ベンチャー企業を設立するには?懸念点とともに押さえるべきポイントを解説!

このビジネスは、きっと世の中にたくさんのニーズがあるはず!

そんな熱い思いを持って新たなビジネスに挑戦するためにベンチャー企業を設立するケースが増えています。
ベンチャー企業は、経営リスクが懸念される一方で、成功すれば世の中に大きな影響を与えるような企業へと成長する可能性を秘めているといえるでしょう。

一方で、そんなベンチャー企業が成功するための道のりは必ずしも平坦とは言えず、さまざまな課題や問題点が予想されます。
たとえ本業ではうまくいっていても、会計知識や税務知識の不足により黒字倒産を招いたり、大きな節税のチャンスを逃した結果、経営状態に影響を及ぼすことになりかねません。

しかし、あらかじめ知識を持ち、手を打っておくことで回避できることは多々あります。

本記事では、ベンチャー企業設立のノウハウとともに、解決すべき課題点についてまとめました。
ベンチャー企業設立を検討している方の成功の一助になれば幸いです。

ベンチャー企業とは?
実は、はっきりとした定義はありません。イノベーションを生み出すような独自のビジネスモデルや技術、サービスを提供する比較的若い企業を示すことが多いようです。

1.ベンチャー企業設立の際に選択肢となる4つの法人形態

ベンチャー企業を設立する場合、まずはどのような形態で設立するか検討することが必要です。
さまざまな選択肢がありますが、特に次の4つの法人形態がベンチャー企業に適しているといえるでしょう。

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 一般社団法人
  • 有限責任事業組合(LLP)

1-1.株式会社

ベンチャー企業を設立する際に最も選択されることが多い法人が株式会社です。

株式会社では、出資をする人に「株式」を発行して資金を集め、それを元に経営を行います。
株式を保有する出資者は、「株主」と呼ばれ、株主総会を通じて会社の経営に参加することができます。

1-2.合同会社

株式会社に次いで、ベンチャー企業設立で選択されることが多いのが合同会社です。
合同会社は、持分会社の一つで、原則として出資者(社員)は経営も行います。

特にベンチャー企業の設立で選択するケースが多い株式会社と合同会社は、
第2章「ベンチャー企業設立は、株式会社と合同会社のどちらを選択すべきか?」で、より詳細に解説していきます。

持分会社とは?
持分会社は出資者を「社員」と呼び、社員は従業員ではなく、会社の経営を行います。合同会社のほか、合名会社、合資会社が持分会社に該当します。

1-3.一般社団法人・有限責任事業組合(LLP)

一般社団法人有限責任事業組合(LLP)も、その特徴やメリットを生かし、ベンチャー企業設立に利用されることがあります。

1-3-1.一般社団法人

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された非営利法人が一般社団法人です。
非営利法人であっても、利益を上げることができますが、余剰利益の分配はできません。従業員に対し、給料や報酬を払うことは可能です。
余剰利益が出た場合は、次年度に繰り越し、事業のために使います。

一般社団法人の特徴は、以下のとおりです。

・非営利法人であっても、利益を上げることは可能
・余剰利益の分配はできないが、従業員に対し、給料や報酬を支払うことができる
・設立には、2名以上の社員(議決権を行使できる人)が必要
・比較的、設立登記の手続きが簡単
・事業内容に制限がない
・法人税法上の非営利型法人の要件を満たすと、収益事業以外の利益は非課税になる

 1-3-2.有限責任事業組合(LLP)

有限責任事業組合(LLP)は、法人ではありませんがベンチャー企業の設立に向いている事業体です。
「有限責任事業組合契約に関する法律」に基づき、組合員全員が出資額の範囲で有限責任を負います。組合員が債務を負う事はありません。

そのため、ベンチャー企業のような比較的リスクが高い事業であっても出資しやすいという特徴があります。

有限責任事業組合(LLP)の特徴は、以下のとおりです。

・法人ではない
・法人税ではなく、パススルー課税が適用される
  ※組合に法人税が課税されず、組合員である法人、個人の収入に対し課税される
・組合員は、出資額の範囲で有限責任を負う
・決算公告義務がない
・組合員による柔軟な組織運営が可能

2.ベンチャー企業設立は、株式会社と合同会社のどちらを選択すべきか?

ベンチャー企業を設立する場合、いくつかの法人としての形態がありますが、利益を得たり、企業として成長していくことを考えると、株式会社か合同会社が適しています。

株式会社と合同会社の主な違いは、以下の通りです。

株式会社と合同会社の違いをよりくわしく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【完璧】株式会社と合同会社の違いを徹底比較!選び方のコツも紹介

2-1.株式会社を選択すべきケース

企業を成長させ、事業規模を拡大し、いずれは上場したいなどの狙いがある場合は、株式会社が適しているといえるでしょう。

それには、以下の理由があります。

  • 社会的信用度が高い
    国内の大手企業の多くは、株式会社です。合同会社などの他の会社形態よりも認知度が高いことに加え、設立や運営をしていくうえで守るべき法律なども多いことから、社会的な信用を得やすい法人形態といえるでしょう。
  • 幅広い資金調達が可能
    株式会社であれば、株式を発行することで出資金を募り、資金調達をすることが可能です。
    ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達を受けることを考えている場合も、「株式」を発行していることが必要であるため、株式会社を選択することが必要です。

    社債の発行や融資を受けられるのは、合同会社も同じです。ただし、株式会社のほうが信用度が高いため、有利だといえるでしょう。

  • 株式上場を目指せる
    株式上場を目指すことができる法人は、株式を発行している株式会社のみです。

2-1-1.株式会社選択する場合の注意点

株式会社の設立や運営に費用がかかるほか、株主が経営に対する影響力を持っているため、自由度が低く、意思決定に時間がかかるなどのデメリットもあります。

2-2.合同会社を選択すべきケース

事業拡大をせずに小規模な経営を望む場合などは、自由度が高く、法人設立や運営コストが抑えられる合同会社が適しているといえるでしょう。

合同会社が必ずしも小規模とは限りません。
合同会社西友、合同会社DMM.comのほか、アマゾンジャパン合同会社、Google合同会社などの外資系企業など、大手の合同会社も数多くあります。
  • 設立や運営の費用を抑えることができる
    合同会社は株式会社と比較し、法人設立費用は抑えられるほか、決算公告や役員の任期更新など義務がないため、手間や費用を抑えることができます。
  • 経営の自由度が高い
    合同会社では、原則として社員(出資者)が経営を行うため、経営の自由度が高くなります。また、重要な決定も株式総会を必要としないため、比較的スピード感をもって、意思決定ができるのも特徴です。
  • 自由に利益配分を決めることができる
    株式会社では、所有する株式に応じた利益配分を行いますが、合同会社では利益配分は自由に決めることができます。

2-2-1.合同会社選択の注意点

合同会社は、株式を発行しないため、株式市場に上場することはできません。そのため、キャピタルゲイン(売買差益)を目的とするベンチャーキャピタル(VC)などから投資や支援を受けることが難しくなります。

また、社債や融資で資金調達をすることは可能ですが、株式会社より信用度が劣ることに注意が必要です。

合同会社について、よりくわしく知りたい方は、こちらをご覧ください。
合同会社のメリット7つを徹底深掘り!株式会社と比べたデメリットも


3.ベンチャー企業設立の3つの課題

多くの可能性を秘めているベンチャー企業ですが、設立には、3つの懸念点があります。

3-1.資金不足

ベンチャー企業設立で大きな課題となるのが資金不足です。

事業の実績がないため、投資家や金融機関にとっては将来の収益性や成長性などを判断する要素が少なく、資金調達のハードルが高いことがあげられます。

そこで、注目したいのが、ビジネスの新規性や可能性、ビジネスモデルなどを評価し、投資判断を行うエンジェル投資家やベンチャーキャピタルです。
資金調達のについて、くわしくは第4章の「ベンチャー企業設立の資金調達の方法」で解説しています。

3-2.人材不足

人材不足に悩むべンチャー企業は、多いようです。
その理由として、採用活動に手間やコストをかけにくいほか、認知度が低い、企業の経営状態や待遇に不安を感じるなどさまざまな理由により、応募者が集まりにくいという現状があります。
採用した人材に対しても、育成するシステムが整ってないことで慢性的な人材不足に悩んでいる企業が少なくありません。

まずは、求める人材のスキルや人物像を明確にし、採用広報に力を入れるほか、人材紹介サービスやダイレクトスカウトサービスを利用するのも手でしょう。
会社の状況を理解している人からのリファラル(紹介)採用であれば、より求める人材に近づける可能性が高まります。

3-3.会計知識の不足

ベンチャー企業を設立・運営していくためには企業会計に関する知識が欠かせません。

経営者としての経験が少ない場合、業務上必要な専門知識やマーケティングの知識は豊富にあっても、経営や企業会計などの事業を運営するための知識が後回しになってしまうことがあります。

その結果、事業で利益を出しているにもかかわらず、現金が不足してしまい経費の支払いができなくなる黒字倒産したり、大きな節税のチャンスを逃した結果、経営に影響を及ぼしてしまう可能性も考えられます。

そこで起業準備から事業が軌道に乗るまでは、専門家の力を借りたり、業務委託できるものは外部に依頼するなどサポートを受けられる体制を整えておくことも検討の余地もあるでしょう。
まずは、経営者が本業に専念することで、成功の可能性が高まります。

くわしくは、第6章の「ベンチャー企業設立を税理士に相談するメリット」をご覧ください。

黒字倒産は、こちらの記事で解説しています。
黒字倒産とは?図解でわかる対策法 顧問税理士を活用するメリット


4.ベンチャー企業設立の資金調達の方法

ベンチャー企業を設立する際に、大きな懸念点となるのが資金調達です。

事業内容や業種により評価は異なりますが、ベンチャー企業の代表的な資金調達の方法は以下のとおりです。

資金調達方法難易度おすすめ度ポイント
ベンチャーキャピタル★★★★★★★★☆☆成長の可能性やビジネスモデルの提示が必要
エンジェル投資家★★★★☆★★★☆☆適切なエンジェル投資家を見つけることがカギ
融資(新規開業資金)★★☆☆☆★★★★☆新規開業向けの融資制度。比較的、低金利
融資(制度融資)★★★☆☆★★★☆☆比較的、低金利。審査が厳しく、申請が煩雑
助成金・補助金★★★☆☆★★★★☆返済不要だが、審査のハードルが高い傾向がある
クラウドファンディング★★☆☆☆★★★☆☆成功には準備が必要。マーケティングに利用可能

一般的な法人設立で検討される資金調達の方法に加え、ベンチャーキャピタル(VC)エンジェル投資家による投資など、独自の技術やサービスを提供するベンチャー企業ならではの方法もあります。

4-1.ベンチャーキャピタル(VC)

新興企業や成長が見込まれる企業に投資する投資会社やファンドのことをベンチャーキャピタル(VC)といいます。

ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業のような未上場の企業に投資し、未公開株式を取得します。投資した企業が株式上場や事業買収などが行われる際、価値が上がった株式を売却することでキャピタルゲイン(売買差益)を得ることを目的としています。

ベンチャーキャピタルから受けられるのは出資金だけとは限りません。企業価値を高めることでより大きいキャピタルゲインを得られる可能性が高まるため、経営に関するアドバイスやさまざまなサポート、ノウハウの提供などの経営支援を受けることもできます。
ベンチャーキャピタルから投資を受けることで、人脈が広がったり、信頼度向上することもメリットといえるでしょう。

ただし、持株比率が下がるため、ベンチャーキャピタルが経営に影響力を持つようになる可能性があるほか、投資期間が設定されていることが少なくありません。結果が出せない場合は、ベンチャーキャピタルが撤退してしまう可能性があることに注意が必要です。

また、株式を発行しない合同会社に出資することが難しいため、ベンチャーキャピタルからの融資を考えている場合は、株式会社起業することが必要です。

4-2.エンジェル投資家

エンジェル投資家は、起業家や創業間もない企業に出資する個人の投資家です。

基本的には、ベンチャーキャピタルと同様にその企業の成長に応じて得られるキャピタルゲインを得ることを目的としています。
また、すでに事業を成功させたり、社会的な成功を収めた経験を持つ人が後進の育成に貢献することを目的としていることも少なくありません。
経営者として成功しているエンジェル投資家であれば、経営や事業に関する助言を受けることもできるでしょう。

なお、ベンチャーキャピタルと比較するとエンジェル投資家の投資額は少額になる傾向はありますが、柔軟な対応が期待できます。エンジェル投資家は、投資家本人の意思で投資の可否を決定できるほか、投資期間を設定しないケースも多いようです。
いずれにせよ期待に応えることを求められるのは、ベンチャーキャピタルと同様です。

4-3.融資

ベンチャー企業を設立するためにさまざまな融資を利用するケースも多くなっています。
ここでは、よく利用される融資制度2つを紹介しましょう。

  • 新規開業資金

    「新規開業資金」は、日本政策金融公庫の融資制度で、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象にした融資です。
    新たに事業を始める方、事業開始後の税務申告を2期終えていない場合は、無担保・無保証人でも申し込みが可能です。

    参考:日本政策金融公庫|新規開業資金

  • 制度融資

    地方自治体が金融機関や信用保証協会と連携して行う融資です。

    中小企業や小規模事業者の資金調達の支援を目的としており、自治体が制度の提供、信用保証協会が債務保証をすることで、金融機関からの融資を受けやすくなっています。

     

    それぞれの自治体により制度融資の内容は異なりますが、比較的金利が低く、長期間の借り入れが可能になっています。信用保証協会が入るため、融資のハードルが低い傾向にありますが、手続きに時間がかかることが多いようです。

融資制度については、こちらの記事でくわしく解説しています。
【2023年】会社設立時に利用できる融資一覧|新創業融資制度とその他

4-4.助成金・補助金

国や地方公共団体などが事業者へ支給するお金が助成金・補助金です。返済する必要がないため、該当するものがあれば、積極的に利用することを検討しましょう。

助成金・補助金には数多くの種類がありますが、自社の条件にあうものを探すためには情報収集が欠かせません。支給を受けるためには、それぞれの制度で求められる一定の条件を満たしているほか、審査に通ることが必要です。手続きが煩雑であることも多く、労力がかかります。
また、原則として助成金・補助金は後払いになるため、必要な費用は一時的に立て替えることが必要になります。

なお、助成金・補助金は収入に該当するため課税対象となることにも注意が必要です。

助成金・補助金は、こちらの記事でくわしく解説しています。
【2023年】会社設立でお得な助成金・補助金一覧|申請方法付き

4-5.クラウドファンディング

クラウドファンディングは、不特定多数の支援者から資金を集める方法で、実現させたい目標のプロジェクトを公開し、それに賛同した支援者からの資金を募ります。

クラウドファンディングには、購入型、寄付型、金融型の3種類があります。

  • 購入型=商品やサービスがリターンとなる
  • 寄付型=プロジェクトに対し「寄付」するため、リターンがない
  • 金融型=プロジェクトやファンドに出資し、その配当金や分配金を受け取る

事業資金を集めるには、金融型が向いています。
一方で提供する商品やサービスによっては、購入型のクラウドファンディングを利用して資金を集めるとともに認知度を上げるなど、マーケティングに利用するケースも増えています。

なお、クラウドファンディングは、必ずしも成功するとは限りません。
事業資金をクラウドファンディングで募る場合は、綿密な計算と戦略が必要だといえるでしょう。


5.ベンチャー企業を株式会社で設立する手順

ベンチャー企業設立にあたり、各手順を丁寧にすすめていくことが成功に近づくカギとなります。

5-1.ビジネスプランを決める

「ベンチャー企業を設立したい」と考えている人なら、温めているビジネスのアイデアを持っているのではないでしょうか。
しかし、どんなに斬新なアイデアであっても、「アイデア」のままではビジネスは成立しません。
より具体的で現実的な形にし、市場のニーズを生み出すような商品やサービスにしてくことが大切です。

特にベンチャー企業のような独自のアイデアのビジネスを考えている場合は、ビジネスプランを具体的にし、足元を固めることが成功の可能性を高めるといえるでしょう。

  • 参入する業界の市場規模や特性、動向を把握する
  • 自分のアイデアと似ている、もしくは近いサービスや商品の分析を行う
  • ターゲット層の分析
  • 提供するサービスや商品のセールスポイント、強みや弱みを把握し、必要に応じて改善を行う
  • マーケティング戦略の構築

5-2.事業計画を立てる

実現しようとしている事業の計画を明文化していきましょう。
具体的には、創業事業計画書を作成を行います。

創業事業計画書を作成することにより、経営課題や事業の問題点を明確にし、資金計画が具体化していくはずです。
また、創業事業計画書を活用することにより、創業融資の申請に活用できるほか、社内外で事業内容を説明する資料としても使えます。

創業事業計画書作成方法の詳細は、こちらをご覧ください。
【テンプレ付】融資が通る創業事業計画書の書き方と重要なポイント

5-3.資金調達をする

ベンチャー企業設立を成功につなげるために必要不可欠なのが、資金調達です。
どれほど優れたアイデアで起業しても、資金が続かなければ、事業として成り立たせることは不可能です。

自己資金で賄えない資金は、第4章の「 ベンチャー企業設立の資金調達の方法」で紹介したとおり、早めに資金調達の算段をしておきます。

まずは、創業事業計画書をもとに、必要な資金を明確にしましょう。
会社を設立するために必要な資金は、以下の2つに分けられます。

  • 会社設立に必要な費用
  • 事業を継続するための運転資金

会社を設立するための初期費用として法人登記にかかる費用のほか、オフィスなどの賃料、電子機器、設備費用など、事業を始める環境を整えるための費用が必要となります。

そして、事業を始めてからも仕入れや必要な備品などを購入するための費用は欠かせません。順調に売上があったとしても、それが入金されるまでには時間がかかることもあります。
設立時は、運転資金として3ヶ月分、できれば半年分は想定しておくと安心です。

会社設立のために必要な費用の詳細は、こちらをご覧ください。
0円で会社設立は現実的に不可能!実際の設立費用と資本金の目安解説

5-4.会社設立の手続きをする

ここまできたら、いよいよ会社の設立登記です。
法務局で登記申請手続きをする前に会社の概要を決めておきましょう。決めておくべき事項は、以下の通りです。

  • 会社名
  • 法人形態
  • 事業目的
  • 所在地
  • 資本金
  • 会社設立日
  • 会計年度役員・株主の構成

概要を決定したら、手順に従い法人設立登記の手続きを行います。

  • 必要に応じて会社用の印鑑(実印)を作成
  • 定款の作成、公証役場で定款の認証を受ける
    ※合同会社のような持分会社は、定款の認証は不要
  • 公証役場で定款の認証を受ける
  • 資本金の払い込み
  • 法務局で登記申請する

会社設立については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
起業するには?検討すべき3つのポイント!起業内容・体制・手続き

5-5.会社設立後に必要な手続きをする

無事に会社の設立登記が完了したところで、まだまだ安心はできません。
行うべき手続きは、数多く残されています。

会社設立後に手続きには、期限が短いものもあります。
手続きの漏れにより、無駄な損失や無用なトラブルに巻き込まれかねないため、注意が必要です。

会社設立後の手続きは、次の3分野に分かれます。

  • 税務・会計・経理→税理士分野
    会社の所在地を管轄する税務署で法人設立に関する手続きを行うほか、都道府県税事務所、市町村役場にも届け出が必要です。
  • 労務→社労士分野
    年金事務所にて健康保険や厚生年金保険のほか、従業員を雇う場合は、労働基準監督署やハローワークにて労災保険や雇用保険の手続きが必要です。
  • 経営・管理・総務→自社
    銀行の口座開設のほか、役員報酬の決定、必要に応じて臨時株主総会を開催します。
    また、ホームページの作成や労働に必要な環境の整備など、事業に必要な手配をとります。

こちらの記事では、会社設立後の手続きを時系列で解説しています。
【2024年版】会社設立の流れ・やる事をチェックリストにそってわかりやすく解説


6.ベンチャー企業設立を税理士に相談するメリット

会社の創業期の対応は、その後の行方を大きく左右するといっても過言ではありません。

しかし、不慣れな会社経営に不安を持っている人は少なくないでしょう。
そんな不安を払しょくするために会社設立の専門家のサポートを受けるのも、選択肢の一つです。
税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、弁護士など、さまざまな専門家が会社設立のサポートを行っています。

その中でも、特におすすめしたいのが税理士の経営サポートです。
その理由を解説しましょう。

税理士にベンチャー企業の設立を依頼するメリットは、3つあります。

  • 税金に関するアドバイスが受けられる
  • 各種制度を利用し、助成金・資金調達のアドバイスを受けることができる
  • 税理士には、代行(アウトソーソング)可能な業務が多い
  • 税金に関するアドバイスが受けられる

会社を設立する際、税金に関する決めごとが数多くあります。
資本金の金額や株主構成、役員報酬などの金額、決算月など、判断を間違えたり、手続きを怠ると高額な税金の負担をしなければいけない可能性があります。

資本金の設定を例にあげてみましょう。

会社設立時の資本金が1,000万円以上
会社設立時の資本金が1,000万円未満

どちらを選択するかで、負担する消費税の額が大きく変わります。

会社を設立から2年間は、消費税の免税事業者となり、消費税を支払う義務が免除されます。
しかし、資本金額を1,000万円以上に設定すると免税期間は失われ、設立時から課税事業者となります。
つまり資本金額の設定だけでも、2年間分の消費税を負担をする要・不要を分ける可能性があるのです。

会社を設立して負担するのは、消費税だけではありません。法人税や業務にまつわるさまざまな税金を負担することになります。
税理士は、「税金で損をしない方法」を熟知しているのです。

  • 各種制度を利用し、助成金・資金調達のアドバイスを受けることができる

会社設立時は、想定外の費用がかかるものです。
特に創業間もない会社は、売上を上げていたとしても、資金繰りに行き詰まってしまう黒字倒産のリスクが高いといわれています。
ベンチャー企業であれば、資金繰りに悩みを抱えていることも多いかもしれません。

税理士に相談することで、受けられる補助金・助成金や融資があるか、アドバイスが得られます。

黒字倒産の詳細は、こちらで解説しています。
黒字倒産とは?図解でわかる対策法 顧問税理士を活用するメリット

  • 税理士は、代行(アウトソーソング)可能な業務が多い

会社設立直後は、事務的な手続きが多く、なかなか本業に集中できないという声も耳にします。
税理士のサポートを受けることで、最適な経理や会計処理、税務処理に関してアドバイスを得ることが可能です。
契約の内容によっては、記帳業務の代行などもできます。

経理業務を税理士に任せることで、時間的な負担やストレスが軽減し、本業に集中できるのが大きなメリットといえるでしょう。

会社設立時に税理士に相談するメリットは、こちらでくわしく解説しています。
会社設立に税理士は必要?利用しないと損する理由や費用・選び方を解説


7.辻・本郷 税理士法人は、ベンチャー企業の設立から成長に伴走します

辻・本郷 税理士法人は、ベンチャー企業ならではのスピード感にも対応可能です。

ビジネスのチャンスを逃さないためにも、ベンチャー企業は素早い対応を必要とすることも多いでしょう。
辻・本郷 税理士法人には、お客様をお待たせしない秘密があります。

さらに辻・本郷 税理士法人の「リモート顧問」を使えば、営業活動や社内業務などで忙しい社長が、会計業務や税理士との打ち合わせにかける時間を最小限に抑えられます。

税理士との打ち合わせのための日程調整が不要で、リアルタイムで会計資料の確認が可能です。
スピーディな返答が可能なので意思決定の速度の向上にもつながります。
「リモート顧問」は、無駄な時間を削減し、時間をより有効活用したい経営者におすすめです。

7-1.50年かけて集めてきた膨大な節税テクニックを駆使して、経営者に寄り添います

ベンチャー企業の設立・運営は、不安や分からないことがつきものです。
そんなときは、辻・本郷 税理士法人にご相談ください。

そのほかにも、辻・本郷 税理士法人では、さまざまな専門家と連携しており、資金面以外のお悩みも幅広くサポートしています。

辻・本郷会社設立センターの詳細は、こちらをご覧ください。
辻・本郷会社設立センター


8.まとめ

本記事では、ベンチャー企業設立についてまとめました。
ベンチャー企業は、リスクが高い一方で、大きな可能性を秘めている企業だといえるでしょう。

最後に、ベンチャー企業設立のポイントをまとめました。

  • ベンチャー企業設立におすすめの法人
  • 株式会社
  • 合同会社

検討しているベンチャー企業の業種・業態によっては、一般社団法人有限責任事業組合(LLP)も検討の余地があります。

  • ベンチャー企業を設立する際に、課題となるポイントが以下の3つです。
  • 資金不足
  • 人材不足
  • 経営スキルの不足

最も大きな課題となる資金調達の方法として、候補として考えられるのが次の5つです。

  • ベンチャーキャピタル
  • エンジェル投資家
  • 融資
  • 助成金・補助金
  • クラウドファンディング
  • ベンチャー企業の設立には、次の5つのステップが必要です。
  1. ビジネスプランを決める
  2. 事業計画を立てる
  3. 資金調達をする
  4. 会社設立の手続きをする
  5. 会社設立後に必要な手続きをする

  • ベンチャー企業設立を税理士に相談するメリット3つ
  • 税金に関するアドバイスが受けられる
  • 各種制度を利用し、助成金・資金調達のアドバイスを受けることができる
  • 税理士には、代行(アウトソーソング)可能な業務が多い

本記事が、ベンチャー企業の設立を考えている皆様の不安を解消し、第一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。

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