マイクロ法人に税理士は必要?|賛成派と反対派の意見を一挙紹介

「マイクロ法人の会計は、税理士でないとできないものだろうか」

「マイクロ法人を設立するのに、税理士がいないといけないのか」

マイクロ法人の会計に、税理士を雇う必要があるのかどうかお悩みですね。

結論から言うと、マイクロ法人の設立にも運営にも、税理士は【法律的には】必要ありません。

税理士がいなくても、法人の立ち上げにも会計にも、法律的な問題はないのです。

しかし一方で、マイクロ法人の設立や運営は、税理士でないと【作業的に】難しいものです。

なぜならたとえマイクロ法人といえども、法人会計は個人事業主で行う確定申告とは異なり、税金の種類が多くて納税先が異なるうえ、会計の仕組みが複雑なために時間と労力がかかるからです。

とはいえ、マイクロ法人の会計に税理士が本当に必要なのかどうか、まだ半信半疑という方も多いでしょう。

この記事では、あなたがマイクロ法人を設立する際に本当に税理士が必要かどうかを判断できるよう、税理士【必要派】の意見と【不要派】の意見をまとめてみました。

本記事のポイント

◻︎ マイクロ法人の会計に税理士は必要?不要?それぞれの理由が分かる

◻︎ マイクロ法人の会計を税理士に頼むメリット

◻︎ マイクロ法人の会計を税理士に頼むデメリット

◻︎ マイクロ法人の会計を税理士に頼んだ場合の費用相場が分かる

◻︎ マイクロ法人の会計を税理士に頼まず後悔すること3

◻︎ マイクロ法人の税理士費用を安く抑えるコツが分かる

◻︎ マイクロ法人で選ぶべき税理士のポイントが分かる

マイクロ法人の会計と個人事業主の確定申告の違いから、マイクロ法人の会計を税理士に頼む場合の費用相場、マイクロ法人の会計を自分で行う場合の手順などについてもわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考になさってください!


目次

1.マイクロ法人の会計は税理士に頼んだほうが良いのか?

マイクロ法人の会計作業に税理士は必要なのかどうか、【不要派】と【必要派】それぞれの意見とその理由を知ることで、問題点や注意点を確認していきましょう。

1-1.【不要派の意見】税理士に頼まない理由

マイクロ法人の会計に税理士は【不要】と主張する人の理由は、主に以下の通りです。

◻︎節税した分を税理士に持っていかれるのは本末転倒

◻︎本やネットで調べれば自分でもなんとかできる

◻︎節税はしていても脱税はしていないから指摘されたとしても問題はない

それぞれ詳しく見ていきます。

◼️節税した分を税理士に持っていかれるのは本末転倒

マイクロ法人の設立目的が、所得税や社会保険料の負担を抑えることである場合、せっかく抑えた支出分を税理士に支払ったのでは、結局手元にお金が残りません 

個人事業主としての事業所得600万円だった人が、マイクロ法人を設立して報酬額を月額25万円(年額300万円)に設定した場合、もともとの国民健康保険料の支払いから、年間30万円近く抑えることができます。

参考:中央区 国民健康保険の保険料

詳しい費用目安については4.マイクロ法人の会計を税理士に依頼する費用相場でお伝えしますが、税理士を雇って法人会計を見てもらうと、せっかく抑えた社会保険料の全額またはほとんどを報酬として支払うことになります。

そもそも事業の成長や拡大を目指してマイクロ法人を設立したわけではないケースでは、税理士への報酬として支出が増えることが、本末転倒に感じられるのです。

◼️本やネットで調べれば自分でもなんとかできる

法人会計は、個人事業主の確定申告よりも提出書類や手続きが多く、慣れない言葉が多く出てくるものですが、ひとつひとつ調べて対応することはできます。

書店や図書館に行けば関連書籍が並び、ネットで調べればいくらでもマイクロ法人先輩のブログや解説動画が見られます。

自分で行えば無料〜千円程度の支出で済むものについて、高い専門家報酬を支払う必要はないと感じています。

また、税理士を決算書の作成だけスポット契約で頼んだり、経理担当者を月末だけパートタイムで雇うなど、自分でやってどうしてもうまく行かない場合には何かしらの解決策があることから、特に切羽詰まった状況でない限り、税理士を抱えてまで会計処理を行うことに懐疑的です

◼️節税はしていても脱税はしていないから指摘されたとしても問題はない

個人事業主が節税目的でマイクロ法人を設立しても、きちんと本業と副業を分けていれば、法的に何も問題はありません。

自分で法人会計を行い、万が一そこにミスがあって税務署の立ち入りを受けたとしても、個人事業主とマイクロ法人の会計を法律に則ってきちんと分けているのであれば、会計を修正することはあっても、重い追徴課税などを受けることはないという主張です。

【注意!意図的でなくても間違えると重加算税がかかることはある】

脱税を意図的に行ったものでなくても、税務申告を間違えると、追徴課税されます。

追徴課税には、以下の2種類があります。

修正申告

納税者からの手続き

税務申告の内容の誤りを訂正して申告し直すこと

更正処分

税務署からの手続き

税務調査の結果申告内容に誤りがあった場合に、税務当局が職権で申告内容・税額を修正すること

追徴課税される場合、この追徴税額に加えて過少申告加算税や無申告加算税、延滞税などと呼ばれる「重加算税」が課せられることもあり、その場合には納税者の負担がかなり重くなることがあります。

重加算税の税率は「基礎となる税額の35%~40%に及ぶため、単なるミスだからと安易にやり過ごすのだけは絶対にやめましょう。

1-2.【必要派の意見】税理士に頼む理由

マイクロ法人の会計に税理士は【必要】と主張する人の理由は、主に以下の通りです。

◻︎本やネットの情報鮮度や信ぴょう性の確認が大変

◻︎会計処理が個人事業主の確定申告と比較にならないくらい煩雑

◻︎とにかく時間を取られる

それぞれ詳しく見ていきます。

◼️本やネットの情報鮮度や信ぴょう性の確認が大変

法人会計の方法について調べようと図書館で本を借りた場合、出版後に関係法令の改定などがないかどうか、確認をする必要があります。

ネットで個人の書いているブログや動画を見て情報収集する場合には、情報の新しさの確認に加えて、発信内容そのものが本当に法的に正しいものなのかどうかの精査が必要です。

ネットで情報発信しているものの中には、個人的な解釈や誤解が含まれている可能性もあるため、知り得た内容をそのまま鵜呑みにして法人会計を行う訳にはいかないからです。

情報収集だけでなく、集めた情報の精査まで必要になってくるため、自分で調べて法人会計をするまでには、相当な時間と労力がかかります。

◼️決算処理が個人事業主の確定申告と比較にならないくらい煩雑

個人事業主の確定申告を経験しているマイクロ法人の経営者によれば、法人会計にかかる手間は、個人事業主の確定申告の10倍とも100倍とも言われています。

2022年にクレジットカード会社が行った調査によると、個人事業主が確定申告にかける時間は平均752分(12時間32分)であるという結果が出ています。(参考:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.

10倍」「100倍」というのは感覚値に過ぎないとはいえ、単純に10倍したとすると、125時間33分もの時間を要することになるのです。

個人事業主として支払いをしたものの領収書を集め、データを集計して入力し、記入する一連の作業は、専用のソフトウェアなどを使えば、年度末にまとめて一年間の取引を入力して書類作成することも可能でしょう。

しかし法人の会計処理では、たとえマイクロ法人であっても、以下の書類について日常的な作成と決算書類としての提出が必要になるため、年末にまとめて行うことはできません。

 

作成

提出

貸借対照表

必要

必要

損益計算書

必要

必要

キャッシュ・フロー計算書

上場企業のみ

必要

株主資本変動計算書または社員資本変動計算書

必要

必要

勘定科目内訳明細書

必要

必要

事業概況説明書

必要

必要

法人税申告書

必要

必要

消費税申告書

必要

必要

法人事業税申告書

必要

必要

法人住民税申告書

必要

必要

総勘定元帳

必要

不要
(税務調査時のみ)

領収書綴

必要

不要
(税務調査時のみ)

税務代理権限証書

必要
(税理士が作成)

必要

参考:国税庁 令和4年版 法人税のあらましと申告の手引

これらの書類は、期末にまとめて一年分を作成することはかなり難しいものです。日常的な業務として、欠かさず行っておく必要があります。

また、外部に報告するための「財務会計」と、税金計算を目的とした「税務会計」とでは、収入(法人税法上は益金)と経費(法人税法上は損金)の意味が異なることも、作成作業をたびたび滞らせるボトルネックになり得ます。

そのほか、決算期以外にも、毎月社会保険料の納付を行ったり、7月に算定基礎届を提出したり、欠かさず行わなければ行けない庶務が大量に発生するため、慣れないうちはかなりストレスになることが想像に難くありません。

◼️「副業関連」なのにとにかく時間を取られる

特に、個人事業主が副業としてマイクロ法人を設立した場合、法人会計の事務手続きの量と煩雑さに、かなりの時間を割かれることになります。

副業関連で発生している手続きにも関わらず、経理慣れしていない人の場合、本業の時間が大きく削られるケースも多いのです。

税理士に頼まずに自分で一から法人会計を行って修正指示が入った場合には、さらに予定外の時間を取られることになります。

◾️法人で使える助成金や補助金を漏らさず活用できる

税務の専門家である税理士に法人会計を任せた場合、節税だけでなく、税務に関するあらゆる能動的なサポートを受けることができます。

◎税理士がサポートする税務内容

◻︎新法に沿った消費税免税制度の手続き

◻︎創業補助金や助成金の申請

◻︎役員報酬と内部留保の調整

特に、補助金や助成金については、知らなければ得られないお金なので、専門家からの情報が頼りになります。

税理士費用を出したとしても、補助金や助成金によって還元されるものが多いので、かえって得になるケースも多いのです。

【不要派】【必要派】それぞれの意見の軸足

不要派と必要派の意見を並べて見ると、それぞれの価値観や優先順位が以下のように異なることが分かります。

不要派の価値観

あくまでも節税・節約を目的としているため、「お金をかけないこと」が大切

必要派の価値観

不得意な分野に手を出すことを効率が悪く感じ、「時間」の優先順位が高い

事業やプライベートにどれくらいの時間をかけるか、また事業でどれだけの収入があるかによっても、不要派か必要派かが分かれるところと言えるでしょう。

それぞれをまとめると、あくまでコストを下げることを目的として節税効果を最大限に発揮したマイクロ法人を設立するなら、税理士は必要ないといえます。

しかし会社における税務や会計をほぼ1人でおこなわなければならないため本業に影響する可能性があります。

マイクロ法人である程度の節税効果を発揮しながら、長期的に会社を成長していきたいとお考えの場合はこのタイミングで会社のパートナーとなる税理士を探し、サポートしてもらうことで本業の時間を捻出するという考え方は経営者として優秀な選択と言えるでしょう。

それぞれ考え方が分かれるところなので、本記事ではさらに深くマイクロ法人設立に税理士が必要かどうかについて解説していきますので、ぜひ最後まで読み進めてください。


2.マイクロ法人の会計を税理士に依頼するメリット

マイクロ法人の会計を税理士に依頼するメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。

◻︎事業に集中できる

◻︎法改正に合わせた節税対策が確実に行える

◻︎資金繰りや経営についても相談できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.事業に集中できる

 税理士に法人会計の代行依頼をすることで、税務がらみの事務手続きの手間が省けます。

日々の記帳から確定申告書・決算書の作成など、会計や税務にかかる手間ひまを大幅に削減することができるのです。

それにより、時間と体力を事業に使うことができるため、事業の成長や拡大を目指すことができます。

2-2.法改正に合わせた節税が確実に行える 

法改正など最新の税法について情報を持っている税理士に法人会計を任せることで、正しい節税を確実に行うことができます。

誤った会計報告を行うと、それが意図的なものではなかった場合であっても、本来支払うはずだった金額だけでなく、重加算税というペナルティが課せられることがあります。

もしも金額が大きすぎた場合には、それだけで悪質だと判断されることもあります。節税ではなく「脱税」と見做されれば、懲役・罰金が発生し、前科がついてしまう危険性もあるのです。

最新情報を持つ税理士のアドバイスを元に正しい方法で節税を行ったり、税の専門家である税理士に決算報告を任せたりすることで、重加算税が発生する可能性は極めて低くなります。 

また、税務調査が入った場合も安心です。

税務調査は、正しい税務報告を行っている/いないに関わらず、行われることがあるものです。

実際のところ、節税目的のマイクロ法人は、個人事業と法人との業務や財務の区別が曖昧になっているケースが多いため、税務署に疑いをかけられやすい傾向があります。

そんな万が一の際にも、税理士が税務調査に立ち会うことができるため、知識面でも精神面でも心強いパートナーになります。 

2-3.資金繰りや経営についても相談できる

税理士に日頃の法人会計を任せていると、事業成長のための資金繰りや、経営についても相談することができます。

実は、法人として金融機関で融資を受けようと申し込みをすると、たとえ個人事業でどんなに稼いでいたとしても、金融機関は法人の財務状況しか見てくれません。

節税が主目的のマイクロ法人ではあまりにも売上が乏しく、融資を受けられなかったり、高利子のものでしか借り入れできないというケースがよくあります

しかし、マイクロ法人は基本的に自分一人で経営から営業まですべてを行っています。配偶者をはじめとした家族にはお金に関して相談しにくいこともあり、相談相手がいなく、孤独な状況に陥ってしまいがちなのです。

自分の事業内容について知り、資金繰りや経営についての相談ができる相手がいるということは、実際の財務面だけでなく、精神的にも非常に頼りになるでしょう。


3.マイクロ法人の会計を税理士に依頼するデメリット

マイクロ法人の会計を税理士に依頼するメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。

◻︎費用がかかる

◻︎優秀な税理士を探すのが難しい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.費用がかかる 

マイクロ法人の会計を税理士に依頼すると、「顧問料」または「スポット料金」が発生します。

顧問料を支払う顧問税理士には、日頃から会社の経営についての相談ができ、おおよその事業内容を理解してもらえるため、万が一の税務調査の場合でもとても心強いと言えますが、その分料金は高くなります。

スポットで税理士に依頼する場合は、「決算期の申告書類の作成のみ」「現状でできる節税の指南のみ」など、依頼業務が限定される分、料金は安くなります。

法人の売上規模によっても金額は変わりますが、節税目的で売上を押さえているマイクロ法人にとっては、決して小さい金額ではないと言えるでしょう。

詳しい費用目安については4.マイクロ法人の会計を税理士に依頼する費用相場でお伝えします。

3-2.優秀な税理士を探すのが難しい

「税理士」とひと口に言っても、実は税理士によって得意な分野はそれぞれ異なります。

そのため、優秀な税理士に出会うためには、将来的な展望を含めて「税理士に何をしてもらいたいか」という目的を明確にした上で、その分野を得意としている税理士を探す必要があるのです。

加えて、あなたの経営するマイクロ法人の事業内容についての基礎知識があると、話が早くて安心でしょう。

とはいえ、ツテがない中で税理士を探す場合、多くは「ネット検索」または「紹介」で探すことになるでしょう。

それぞれ以下のような注意が必要なので、覚えておいてください。

◎税理士を探す際の注意点

ネット検索

◻︎集客目的で破格の低価格を掲げていることがある

◻︎あまり連絡がつかないことがある

◻︎後から細かく追加料金を徴収されることがある

紹介

◻︎他人にとっての「良い税理士」が、自分にとっても良いとは限らない

◻︎相性が悪い場合でも、後から断りにくい

なお、そもそもマイクロ法人には対応していないという税理士がいるということも、念頭に置いておきましょう。


4.マイクロ法人の会計を税理士に依頼する費用相場

マイクロ法人は基本的に売上規模が大きくなく、処理する書類も多くないため、税理士への報酬はおおよそ10~30万円を見積もっておくと良いでしょう。

ただし、決算書の作成などのスポット契約と、日々の記帳代行から任せられる顧問契約とでは、費用も内容も大きく異なります。

まずは税理士に依頼できる業務内容を整理しましょう。

表を見ていただくと分かるように、税理士に任せられる業務は、大きく「会計」「税務」「給与」「その他」と分かれます。

作業の内容や専門性の高さは、おおよそ以下のように分けられます。

会計、その他

実作業が多く、企業の経理経験者レベルで担当できる

税務、給与

専門性が高く知識とスキルが必要なため、企業の経理部門で財務担当をしていた管理職以上が担当できる

財務の分野はさらに細かく作業内容が分かれており、以下の内容については追加で契約が必要になります。

マイクロ法人が税理士を頼む場合、主に以下の業務内容について依頼することが多いでしょう。

スポット契約

法人決算書の作成と申告

顧問契約

記帳代行から社会保険の手続き、年末調整、税務相談など

それぞれの内容と、費用相場を見ていきましょう。

4-1.【スポット契約】法人決算書の作成と申告

契約料

おおよそ10~20万円

法人会計で真っ先に浮かぶ期末の決算書の作成と申告は、ほとんどの税理士がスポット契約でも受け付けています。

スポット契約した場合の費用相場は、売上規模にもよりますが、おおよそ10~20万円です。

記帳や仕分けが自分でできる場合は、少し安く契約できることもあります。

マイクロ法人を含めた小規模事業者の多くが利用するため、3月など決算期が集中する時期には税理士の仕事も急増します。必要書類を集め、余裕を持って依頼することが大切です。 

4-2.【顧問契約】記帳代行から社会保険の手続き、年末調整、税務相談など

契約料

おおよそ30万円〜

法人会計にかかる主要な手続きを、税理士に任せることができます。

毎月発生する業務もあるため、顧問税理士として契約し、報酬は年間30万円ほどかかるのが一般的です。

売上に合わせた次年度の役員報酬の設定や決算のための事前対策、補助金や助成金を含めた資金繰りの相談や節税対策など、顧問税理士ならではの視点からアドバイスを得ることができます。


5.マイクロ法人の会計を税理士に頼まなくて後悔した3つのこと

マイクロ法人の会計を税理士に依頼しなかった場合、実際のところどのような影響が起こりうるのでしょう。

マイクロ法人の先輩経営者が、「税理士に頼んでおけばよかった」と後悔するケースの中で、代表的な3つを紹介します。

◻︎事務手続きに割かれる時間が倍どころではなかった

◻︎自分で集めた情報に振り回されて疲弊した

◻︎経理を雇う費用と顧問税理士を雇うコストが変わらなかった

事前にどんなものなのか知っておくことで適切な対策が取れることもあるため、具体的な内容と理由を見ていきましょう。

5-1.事務手続きに割かれる時間が倍どころではなかった

すでに何度かお伝えしていますが、法人会計は、会計や税務の知識がない素人が自力のみで正しく行うことは、まず不可能と言っている方も多くいます。

1-2.【必要派の意見】税理士に頼む理由でも出てきましたが、個人事業主としての確定申告に加えてマイクロ法人の会計を自力で行う時間は、ツールなどを用いても「10倍」や「100倍」とも言われています。

法人会計ソフトなどのツールを利用することで、「不可能」は「難しい」まで難易度を下げることはできますが、それでも煩雑さは個人事業主の確定申告の倍どころではありません。

そもそも「会計や税務の知識」というのは、「簿記検定⚪︎級」といったものとは性質が異なります。

簿記はあくまでも「日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能(出典:日本商工会議所 簿記とは」のことです。

平たく言ってしまうと「帳簿に記録する方法」なので、そのデータを元に派生する買掛金や売掛金の管理、決算業務、税金の納付や給与計算、社会保険料の算出・管理などは、「会計や税務の知識」がないとできません。

もちろん、簿記の知識はあるに越したことはないですが、簿記の知識だけで正しく法人会計を行うことはできないのが現実です。

時間と労力をかけて自力でやる場合、節税対策などまで完璧に手が回るものではありません。

自力で情報収集して必要な知識とスキルをつけるのは素晴らしいことではありますが、その知識やスキルは、かけた時間と労力に本当に見合う、自分に必要なものだったのかどうかと、後悔するケースが多いのです。

5-2.自分で集めた情報に振り回されて疲弊した

税理士報酬を少しでも減らそうと、「自分でできるところ」を探して書籍やネットで情報収集を行うマイクロ法人の経営者の方は多いものです。

しかし、◼️本やネットの情報鮮度や信ぴょう性の確認が大変でもお伝えしましたが、書籍やネットでは発信情報に個人的な解釈や感想、要約などが含まれたり、法改定前の情報であるケースもあるため、得た情報については逐一正確さを精査する必要があります。

情報を得たら都度国税庁や自治体のwebサイトで確認をするものの、使われている文言や言い回しが難解なためにその意味を調べて確信を得てから計算し、提出書類の該当欄を探して記載するという一連の作業を、何十回も繰り返すのです。

時には新たな情報を得て一からの修正が必要になることもあるでしょう。

時間もさることながら、相応の労力をかけるため、心身ともに疲弊することが想像に難くありません。

5-3.経理を雇う費用と顧問税理士を雇うコストが変わらなかった

決算時期や月末だけのパートタイムで経理担当者を雇う場合、おおよそ以下の時給が発生します。

経理担当者の平均時給

アルバイト・パート

1,097

派遣社員

1,234

参考:求人ボックス給料ナビ 経理の仕事の年収・時給・給料

ただし、「仕訳作成」や「テレワーク」という条件が加わると、以下のように時給は上がります。

仕訳作成

アルバイト:1,100

派遣社員:1,544

テレワーク

アルバイト:1,098

派遣社員:1,681

マイクロ法人で、身近に直接雇用できる経理経験者がいないケースでは、仕訳作成ができる派遣社員をテレワークで雇用することになるでしょう。

その場合、決算期を含む月末だけのパートタイムで経理担当者を雇うと、支払う給与はおおよそ以下の通りになります。

これはあくまでも、決算書を作成するためのベースとなる仕訳作業のみを経理担当者に依頼した数字です。

4.マイクロ法人の会計を税理士に依頼する費用相場ですでにお伝えしましたが、税理士に決算書の作成と申告をスポット契約で依頼した場合の費用は10~20万円、丸投げできる顧問税理士を雇った場合でも30万円ほどで済むため、経理担当者をパートタイムで雇うのと、費用面であまり変わらない結果になるのです

現時点でマイクロ法人の設立を考えている段階であれば、設立から顧問税理士に依頼することで、高い費用対効果を得られます。

法人設立の際に顧問税理士を依頼すると、適切な補助金や助成金の情報を得られたり、効果的な節税のための定款作成のポイントを得ることができるからです。

また、設立とセットで会計についても顧問契約することで、記帳や仕分けなどから解放され、事業活動や経営そのものに集中することができます。

費用面だけを考えるならば、たしかにマイクロ法人にとっては少なくない支出になるでしょう。

しかし、初めてのことづくしの法人設立から会計処理の中には、現時点のあなたには想像しきれない工数や作業があるのです。

経理のスキルがある、財務担当の経験者であったという方でなければ、税理士を雇うことの費用対効果は高く、有意義なものであると言えます。


6.マイクロ法人の設立と会計をセットにすれば税理士費用は安く抑えられる

マイクロ法人の設立と会計をまとめて依頼することで、税理士費用を安く抑えることができます。

税理士が提供する設立サポートの多くは、設立後の顧問契約を前提にすることで、安い料金を提示しているケースが多いからです。

税理士による設立サポートは、ぜひとも受けておきたいお得なサービスと言えます。

なぜなら、自分で手続きするよりも、お金を払って設立サポートを受けることで、税金を抑えられたり助成金を得られたりするため、かえって手元に残るお金が増えるケースが多いからです。

税理士による設立サポートを受けるメリットとして、主に以下のものが挙げられます。

定款の内容を素人判断で行うことで、後に3万円もの修正費用がかかるケースもあります。

また、4万円かかる紙の定款作成費用は、専門家である税理士でしか削減する方法を持っていません。

税理士にマイクロ法人の設立サポートを依頼することは、時間だけでなく、金銭面でも大きなメリットがあるのです。

非常にお得と言える設立サポートとセットで顧問契約を結ぶことで、設立後も継続的に安定経営や節税のためのサポートを受け続けることができます。

もしあなたがいままさにマイクロ法人の設立前の段階なのであれば、設立サポートと顧問契約をセットで受けることを強くおすすめします!


7.マイクロ法人設立をご検討であれば辻・本郷税理士法人にお任せください

マイクロ法人の設立と会計業務は、業界No.1の辻・本郷税理士法人の「辻・本郷会社設立センター」にお任せください。

辻・本郷 税理士法人は、職員数・拠点数ともに日本一であり、様々な業界・形態の法人設立について豊富な実績があります。

参考:東洋経済ONLINE 初公開!職員と拠点で見る税理士法人ランキング

案件についての情報交換を全国的に行っているため、設立後の経営についてもさまざまなシチュエーションに対応することができるのです。

あなたのマイクロ法人設立を辻・本郷会社設立センターでこそ任せられる理由を、具体的に説明していきましょう。

7-1.サービスごとの明朗会計で安心!

辻・本郷会社設立センターでは、「何にいくらかかるのか」を事前に明確に提示しています。

ご覧いただくと分かるように、会社設立には、「定款認証手数料」や「登録免許税」など、法的な事務手続きで必ず発生する「国に収める実費」が、最低182,000円かかるのです(ご自身で設立手続きを行う場合はプラス4万円)。

この182,000円を下回る格安での会社設立には、会社設立後の税理士顧問契約が条件であることが大前提となります。

辻・本郷会社設立センターでは、格安での会社設立サポートについて、税理士顧問契約が前提条件であることをしっかりと事前にお伝えしています。

なぜなら、法人設立はあなたの事業においてゴールではなく新たなスタートであるため、設立後の経営面での不安にもしっかりと寄り添い、安定経営や節税についてのご提案のできるパートナーでありたいからです。

7-2.2万件を超える会社設立実績で頼れる!

辻・本郷 税理士法人では、司法書士や行政書士、社会保険労務士との連携によって、会社設立代行をしています。

税理士本来、マイクロ法人設立という、書類作成業務は行いません。税理士が得意とするのは、「会社設立後の安定経営を見据えたサポート」です。

つまり、設立手続きをはじめる前の段階で、以下のような内容について、お客様の状況に合わせて提案することができるのです。

税理士だからできる設立後の安定経営を見据えたご提案

◻︎リースや税金などの資金繰りを踏まえた決算期の決め方

◻︎インボイス制度を始めとした最新法改正への対処方法

◻︎節税に関わる定款の書き方

◻︎役員報酬と法人内部留保の最適バランスの取り方

新たに設立するマイクロ法人の会社概要や定款は、決めてしまった後で修正をするとなると、費用が発生します。

豊富な実績を持つ専門家のアドバイスを元に、信頼できる司法書士に申請手続きを代行してもらうことで、何かと慌ただしい会社設立の初動を安心して進めていくことができるのです。

実績に裏付けされた顧問税理士品質により、あなたの事業の成長を下支えすることができます。

7-3.補助金・税金・融資など設立後の資金面もサポート!

辻・本郷会社設立センターでは、マイクロ法人の立ち上げ時だけでなく、法人設立後もお客様の安定経営をサポートするため、税理士顧問契約を前提とした会社設立代行を行っています。

税理士顧問契約を結ぶことで、会社設立後の日常的な経理や税務処理を始め、3,000種類以上ある補助金・助成金から、あなたのマイクロ法人のケースで必要なものを適宜ご提案することができます。

また、法人の経営となると必ず発生する以下のような問題にも、顧問税理士がいることで日常的に相談ができるため安心です。

法人経営で発生する税務・資金繰りなどの問題

◻︎毎月の経理処理や給与管理に時間がかかる

◻︎当期の売上が急激に増えたので、急いで節税しなければいけない

◻︎年一回の決算処理に膨大な手間がかかる

◻︎どの補助金や助成金が利用できるのか分からない

◻︎補助金や助成金の申請書類作りが後回しになりがち

◻︎事業拡大するために融資を受けたいが何から始めればいいか分からない

節税や融資などの資金面での悩みは、マイクロ法人の設立の瞬間だけでなく、設立後もつねに発生するものです。

マイクロ法人の経営者は、どうしても孤独になりがちなため、日常的に相談できるパートナーの存在は、心身の健康と事業成長に不可欠と言えます。

上場企業から小規模事業まで、すべての案件を税理士全員で共有しているから、あなたのマイクロ法人で発生する将来の問題も、スムーズに解決に導くことができます!


まとめ

今回は、マイクロ法人に税理士が必要かどうかについて、【不要派】【必要派】のそれぞれの意見・主張を踏まえながら解説してきました。

【不要派】【必要派】の主張が分かれるのは、主に以下のような価値観の違いによるものと言えます。

不要派の価値観

あくまでも節税・節約を目的としているため、「お金をかけないこと」が大切

必要派の価値観

不得意な分野に手を出すことを効率が悪く感じ、「時間」の優先順位が高い

マイクロ法人の会計を税理士に依頼するメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット

デメリット

◻︎事業に集中できる

◻︎法改正に合わせた節税対策が確実に行える

◻︎資金繰りや経営についても相談できる

◻︎費用がかかる

◻︎優秀な税理士を探すのが難しい

マイクロ法人が税理士契約する場合の費用相場と内容は、以下の通りです。

スポット契約

10~20万円

法人決算書の作成と申告

顧問契約

30万円〜

記帳代行から社会保険の手続き、年末調整、税務相談など

マイクロ法人の設立を税理士に頼まなくて後悔したこととして、以下のことが挙げられます。

◻︎事務手続きに割かれる時間が倍どころではなかった

◻︎自分で集めた情報に振り回されて疲弊した

◻︎経理を雇う費用と顧問税理士を雇うコストが変わらなかった

この記事が、これからマイクロ法人の設立を考えるあなたにとって、より良い未来のきっかけとなることを祈ります。

業界で多くの顧問先を支援している辻・本郷税理士法人
あなたの会社設立をリーズナブルかつ、最適な内容でご案内いたします。
業界で多くの顧問先を支援している辻・本郷税理士法人
あなたの会社設立をリーズナブルかつ、最適な内容でご案内いたします。