務調査官がご自宅等に訪問します。
午前中は相続人に対する聞き取り調査が行われ、午後に通帳、相続税申告に使用した証憑書類やその他の書類を確認し、だいたい午後4時頃に終了します。
1日がかりと知って、昼食の用意をする必要があるか気になった方もいらっしゃるかと思います。
調査官は外で食事を済ませるため、用意をする必要はありません。
税務調査によるおおまかな聞き取り調査内容
- 大学くらいからの経歴(被相続人・相続人とも)
- ご両親の職業等(被相続人・相続人とも)
- 実家から相続した財産(被相続人・相続人とも)
- 生前に贈与を受けたもの(被相続人・相続人とも)
- 住まいの移転状況(被相続人・相続人とも)
- 趣味
- 病歴・入院期間・死亡当時の状況・意思能力の有無
- 誰が財産管理をしていたか
- 金庫(自宅・貸金庫)の場所・中身・管理状況
- 不動産の権利証・預金通帳その他の貴重品の保管場所
- 相続財産の収集(把握)方法
- 遺言書の有無
- 遺産分割協議の状況
- 相続人の相続前の固有の財産
- 相続後処分したもの
など
税務調査のメインは相続税申告書に記載された財産の確認ではなく、申告書から計上が漏れている財産を見つけることです。調査官は何気ない質問をしているかもしれませんが、そこからヒントを得て財産の計上漏れがないかチェックしてきます。
とある税務調査でのシーン
先日、お客様のもとで相続税の税務調査に立ち会いました。
午前中は相続人に対する聞き取り調査となります。
予想通り、被相続人の出生やら職業やら様々な角度から聞き取り調査が行われました。
「お差し支えなければで構いませんので……」を決まり文句としてかなり込み入った話まで聞いてきました。
「お父さんとお母さんの馴れ初めは?」の質問のときは、流石に “お差し支え” があるのではと思いましたが。
ふと聞いていて「自分だったら答えられるかな?意外と両親のこと知らないな。ましてどこに財産があるかなんて」と考えました。
あたりまえの話ですが、被相続人の税務調査に立ち会うのは被相続人ではなく、残された相続人です。
自分の死んだ後のことなんて知らないと思っていても、残された相続人は、調査官から自分のことについて質問攻めにあってしまうかもしれません。
後々のトラブルを避けるためにも、自分の人生についてお子様方に話されてみてはいかがでしょうか。
おわりに
私たち辻・本郷 相続センターの運営元である、辻・本郷 税理士法人では、国税出身者を顧問にむかえ、税務調査の傾向や対応についてのノウハウを社内で共有しています。
相続センター内には、調査対応の経験が豊富なスタッフが数多く揃っており、申告書の作成だけでなく「申告後のアフターサービス」までご対応いたします。
相続に関してお困りのことがございましたら、ぜひ、辻・本郷 相続センターにご相談ください。