コピー代の勘定科目はどれを使う?具体的な場面別に選び方を解説

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監修者 宇都宮健太

コピー代の勘定科目はどれを選べばいいんだろう?そんな迷いを持つ方は多いのではないでしょうか。多くの方が持つこの悩みは、実は明確な決まりがないからこそ難しいのです。コピー代の勘定科目は、その使用目的に応じた選択が求められます。この記事ではコピー代はどの勘定科目にあてはまるのか、それぞれの特徴と具体例を詳しく説明します。


1.【場面別】コピー代と勘定科目の選び方

ビジネスにおいて「コピー代」は様々な場面で発生します。しかし、コピーにかかる勘定科目をどの勘定科目に計上すべきかは、利用する目的によって異なります。正確な仕訳を行うことで、経理処理の効率化と透明性の確保をすることができます。本章では、コピー代の発生場面に応じた適切な勘定科目の選び方を解説します。

1-1.役所やコンビニでコピーした場合

役所やコンビニでコピーした場合は、利用目的によって「消耗品費」「雑費」「広告宣伝費」に振り分けられます。それぞれの勘定科目には以下のような意味があります。

勘定科目意味
消耗品費コピーが日常的に使用される資料や事務作業に必要なものである場合
雑費突発的なコピーなど特定の用途にあてはめるのが難しい少額のコピーの場合
広告宣伝費コピーが広告や宣伝目的で使用された場合

1-1-1.消耗品費

消耗品費は日々の業務で使用することで徐々に減少し最終的に使い切る物品の支出を指します。事務作業や日常業務に必要な文書を作成するためのコピー代は、この科目で処理します。
(仕訳例)
役所で会議資料をコピーし、現金で500円支払った。

借方貸方
消耗品費500円現金500円

1-1-2.雑費

雑費は特定の勘定科目に分類しづらい少額で突発的な支出を指します。業務に関連しているものの、特定用途として明確に分類できないコピー代は、この科目で処理します。
(仕訳例)
用途が事務作業か広告かはっきりしないものを急遽コンビニでコピーし、現金50円を支払った。

借方貸方
雑費50円現金50円

1-1-3.広告宣伝費

広告宣伝費は、広告や宣伝目的で使用した際に支払う費用です。配布物など、明確に宣伝目的がある場合のコピー代は、この科目で処理します。
(仕訳例)
近隣に配布するチラシをコンビニで100枚コピーし1,000円支払った。

借方貸方
広告宣伝費1,000円現金1,000円

1-2.印刷を外注した場合

印刷を外注した場合は、利用目的によって「外注費」「仕入高」に振り分けられます。それぞれの勘定科目には以下のような意味があります。

勘定科目意味
外注費印刷業務を外部の業者に委託した場合
仕入高印刷物が最終的に販売目的になる場合

1-2-1.外注費

外注費は業務の一部を外部業者に委託した際に支払う費用です。例えば専門的な知識や技術を必要とする業務の一部を外注する場合があります。あくまで自社業務の一部であり、それ自体の商品化や販売目的でない場合に適用されます。外部の業者に自社の印刷関連業務を委託した場合に、コピー代は外注費として処理します。
(仕訳例)
業者にパンフレットのデザインと印刷を依頼し、5万円を当座預金から支払った。

借方
貸方
外注費50,000円当座預金50,000円

1-2-2.仕入高

仕入高は外注した印刷物が販売目的の商品となる場合に使用します。これは外注印刷物が雑誌などそのまま販売する場合や、パッケージなど製品の一部として利用される場合にも使われます。
(仕訳例)
販売用の冊子を印刷し、2万円を現金で支払った。

借方
貸方
仕入高20,000円現金20,000円

1-3.社内で印刷した場合

社内で印刷をした場合は、コピー代としてコピー用紙やプリンタートナー、インクカートリッジなどの購入品があります。これらは「事務用品費」「消耗品費」「雑費」に振り分けられます。それぞれの勘定科目には以下のような意味があります。

勘定科目意味
事務用品費コピー用紙が事務作業に直接関連する場合
消耗品費コピー用紙やインクなど消耗品として日常業務で使用する場合
雑費コピー用紙の購入が特定の業務に直接関連せず分類が難しい場合

1-3-1.事務用品費

事務用品費は事務作業に関連して購入する物品に使用します。主に事務業務の書類作成や管理にインクやコピー用紙が使われる場合はこちらに分類します。
(仕訳例)
事務作業用にコピー用紙を500円で購入し、現金で支払った。

借方
貸方
事務用品費500円現金500円

1-3-2.消耗品費

消耗品費は日常的に消費される物品の購入費用を計上します。主にコピー用紙やインクカートリッジ、トナーなどのように、業務の遂行に必要であり、消耗されるものが該当します。
(仕訳例)
コピー用紙を1,000円で購入し、現金で支払った。

借方
貸方
消耗品費1,000円現金1,000円

1-3-3.雑費

雑費は突発的、少額、または用途が曖昧で分類が難しい支出に使用しますコピー用紙や印刷に関連する費用でも、業務上で用途がはっきりしない場合に使用します。
(仕訳例)
コンビニで急遽コピー用紙を購入し、200円を現金で支払った。

借方貸方
雑費200円現金200円

2.コピー代の勘定科目の詳細・仕訳例

コピーに関連する費用はその目的に応じて適切な勘定科目に分類する必要があります。以下にコピー代に関連する8つの勘定科目を仕訳例と共に更に詳しく説明します。各科目の特徴と使用例を詳しく理解し、適切な経費分類を行うことで経理業務の効率化と精度向上を目指しましょう。

2-1.消耗品費

消耗品費は業務で頻繁に使用し、使う度に消耗・減少する物品の購入費用を指します。特に、10万円未満のもので使用期間が1年未満の物品のことを言います。例えば、コピー用紙、電池、洗剤、インク、ホッチキスの芯などがあります。これらのように、使用するたびに消耗するものであれば、消耗品として処理することが適当です。また、事務用品に加え、業務全般で使用される幅広い消耗品であることが特徴です。
コピーをする場合、その用紙代やトナー代などを「消耗品費」として計上することが可能です。
(仕訳例)
コピー代としてコピー用紙500円を現金で支払った。

借方貸方
消耗品費500円現金500円

2-2.事務用品費

事務用品費は主に事務作業に必要な文房具や書類作成のために費用を計上する科目です。消耗品とは別に、特に事務作業で使用するものを分けて考えたい場合、この事務用品費を使用します。例えば、ボールペンやノートなどの日常の事務作業で使用される物品が該当します。
コピーをする場合、消耗品費と事務用品費どちらを使うという明確な決まりはありませんが、特に事務周りのものでコピー代として使いたいものが発生した場合は「事務用品費」を使用することもできます。
(仕訳例)
事務室で使用するコピー用紙を1,000円購入し、現金で支払った。

借方貸方
事務用品費1,000円現金1,000円

2-3.印刷製本費

印刷製本費は、企業が印刷や製本を外注した際の費用を指します。例えば社内資料の印刷や製本代、顧客向け冊子や社員の名刺などが該当します。
印刷業者や外部業者に依頼して大量のコピーを作成した場合や冊子の製本を伴うコピー代にかかった費用は「印刷製本費」を使用することができます。外注費は業務を外部に委託すること全般に関わる費用を含んでいますが、印刷製本費は印刷業務と製本作業に必要な費用に特化しています。
(仕訳例)
社内報とマニュアルの印刷を外部業者に依頼し、当座預金から15万円支払った。

借方貸方
印刷製本費150,000円当座預金150,000円

2-4.雑費

雑費は事業活動の中で発生する少額の雑多な費用を計上するための勘定科目です。明確に分類できない細かい費用がある場合に、雑費として取りまとめることで管理を簡易化することができます。しかし雑費が頻繁に発生する場合は、より適切な勘定科目(消耗品費や印刷製本費など)に設定して処理することが望ましいです。また、社内規定で雑費として処理する基準(金額の上限や頻度)を明確にしておくと、会計処理の一貫性が保たれます。
コピー代を雑費として処理する場合は、コンビニでの突発的な少量のコピーなどに使用することができます。
(仕訳例)
急遽必要になった書類を近くのコンビニでコピーし、現金30円を支払った。

借方貸方
雑費30円現金30円

2-5.通信費

通信費は主に事業活動における通信手段にかかる費用を計上するための勘定科目です。具体的には郵便物の作成や送付に関連する費用、電話代、インターネット接続料などが該当します。
コピー代を通信通費として処理する際は、そのコピーが通信手段(郵便物など)の作成に直接関連している必要があります。
(仕訳例)
年賀状の印刷費として、現金7万円を外部業者に支払った。

借方貸方
通信費70,000円現金70,000円

2-6.広告宣伝費

広告宣伝費は自社の商品やサービスを宣伝するための費用を計上するための勘定科目です。具体例としては、チラシの作成費用、テレビCM、Web広告費用などがあります。
コピー代を広告宣伝費として処理する際は、チラシを大量にコピーして顧客に配布する場合や、展示会用の宣伝資料を作成する際のコピー代などがあります。
(仕訳例)
チラシ作成100部を外部業者に依頼し、15万円を現金で支払った。

借方貸方
広告宣伝費150,000円現金150,000円

2-7.外注費

外注費は、自社業務を外部の専門業者に委託した際に発生する費用を計上する科目です。ソフトウェア開発やデザイン作業の委託が典型的な例としてあります。
コピー代を外注費として処理する際は、大量のコピー作業を外部業者に依頼した場合や、特定の業務を外部業者に依頼し、その中でコピー作業が発生した場合などがあります。
(仕訳例)
外部の印刷業者にパンフレットの印刷作業を依頼し、費用5万円を現金で支払った。

借方貸方
外注費50,000円現金50,000円

2-8.仕入高

仕入高は、販売するための商品や製品を購入した際に発生する費用を計上する科目です。製品の原価として計上され、主に小売業や製造業で使用される科目です。
コピー代を仕入高として使用する際は、印刷したものを販売する事業をしている場合になります。
(仕訳例)
自費で本を出版するため、印刷会社へ口座から80万円支払った。

借方貸方
仕入高800,000円普通預金800,000円

3.科目の使い方を決めたら変えない

勘定科目の使い方を一度決めたら、途中で変えないことが重要です。勘定科目の使い方を途中で変更すると、帳簿や会計データの整合性が崩れ、正確な財務管理が難しくなってしまいます。また、監査や税務調査の際にも混乱を招き、不必要な指摘を受けるリスクも高まります。例えばコピー代をある年度では「消耗品費」とし、次の年に「通信費」に変更すると過去との比較が難しくなります。このような変更は経費の内訳や推移を正確に把握する妨げともなり、経営判断に支障をきたす可能性もあります。勘定科目の使い方を決めたら、それを一貫して使用し、帳簿の信頼性を保ち、スムーズな財務管理をしていきましょう。


4.勘定科目の仕訳でお困りの際のサポートはぜひ辻・本郷 税理士法人へ

勘定科目の設定や運用でお困りの際は、ぜひ辻・本郷 税理士法人のサポートをご利用ください。企業の財務管理において、適切な勘定科目の設定は欠かせません。辻・本郷 税理士法人では、最適な勘定科目の選定や仕訳方法も分かりやすく丁寧にアドバイスいたします。皆様のニーズに合わせたサポートで、スムーズな経営をお手伝いさせてください。


5.まとめ

コピー代の勘定科目には明確な決まりはありませんが、費用の性質や目的に応じて適切なものを選ぶことが重要です。そして一度決めた勘定科目は一貫して継続的に使い続けることで経理業務を効率化することができます。コピー代を使用した目的をしっかりと把握し、それに合った勘定科目を継続して使用することでスムーズな経理業務を実現しましょう。