「良い」税理士の探し方6つと見極めるポイントを解説

「税理士の探し方っていい方法はあるの?起業にあたって頼れる税理士を見つけたい!」
「どうやったら自社に合う税理士が見つかるのか教えてほしい!探し方のおすすめは何?」

これから起業する方や、個人では限界を感じて税理士への依頼を考えている方のなかには、このように探し方がわからずお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

税理士の探し方を難易度順に紹介すると、以下1~6です。

今回難易度順に1~6の税理士の探し方を紹介しますが、「これが1番あなたに合っている!」とは一概にはいえません。

1番手軽にできる方法としてはインターネットによる検索があり、だれでも時間や場所を選ばず手軽にできます。
ただし検索結果に表示された膨大な税理士を、自身で自社のニーズと比較していかなければなりません。

一方、金融機関から税理士を紹介してもらう方法は難易度が高めといえ、手間が省けて高レベルな税理士を探しやすいものの、報酬が高額になる可能性があります。
各特徴やメリット・デメリットをお伝えしますので、一つひとつお読みになったうえで、ぜひ自社に合った方法を試してみてください。

とはいえ、税理士の探し方だけ理解しても、ベストな税理士が見つかる可能性は低いので注意が必要です。
なぜなら、税理士を探すときのポイントを押さえておかなければ、以下のようなトラブル発生のリスクがあるからです。

税理士へ依頼したあとに発覚するトラブルの一例

  • 請求が来たら、なぜかはじめに聞いていた金額より高かった!
  • 依頼したい業務があったのに、受けてもらえなかった
  • 依頼してみたら、知人の税理士より報酬が高かった…
  • もっと何でも相談しやすい事務所にお願いしたかった
  • お願いしていた税理士さんが体調を崩したけど代わりの人がいない!

そこで本記事では詳細な探し方とともに、最高の税理士を見つけるためのポイントを5つお伝えします。

本記事でわかること

  • 税理士の探し方が難易度順にわかる
  • それぞれの探し方に必要な費用目安がわかる
  • 探し方ごとのメリット・デメリットがわかる!
  • どの探し方が自社に最適なのかイメージできる
  • 税理士を探すときのポイントがわかるので失敗しない!

ぜひ本記事を参考に、税理士の探し方をマスターしてください。


1.税理士の探し方は主に6

税理士の探し方は難易度順に、以下の1~6があります。

ただし「あなたの事業にベストな方法はこれ!」とは一概にいえません。
事業形態や個々の考え方によっても異なりますので、ぜひ本記事を参考に自社に合った方法を探してみてください。
いくつかの探し方を併用してみることも一手です。

では、次の章から順番に紹介していきます。


2.税理士の探し方1|インターネットで検索する

まず、税理士を探すときに1番難易度が低い方法として、インターネットによる検索があります。

たとえば、税理士の名前や事務所名を検索サイトに打ち込んだり、「〇〇市 税理士事務所」など気になるキーワードを入力したりして検索しましょう。

インターネットで検索して税理士を探す方法は、思い立ったときに気軽にできるだけでなく、特別な費用もかかりません。
ただし、検索結果に表示された税理士が、必ずしも自社に合うとは限らないことも把握しておきましょう。

膨大な数の税理士の中から、

  • どのような業務をサポートしてもらえるのか
  • 顧問料はいくらなのか

などを、自社のニーズと比較してピックアップしていく必要があります。

気軽にできるものの、税理士をインターネットで検索する方法は、手間や時間がかかる探し方といえるでしょう。


3.税理士の探し方2|税理士紹介サービスを活用する

インターネットで検索して税理士を探す方法について、ご理解いただけたかと思います。

続いて紹介する税理士紹介サービスの活用も、難易度は高くありません。
住所や収入・業種などを登録すると、税理士に特化した情報を提供してもらえるサービスです。

税理士紹介サービスを利用するときは、まずホームページにアクセスして、以下のような希望する税理士についてや自社に関しての情報を細かく登録します。

  • 事業をおこなっている地域
  • 事業形態(個人・法人)
  • 業種
  • 従業員数
  • 売上・収入
  • 記帳代行の希望
  • 給与計算の希望
  • 確定申告・決算申告の希望
  • 年末調整の希望
  • 会計ソフトの希望
  • 税理士の事業所エリアの希望

一通り登録を終えたのち、税理士紹介サービスから当日すぐ~数日後に電話やメールで連絡がきます。
税理士紹介サービスが希望した情報に合う税理士を3~6人前後紹介してくれるので、個別にコンタクトを取り、契約を結びます。

利用者は料金がかからず、細かな条件を指定して探せる点が税理士紹介サービスの大きな魅力です。
一度に複数の税理士を紹介してもらえるので、比較検討しながら探しやすいでしょう。

一方で税理士紹介サービスを利用すると、しっかりヒアリングをせずに税理士を紹介するケースや、親身に探してもらえないケースもあるので、どのようなサービスを選ぶかもポイントです。
以下でおわかりいただけるように、税理士紹介サービスは一般的に、3つに大きく分けられます。

1番のおすすめはピンポイント系で、税理士紹介サービスをメインとしているのでしっかりヒアリングがおこなわれます。

一方、会計ソフト付随系の場合は、会計ソフト事業がメインです。
本来の目的は会計ソフトの利用を促すことであるため、紹介された税理士が条件に見合わないと「これ以上は難しいですね」と断られることもあります。

このほか、一括紹介サービス系は時間がかからず、必要な情報を入力したらすぐ自動的に結果が出る点が大きなメリットです。

利用する税理士紹介サービスごとに、内容だけでなく質が大きく異なります。
質のよい税理士紹介サービスを選ぶためにも、ヒアリングをしっかりしてもらえる税理士紹介サービスを利用しましょう。


4.税理士の探し方3|知人から紹介してもらう

税理士紹介サービスを活用して税理士を探す方法について、おわかりいただけたかと思います。

次にお伝えする知人からの紹介で税理士を探す方法は、人によって可能なケースが分かれるかもしれません。
税理士をすでに家族が利用しているという方や、知り合いに経営者がいるという方であれば、契約している税理士事務所を紹介してもらう方法を考えてもいいでしょう。

知人から税理士を紹介してもらう場合は、事前に税理士のスキルについて教えてもらえ、第三者の目線で意見ももらえるため安心感があります。
どのような人柄なのか、連絡はマメであるかなど、気になる情報をあらかじめ知人に聞けるので、税理士を選ぶときに失敗しにくい方法です。

ただし、紹介してもらった税理士が自社に合わなかったとき、知人との関係性から断りにくさを感じてしまう可能性は否定できません。


5.税理士の探し方4|税理士会や商工会議所から紹介してもらう

全国16箇所にある税理士会や、事業をおこなう人が集まる公共経済団体である商工会議所から、税理士を紹介してもらう方法です。

税理士会や商工会議所でおこなわれている税務相談へ直接出向き、税理士を探していることを伝えると紹介してもらえます。
また、直接税理士へ相談してみて「お願いしたい!」と感じたら紹介してもらうこともでき、税理士会によってはオンライン相談も開催しています。

税務相談は税の申告時期におこなわれていたり、無料で定期開催していたりするので、問い合わせてみるといいでしょう。
たとえば、東京税理士会の納税者支援センターでは、以下のような日程で無料相談をおこなっています。

  • 実施日:月~金(祝日等を除く)
  • 時間:午前10時~午後4時(正午~午後1時まで休憩) ※受付は午後3時30分まで
  • 場所:東京税理士協同組合会館内
  • 電話番号:03-3356-7137

参考:東京税理士会「納税者支援センター 税に関する無料相談!ご相談内容の秘密厳守!

税理士会や商工会議所からの紹介は、実際に税理士と会い、相談して人柄や対応・知識などを自分で知ったうえで依頼を考えることができます。

ただし、細かな条件面の指定は難しいことも知っておきましょう。
一度に複数人の比較はできず、場合によってはニーズを満たさないケースもあるので、税理士を紹介されたら自社に合っているかよく検討する必要があります。


6.税理士の探し方5|税理士が主催しているセミナーに参加する

税理士が主催するセミナーへ参加してみる方法があります。

確定申告が近づいたり、税法が改正されたりすると、多くのセミナーが開催されます。
セミナーへ参加して直接内容を聞くことで、税理士の人柄や説明のわかりやすさなどの判断材料になります。

セミナーは直接出向くタイプもありますが、最近はオンラインで気軽に参加できるタイプもあるので、インターネットで検索してみてもいいでしょう。
税理士自体もセミナーを営業目的でおこなっているケースが多数であることから、依頼を打診しても断られる可能性は高くありません。

また、税に関して勉強しながら、主催する税理士事務所の雰囲気を感じられる点もメリットでしょう。

ただしセミナーを開催している事務所は、規模が大きいケースが多数です。
大人数の税理士が所属しているので、必ずしも希望する税理士が担当してくれるとは限らない点に注意が必要です。
複数の事務所が一度にセミナーをおこなうケースも少ないので、税理士の比較は難しいところも知っておきましょう。


7.税理士の探し方6|金融機関から紹介してもらう

自身が利用している金融機関に相談して、提携している税理士を紹介してもらう方法です。

税理士と金融機関には、コネクションがあるケースが多数です。
取引している金融機関に相談すると、その地域で何年も活動をしていたり、事務所の規模が大きかったり、信用度の高い税理士の紹介を期待できます。

金融機関との付き合いがあるくらいなので、経営コンサルティングや資金調達・事業承継対策など、業務内容の幅が広い高レベルな税理士を紹介してもらえる点は大きな魅力です。

ただし、銀行からヒアリングを受けて紹介されるわけではないため、自社のニーズに合う税理士であるとは限りません。
また税理士を紹介してもらうとき、多くの場合、税理士事務所から金融機関へ紹介料が支払われています。

税理士との契約費用は紹介料を加味して決められるケースが多いので、金融機関の紹介により契約する場合は高額になる可能性が高いでしょう。


8.税理士を探すときの5つのポイント

ここまで、税理士の探し方についてご理解いただけたかと思います。

最後に、税理士を探すときに押さえていただきたい、以下5つのポイントを紹介します。

  • 最低でも4〜5人の税理士と面談する
  • 自社に合うタイプの税理士を探す
  • 提供しているサービス内容が自社に合っている
  • 税理士事務所の規模を確認する
  • 報酬が明確である

順番に見ていきましょう。

8-1.最低でも4〜5人の税理士と面談する

税理士を探すときは、比較検討するために最低でも4~5人と面談してください。

1人目の税理士と面談を終えると、なんとなく「この税理士さんいい人だったし、依頼しようかな」という気持ちになってしまう方もいるはずです。
しかし1人の税理士と話をしただけでは、顧問料やサービス内容・人柄などの違いを比較できません。
税理士事務所の数だけ幅広いサービス内容・料金設定があるので、たとえ2人や3人でも比較するには足りないのです。

可能なら10人ぐらいの税理士と面談していただきたいのですが、まずは最低でも4~5人を目安に話を聞き、比較していきましょう。

8-2.自社に合うタイプの税理士事務所を探す

税理士事務所には主に3つのタイプがあるので、自社に合うところを探しましょう。

8-2-1. 低コスト型

低コスト型は最近増えている税理士事務所のタイプで、依頼できる業務が必要最低限になる分、コストを抑えられます。

事業に大きな変化がなければ、税理士からのアドバイスに変動は少ないため、低コスト型で十分でしょう。

8-2-2. 特化型

続いて特化型の税理士事務所は、医療や飲食など専門的な業種に深い知識をもっているタイプです。
各業種に適したサービスの提供をしているだけでなく、自社の業務内容にも精通していることから、特化型の税理士事務所なら税務調査への対応も安心して任せられます。

自社の業種に詳しくなければ、税理士との意思疎通に時間がかかるケースも少なくないため、専門的な事業を営んでいる方は特化型の税理士が最適でしょう。

8-2-3. 付加価値型

最後の付加価値型では税理士と密に連絡を取り、定期訪問はもちろん、節税対策や資金調達・経営コンサルティングなど、さまざまなサービス提供をしてもらえます。

事業規模が大きい場合やこれから事業を始める場合などでは、節税のタイミングや経営分析が重要となるので、しっかり税理士の力を借りられる事務所の選択がおすすめです。

このようにサービス内容がそれぞれ異なるので、自社に合うタイプの税理士事務所を探しましょう。

8-3.提供している業務内容が自社に合っている

税理士事務所が提供している業務が自社と合っているかは、事前に確認しておきましょう。
以下に、税理士へ依頼できる業務の例を挙げてみました。

  • 税務相談
  • 税務調査への対応
  • 経営コンサルティング
  • 税務書類の作成
  • 申告業務
  • 給与計算
  • 金融機関との交渉

たとえば税務相談や書類作成・申告業務などはおこなっているものの、経営コンサルティングは引き受けていないというケースは多々あります。
いざ契約を終えてから「こんなはずではなかった!」とならないよう、税理士が提供している業務は一律でないことを理解しておいてください。

8-4.税理士事務所の規模を確認する

対応できる案件や雰囲気などが異なるので、税理士を探すときは税理士事務所の規模をどの程度の目安にするか、念頭に置いておくとスムーズに探せます。

税理士事務所の規模は、中小規模であれば1~30人ほどが目安となり、大規模なら30人以上~100人位と考えておきましょう。

8-4-1.中小規模の税理士事務所

中小規模の税理士事務所は得意な分野が明確なため、自社のニーズにマッチしているかについて判断が容易です。
また、希望した税理士に担当してもらいやすく、抱えている顧問先が多くないので目が届きやすいといえるでしょう。

ただし税理士の人数が少ないため、繁忙期は対応の遅れが懸念されます。
1人でおこなっている事務所であれば何かあったときに代わりがおらず、依頼した業務を進めてもらえない可能性も念頭に置いておく必要があります。

8-4-2.大規模の税理士事務所

一方、大規模の税理士事務所は複数の税理士が務めているので、対応している税務内容の幅広さが特徴です。

たとえば、「医療チーム」や「相続チーム」などのチーム体制を取っている税理士事務所もあり、難しい業務でも依頼しやすい点は大きな魅力です。
組織として対応しているので、万が一担当税理士が辞めてしまったとしても代わりの人材がいるため安心でしょう。

ただし、大規模の税理士事務所は顧問料が高額になりやすいため、予算を多くかけられない企業にとっては依頼が難しいかもしれません。
また希望する税理士がいたとしても、必ず依頼できるとは限らないことも把握しておきましょう。

8-5.報酬が明確である

税理士に支払う報酬は事務所によって大きく異なるため、一概にいくらとはいえませんが、明確にされていることがトラブルを防ぐためには大切です。
一般的には、法人は毎月5万円~、個人事業主なら3万円以下が目安であり、ここに各種申告費用が追加となります。

ただし記帳代行を依頼する場合は、一般的には領収書の枚数に応じて費用がプラスされますし、税務書類の内容は多岐にわたるので、内容によって報酬はさまざまです。
税理士の業務内容の増加によって明記されていない金額が追加され、請求額が上がった結果、「思っていた金額より高かった!」ということもあるでしょう。

税理士事務所を探すときは、

  • 何にいくらかかるのか
  • どこからどこまでの業務にいくらかかるのか

といった、報酬について明示されている税理士事務所を探しましょう。


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10.まとめ

税理士の探し方について、参考になりましたでしょうか?

最後に税理士の探し方をもう一度振り返ってみましょう。

税理士の探し方は、難易度順に以下6つです。

◎税理士を探すときの5つのポイントは、以下です。

  • 最低でも4〜5人の税理士と面談する
  • 自社に合うタイプの税理士を探す
  • 提供しているサービス内容が自社に合っている
  • 税理士事務所の規模を確認する
  • 報酬が明確である

本記事が、あなたの事業にぴったりの税理士を探す手助けになれば幸いです。

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