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相続税の申告と納税 ~期限に間に合わないとどうなるの?~

公開日:2020.10.28
相続手続き
相続税の申告と納税 ~期限に間に合わないとどうなるの?~

相続税の申告と納税は、亡くなった日から10カ月以内に行わなければなりません。

亡くなった方のすべての財産を明らかにし、書類を集め、評価をし、相続人でどのように分けるかを決め、税金を計算する…。申告と納税にたどり着くまでにしなければならないことは盛りだくさんです。
10カ月という時間は長いようであっという間に過ぎてゆきます。

もしも、期限に間に合わないとどうなるのでしょう?事前の対策もあわせてご説明します。

立川事務所

申告期限とは?

冒頭で「亡くなった日から10カ月以内」と記載しましたが、厳密にいうと「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」となります。

例えば、妻Aと子Bの2人の相続人がいるとします。
妻Aは1月6日にご主人(被相続人)を看取り、音信不通の子Bは5月1日に知らせを受け、初めて父の死を知ることとなりました。
この場合の申告期限は、妻Aが11月6日、子Bが翌年の3月1日となります。

このように、相続人によって申告期限が異なるケースもあるのです。

いつまでに税金を納めるの?

相続税の納付期限は、相続税の申告期限と同日です。税金の納付と申告書の提出はどちらが先でも構いません。

税務署や金融機関・郵便局の窓口で納税できるほか、インターネットバンキング等による電子納税やクレジットカード納付も可能です。

間に合わないとどうなるの?

「うちはそんなに財産がないから、大丈夫」そう思っていたら、税務署から相続についてのお尋ねの封筒が届いてびっくり!慌てて準備をしてみるけれど、何から始めたらいいのかわからない、申告書の書き方はもっとわからない……。

10カ月という期間はあっという間に過ぎてしまいます。
間に合わないと、以下のようなデメリットがあります。

①特例が使えない

相続税の計算には、税金が少なくなる特例があります。その特例の多くは、申告期限までに申告書を提出することが要件となっています。

他のコラムでもご紹介している「配偶者の相続税額の軽減」や「小規模宅地等の特例」などの優遇措置は期限内に申告することで受けられるものなのです。

②延滞税がかかる

納期限までに相続税を納めないと、納期限の翌日から延滞税が発生します。この延滞税の割合は年によって変動します。

平成30年1月1日から令和2年12月31日までの期間に納税が遅れた場合の税率は以下の通りです。

  • 納期限の翌日から2カ月を経過する日まで:年2.6%
  • 納期限の翌日から2カ月を経過した日以後:年8.9%

納期限を過ぎると、ペナルティが待ち受けているのです。
ちなみに、納期限より早く納付しても、残念ながら税金は安くなりません。

事前の対策を!

事前の対策を!

毎年行う所得税の確定申告と異なり、相続税の申告は一生のうち数回あるかないかの経験です。
慣れない申告を10カ月以内に終わらせるのはハードルが高いと感じられるかもしれません。

亡くなって初めてゼロからスタートするのは大変なので、残されるご遺族のためにも、ご自身でできることを事前に準備されてみてはいかがでしょうか。

①財産を一覧にして残す

自分の財産を一番把握しているのは自分自身です。相続人が亡くなった方の財産をすべて把握するのは一苦労です。ご自身の財産を書き出しておきましょう。

②遺産の分け方を明らかにし、意向がわかるようにしておく

相続人の誰に何を遺したいか、意向を伝えましょう。遺言書という形にしておくのがおすすめです。争いが起こらないように、どうしてそのような分け方にしたのか理由も添えると良いでしょう。

遺産を分ける相手への気持ちを優先して決める方もいらっしゃるのですが、分け方によっては使えなくなってしまう特例があったり、不動産だけもらっても、現金がなく、納税に困ってしまったりということがあります。
納税資金の確保までを考慮して決めると良いでしょう。

③税額の確認

税金がいくらかかるかを把握して、納税ができるかも確認しておきましょう。もし足りない場合は対策が必要です。

④適用できる特例や、非課税になるものを確認

適用できる特例や非課税になるものについても確認しておきましょう。

例えば、相続対策になると思って加入していた生命保険が、じつは非課税の対象にならなかったというケースに遭遇することは少なくありません。どのような制度が適用できるのかも含めて、税理士など専門家に一度相談してみることをおすすめします。

おわりに

しっかりと準備をして、ご家族にはゆとりをもって申告期限を迎えてもらいたいですね。
もしお手続きで分からない点、お悩みごとがございましたら、辻・本郷 相続センターまでお問い合わせください。

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