融資に強い税理士を見つける方法と選ぶポイント

起業においての資金調達を成功させるために、「融資に強い税理士」の存在は欠かせません。特に新規事業の立ち上げや事業拡大を考えている経営者にとって、融資の可否は大きな分岐点となります。

しかし、どの税理士が本当に「融資に強い」のか、具体的にどのようなサポートが期待できるのか、迷ってしまうことも少なくありません。 この記事では、融資に強い税理士を見つけるための方法と選ぶ際のポイントを詳しく解説し、あなたの事業の成功をサポートします。


1.融資に強い税理士とは?

融資に強い税理士とは、企業や個人事業主が資金調達を行うための専門的な知識や、資金調達の実績を持つ税理士のことを指します。

適切な税理士の支援を受けることで、企業は安定した経営基盤を築き、さらなる成長を目指すことができます。

本章では、どのような税理士が「融資に強い」と言えるのかを具体的に解説します。

1-1.創業融資支援の実績を具体的数値で示せる

融資に強い税理士には、具体的な実績を持ち、その成果を数値で示せるという特徴があります。

過去にどれだけの融資を成功させ、その総額がどれくらいの規模かを明確に説明できることは重要です。具体的な成功事例を提示できる税理士であれば、信頼性が高く、安心して依頼できます。

さらに、創業融資に関して詳しい税理士である必要もあります。創業段階の融資は企業にとって、今後の運営に大きな影響を与えるため非常に重要ですが、税理士によっては創業時の融資に関する知識や経験が深くない方もいます。起業をこれから考えている方は特に、創業融資の点にフォーカスして確認しておきたいですね。

※ここを確認!

  • いつ:税理士を選ぶ段階。
  • 具体的に何を:税理士の融資支援実績の具体的数値と、創業時の融資実績。
  • どのように:過去の成功事例や実績の掲載されているホームページなどを確認。

1.2自分の業種に特化した融資実績に関する大規模な成功事例を持っている

税理士が自分の業種に特化した融資実績を持っているか見極めることも重要です。

なぜなら、業界特有の事情を理解している税理士であれば適切な融資計画を立ててくれるので、融資の成功率もその分高まるためです。

また、大規模な融資の成功事例があればその分野での経験も豊富であることが多いため、実績の規模も参考にしてください。

各業種には特有のビジネスモデル、収益構造、リスク要因があります。たとえば、製造業とサービス業では、資金の使い道やキャッシュフローのパターンが大きく異なります。製造業は設備投資に多くの資金を要する一方、サービス業では人件費やマーケティング費用が重視されることが多いです。そのため、各業種に特化した融資実績のある税理士は、その業界特有の課題などを理解してそれに応じた資金調達計画を提案することができます。

自分の業種に特化した、規模の大きい融資の成功事例を持つ税理士を選びましょう。

※ここを確認!

  • いつ:税理士を選ぶ段階。
  • 具体的に何を:税理士が取り扱った業種別の融資実績、大規模な成功事例。
  • どのように:業種別の実績を示す資料や成功事例の詳細をホームページや問い合わせにより確認。

1-3.融資制度への深い理解がある

融資に強い税理士は、さまざまな融資制度に精通しています。

たとえば、大半の方は日本政策金融公庫や地方銀行の制度融資についての条件や対象業種などを細かく把握していないでしょう。

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」が創業時に最も利用されている人気の高い融資制度であることや、その条件が何であるかなどといった、分野に精通していなければ知り得ない情報が、融資制度にはあります。

こうした融資制度への深い理解がある税理士であれば、あなたの事業に最適な融資プランを提案してくれます。

※ここを確認!

  • いつ:税理士を選ぶ段階。
  • 具体的に何を:税理士の融資制度に関する知識の深さ、制度への理解度。
  • どのように:税理士が提案する融資制度の詳細や、過去の案件の制度適用事例について電話相談などをして、自分に適したプランの提案があるか確認。

1-4.金融機関出身のスタッフによるノウハウがある

金融機関出身のスタッフがいる税理士事務所は、融資に関するノウハウが豊富です。

銀行の内部事情や融資審査のポイントを熟知しているため、より効果的なサポートが可能です。金融機関との交渉もスムーズに進められます。

また、企業は「法人税申告書」を融資の際に金融機関に提出する必要があります。融資に強い税理士に法人税申告書の作成を依頼することで、金融機関からの信頼度が大きく変わり、融資の結果に響いてきます。

※ここを確認!

  • いつ:税理士を選ぶ段階。
  • 具体的に何を:金融機関出身のスタッフの存在、融資に関するノウハウの有無。
  • どのように:スタッフの経歴や過去の交渉実績をホームページなどで確認。

1-5.金融機関を紹介してくれる

融資に強い税理士は、信頼できる金融機関を紹介してくれることも多いです。会社に適した銀行や信用金庫とつないでもらえると、融資審査のハードルが下がります。また、税理士の紹介があるため、金融機関側からも信頼を得やすくなります。

※ここを確認!

  • いつ:税理士を選ぶ段階、無料相談をする段階。
  • 具体的に何を:紹介可能な金融機関のリスト、過去の金融機関への紹介実績。
  • どのように:税理士に相談する際に、紹介可能な金融機関を確認。

1-6.節税の観点だけでなく幅広い視点でアドバイスできる

税務だけでなく、事業全体の視点からアドバイスできる税理士は貴重です。

税理士は会計・税務のプロなので、節税に関するアドバイスが得意です。しかし、節税の基本は所得をいかに抑えるかという話になります。そのため、節税にのみ注意したアドバイスを受けて決算書や試算表を作成していくと、お金が手元にほとんど無いという状態になってしまうおそれがあります。これでは、金融機関が融資をしたい(≒傍目に見て儲かっている)と思える状況の企業とは言えません。

節税資金調達だけでなく、事業計画や経営戦略の視点を併せ持つ税理士からのアドバイスを受けられると、融資も受けやすくなり、長期的なビジネスの成長につながります。

※ここを確認!

  • いつ:税理士に相談する段階、融資計画を立てる段階。
  • 具体的に何を:税理士のアドバイス範囲、節税以外の視点の有無。
  • どのように:税理士に相談する際に、事業計画や経営戦略に関するアドバイスがどのような知識に基づいているかを確認。融資のための総括的なアドバイスになっているか、内容を確認。

1-7.料金体系が明確で分かりやすくなっている

透明性のある料金体系を持つ税理士は信頼できます。事前に料金が明確に示されていることで、依頼者は安心してサービスを利用できます。不明瞭な追加料金が発生しないことも重要です。

※ここを確認!

  • いつ:税理士を選ぶ段階。
  • 具体的に何を:料金体系の明確さ、追加料金の有無。
  • どのように:ホームページなどに記載されている料金表を確認した後、税理士に詳細を質問して確認。

2.融資に強い税理士を見つける方法

融資に強い税理士を見つけるためには、本章で紹介する方法を活用すると効果的です。

2-1.サービス内容の確認をする

税理士を選ぶ際は、まずサービス内容を確認しましょう。税理士事務所のホームページや紹介資料を確認し、対応している融資サポートや専門知識の深さ、創業融資に特化したサービスを提供しているかなどをチェックすると良いでしょう。

2-2.口コミと評判を調べる

インターネット上の口コミや評判を調べることで、税理士の信頼性を確認できます。実際の利用者の声を参考にすることで、より信頼できる税理士を見つけやすくなります。特に、具体的な事例や経験談が多く掲載されているサイトを参考にすると、実際のサービス内容を把握しやすくなります。

2-3.専門資格や実績をチェックする

税理士の専門資格や過去の実績を確認することも重要です。融資支援の経験が豊富な税理士は、成功事例や所有資格を公表していることが多いです。

どのような業界での資格や実績があるか、実績の規模はどの程度かなども含めて確認してください。 成功事例や顧客の声が掲載されている場合、それを参考にすると良いでしょう。また、直接問い合わせて、具体的な実績を聞くことも効果的です。

2-4.金融機関とのつながりを確認する

1-4や1-5で示したように、金融機関とのつながりが強い税理士による融資は成功率が高いです。どの銀行や信用金庫と連携しているかを確認して、あなたの会社規模や事業の幅に合わせた金融機関とつながりを持つ税理士に依頼しましょう(例:国際的な事業であれば都市銀行などが適切、など)。

2-5.無料相談を活用する

多くの税理士事務所では初回の無料相談を実施しています。この機会を利用して、税理士の融資に関する知識や対応力、また、個人的な相性なども直接確かめることができます。相談の際には、自分の状況や希望を具体的に伝え、どのようなサポートが受けられるかを確認しましょう。


3.融資に強い税理士に依頼する費用の相場

税理士への融資に関する依頼方法は、大きく分けて3パターンあります。

融資の成功に応じて報酬が発生する形式の「成功報酬型」の依頼と、記帳代行や法人税申告書の作成などの業務のみを単体で依頼する「固定料金型」、そして「成功報酬型」と「固定料金型」を組み合わせた依頼方法の3パターンです。 それぞれ相場を見ていきましょう。

3-1.成功報酬型なら融資額の2~4%が相場

融資が成功した場合に報酬を支払う成功報酬型では、融資額の2~4%が一般的な相場です。

成功報酬型では、契約以降に行う事業計画書の作成、必要書類の取得、金融機関との面談対応など、融資申請までに必要な業務を一括してサポートしてもらえる場合が一般的です。

創業融資の申請が初めての方や、ある程度費用はかかってもよいので事業計画書の作成から面談対応までの全般的な業務を税理士に依頼したいという方に向いています。

また、成功報酬型のなかには、税理士と一定期間の顧問契約を締結して、顧問契約中に融資、資金調達に関連する業務の成功報酬を全般的に無償で請け負ってもらう方法もあります。顧問契約を結ぶことで、会社の実態を把握してもらい、資金面だけならず全面的に支援してもらうことが可能になります。 ただし、顧問契約を結ぶ成功報酬型では、顧問税理士契約の費用料金が高額に設定されていることがあったり、長期間にわたってサービス利用をしなければならないため、結果的に費用が多くかかるといったデメリットもあります。

3-2.固定料金型の相場は業務内容による

書類作成など、必要に応じてその都度依頼する固定料金型では、相場は業務内容次第で変動します。短期間でのサポート、部分的なサポートが必要な場合に適しています。

依頼する業務内容が定期的に依頼する業務か、年に一度だけ発生する業務かによって金額に大きな差があります。たとえば、法人税申告書の作成は年に一度だけ発生する業務です。費用相場は10〜30万円程度となります。

事業計画書の作成のみであれば3~5万円程度かかります。 定期的に依頼する業務であれば、資金調達や書類作成の相談があります。この場合、1回あたり1万円程度からの金額になります。相談の時間が長くなるほど金額も上がります。

3-3.成功報酬型と固定料金型の複合型では着手金が必要

税理士との契約によっては、融資が成功した場合に成功報酬がかかる他に、融資支援の前に一定額の着手金を支払う必要がある場合もあります。これを成功報酬型と固定料金型の複合型と捉えます。

着手金の相場は、成功報酬の一部の額である場合や、10〜20万円が別途必要な場合もあります。 着手金は、融資審査が通らなかった場合でも原則として返金されません。もし着手金が必要な契約を結ぶ場合は、着手金を含めた総費用を事前に確認しておくことが重要です。


4.融資サポートの具体的な内容

融資に強い税理士は、企業が資金調達を成功させるために必要な、さまざまな支援を提供します。本章では融資サポートの主な内容を解説します。

4-1.創業計画書などの書類作成

税理士は、融資申請に必要な創業計画書の作成をサポートしてくれます。プロによる具体的な事業計画や融資のために有利となるポイントを押さえた書類の作成により、融資審査の通過率が一段と上がります。

4-2.金融機関との交渉

税理士は金融機関との交渉も代行してくれます。専門知識を活かして、より有利な条件で融資を受けられるように交渉してもらいましょう。

融資に強い税理士は、適切な金融機関を選定して、金融機関との良好な関係を活かして働きかけてくれます。

4-3.資金調達後の返済までのフォローアップ

融資を受けた後も、税理士は返済までのフォローアップを行います。

企業の事業計画や資金ニーズを詳しく分析し、適切な資金計画も考案してもらいましょう。資金の用途、必要額、返済計画など、融資に強い税理士ならではの視点を借りることで、無理のない事業展開を行うことができるようになります。


5.会社設立のお悩みは辻・本郷 税理士法人に相談

会社設立時には、さまざまな問題や疑問が生じるものです。融資に強い税理士は、資金調達だけでなく、会社設立に関する総合的なアドバイスを提供してくれます。

また、設立後の税務申告や経営相談も継続して受けられるため、長期的なパートナーとして信頼できます。

税理士選びや、会社設立にお悩みのことがありましたら、辻・本郷会社設立センターにご相談ください。

日本国内にある税理士事務所、税理士法人の中でも、 90拠点という国内最大規模の拠点数と2,190名の職員数を誇る辻・本郷グループなら、グループ会社である辻・本郷税理士法人と共に、あなたの創業時にフォーカスして、業界に合わせた融資に強い税理士をご紹介できます。

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6.まとめ

資金調達を成功させ、事業を成長させるためには、融資に強い税理士の存在が不可欠です。

この記事では、融資に強い税理士を見つけるための方法や、選ぶ際のポイントを詳しく解説しました。

具体的な実績やサービス内容を確認し、業種にあったサポートをしてもらえるか、金融機関とのつながりはあるかなどの要点を参考にすることで、信頼できる税理士を見つけることができます。

また、費用相場を理解し、納得のいく料金体系を持つ税理士を選ぶことも重要です。

融資サポートの具体的な内容を理解した税理士に、必要な書類の作成や金融機関との交渉を任せることで、融資成功率は高まります。さらに、税理士に依頼することで、融資後のフォローアップも含めてサポートを受けられるため、事業の安定と成長を実現できます。

融資に強い税理士を見つけて、事業の成功に向けての第一歩を踏み出しましょう。

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