親子で共有名義の不動産がある方必見!親の死亡時に誰が何をすべきかご案内します

author-avatar
監修者 新井健一郎

1.親子で共有名義の不動産は親の死亡時に『親の共有持分』が相続される

親子で共有名義の不動産を所有していて、親が死亡したという場合、『親の共有持分』が相続の対象となります。

例えば、親ひとり、子ひとりの家庭で親子が1/2ずつ負担し合って共有名義の不動産を取得し、所有していた場合ならば、親の共有持分である不動産の1/2が遺産相続の対象です。子の共有持分については、そのまま子が所有し続けることになります。

2.親子で共有名義の不動産について、親が死亡した後にすべき2つのことについて

相続の際に必要な「すべきこと」2つは、

  • 誰が共有持分を相続するのか話し合う
  • 相続登記をする

となります。これら2つについて解説していきます。親が死亡した後には必ず行うようにしてくださいね。

2-1.誰が共有持分を相続するのか話し合う

『親の共有持分を相続するのが誰なのか』については、一般的な相続と同じように決まります。

つまり、『親の共有持分を相続するのが誰なのか』を定めた遺言書がある場合は、遺言書が最優先されます。

遺言書がない場合には、法定相続人同士で遺産分割協議をして法定相続人が遺産を相続することになります。

遺産分割協議の際に作る必要のある遺産分割協議書については、以下のページをご覧ください。

https://www.ht-tax.or.jp/sozoku-guide/inheritance-division-agreement

遺産分割協議をする場合、『親の共有持分を相続するのが誰なのか』についても相続人同士の話し合いで決めることになります。どのような相続の仕方にするかは、相続人同士の話し合いの内容次第です。

しかし、弁護士の観点からすると、元々、親子で不動産を共有していた子一人が、親が持っていた共有持分を全て相続することができれば、その不動産はその子の単独名義にすることができ、その後の不動産の売却や利活用のために便利だと考えます。

話し合いの際には極力、共有名義状態を解消するために、共有持分はもともと不動産を共有していた子一人が相続する(他の相続人はそれ以外の財産を相続することにして差額は現金で精算する等して調整する)ように決めるとスムーズです。

慎重に話し合い、誰が何を相続するのかを決めましょう。

2-2.相続登記をする

親が死亡した後、親子で共有していた不動産の『親の共有持分』を相続するときは、相続した共有持分の名義を登記し直してください。令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されたので、現在は必ず登記を行う必要があります。

具体的には、相続人を決め、遺産分割協議を行った後に相続登記を行います。

相続登記に集める必要のある書類は、以下の通りです。

  • 故人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍
  • 故人の住民票除票
  • 故人の戸籍の附票あるいは権利書(登記簿謄本に記載されている故人の住所と、故人の死亡時の住所が異なる場合)
  • 相続人の戸籍謄本
  • 登記名義人になる方の住民票
  • 固定資産課税明細書
  • 相続人全員の印鑑証明書

また、作成する必要のある書類は、以下の通りです。

  • 遺産分割協議書
  • 登記名義人になる方による登記申請書あるいは代理人による申請の場合は委任状
  • 相続関係説明図

上記以外にも必要な書類がある場合があります。詳しくは、法務局の『相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先など』のページをご覧ください。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001393744.pdf

相続登記で行う必要のある手順としては、以下の通りです。

  1. 必要書類の収集をする
  2. 登記申請書を作成する
  3. 法務局に登記申請書および必要書類を提出する
  4. 登記完了後に登記識別情報通知を受け取る

遺言書の有無により多少内容が変化することがあります。遺言書がなく、法定相続人によって遺産分割協議を行う場合のケースなどの詳細に関しては、法務局の『相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)』が用意されています。以下のページとなるので、ご参考になさってください。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000001_00014.html

3.まとめ

親子で共有名義の不動産について、親が死亡した際には、

  • 親の共有持分が相続される
  • 相続するのが誰なのかは遺言書や遺産分割協議で決める
  • 可能ならば相続を機に共有名義を解消できると望ましい
  • 相続登記を含めた手続きを行う義務がある

上記のような要点に気を配ると良い旨を解説してきました。

親子で共有している不動産は、親の死亡時に問題が複雑化しやすいです。

相続登記をきちんと行い、可能な場合には共有名義を解消するなどして、相続が円滑に進むように行動してみましょう。

4.共有名義でお悩みの方は弁護士相談を

本記事では、共有名義のトラブルに詳しい弁護士が、親子で共有名義の不動産は親の死亡時にどうなるのかについて解説しました。

これから共有名義にすることをご検討の方や、相続のことでトラブルがあり、共有名義を解消したいという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。

共有名義状態には、土地の資産価値を著しく下げてしまう、相続時のトラブルを招くなどのリスクがあります。

できることなら共有名義を避け、それぞれが単独名義で相続できる遺産分割がのぞましいでしょう。

辻・本郷グループの遺産分割・共有名義に詳しい弁護士が直接対応いたします。

共有名義・共有持分の有料相談(一時間¥11,000税込)受付中!

TH弁護士法人

メールフォームからお申込ください。

後ほど担当者より面談日時調整の返信をさせていただきます。