一人親方の法人化手引き!メリットやタイミング、手続きを丸ごと解説

「一人親方として働いてきたけれど、そろそろ法人化するべき?」

「一人親方は法人化したほうが節税になるって本当だろうか?」

一人親方の法人化とは、今まで積み上げてきた実績や知識、そして顧客や資産を引き継いだまま「法人の会社」へとキャリアアップすることです。

今まで個人事業主として働いてきた一人親方の法人化は、あなたの人生とキャリアを大きく変える第一歩になります。
法人化は今後を左右する重要な決断だからこそ、適切なタイミングと方法で法人化して、後悔しないように準備しておきたいですよね。
まずは、あなたが本当に法人化するべきなのかを判断できるようになるために、一人親方が法人化することのメリットとデメリットを紹介していきます。

上記のように、一人親方が法人化することで節税や社会保険加入などのメリットを得られますが、同時に業務負担が増えるというデメリットもあります。

一人親方は、法人化することのメリット・デメリットの両方についてしっかりと考えたうえで、法人化するかどうかを考えなければいけません。
また、法人化するタイミングを見誤らないためにも、以下の法人化すべき適切なタイミングについても把握しておきましょう。

このように、個人事業主をしていた一人親方が法人化するべきか考えるためには、さまざまな条件を、現在の事業状況を踏まえた上で考えていかなければならないのです。
そこでこの記事では、法人化を考えはじめて何から行動するべきか分からないという方向けに、以下のポイントをわかりやすく解説していきます。

【この記事でわかること】
・一人親方の法人化の概要
・一人親方が法人化することのメリット6つ
・一人親方が法人化することのデメリット5つ
・一人親方が法人化を検討すべきタイミング4つ
・会社設立代行で法人化するときに知識

一人親方の法人化は、個人事業主の開業よりも複雑な手続きが必要になってきます。
そのため自力で法人化する場合と、専門家にサポートしてもらう場合のいずれにせよ、最低限の知識を身につけてリスク回しておくべきです。
ぜひ、この記事を参考に、一人親方としての新たな一歩を踏み出すための法人化について、しっかりと考えてみてください。


目次

1. 一人親方の法人化とは

一人親方の法人化(法人成り)とは、個人としての事業を廃止して、法人として新たに会社を設立することです。

建設業や林業などで、従業員を雇わずに自分自身や家族のみで事業を行ってきた一人親方が、個人事業主から法人化するケースは多くあります。

もちろん、法人化するといっても、またゼロから新たな事業を立ち上げるわけではありません。
一人親方の法人化は、新たに起業する場合とは違い、今まで築いてきた資産や顧客を新しい会社に引き継ぐことができます。

今までの資産や顧客を引き継いで会社をスタートできるということは、ゼロから法人設立する場合よりもかなり有利なのです。
もちろん、すべての一人親方が法人化すべきわけではありません。
あなたが「本当に法人化するべきなのか」を判断するために、一人親方が法人化すべき理由やタイミングについて理解しておきましょう。


2. 一人親方が法人化することのメリット6つ

最初に、一人親方が法人化することで得られるメリットについて解説していきます。

一人親方が法人化すると得られるメリットは、主に上記の6つです。
個人事業主として働いている現在と比較して、どのようなメリットがあるのか解説していきます。

2-1. 税金の負担が軽くなる

一人親方が法人化すると得られるメリットの中でも重要なのが、税金の負担が現在よりも軽くできることです。 個人事業主の所得税と、法人の法人税では、下記のように税率が大きく違います。

課税される所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円
参考:国税庁|所得税の税率を元にグラフと表を作成

 

区分課税される所得金額税率
資本金1億円以下の法人など 普通法人の場合年800万円以下の部分15%
年800万円越の部分23.20%
参考:国税庁|法人税の税率を元にグラフと表を作成

このような表を見ても、なかなか税率の違いは分かりにくいかと思います。 そこで上記の表を参考に、経費や控除などを差し引いた課税所得が1,500万円の場合の税金の違いについて考えてみましょう。

【前提条件】
・経費や控除等をすべて差し引いた課税所得金額が1,500万円
・法人の場合の資本金は1億円以下
※上記の条件が除外される特例事業者は該当しない

課税所得金額に対する税率は、所得が多くなるにつれて段階的に税率が高くなるため、計算は以下のようなイメージでおこないます。

このように、課税所得が多い個人事業主ほど、法人化することで税金の負担を軽減できるのです。

建設業や林業で一人親方として働いているかたのなかには、年間の売り上げが数千万円に達している人も少なくありません。
課税所得が多い事業主ほど、法人化することで大きな節税メリットを受け取れるのです。

2-2. 経費にできる範囲が広がる

事業を法人化すると、個人事業主として一人親方をしているときよりも経費として計上できる範囲が広がります。

個人事業主の場合は、「仕事として使ったお金」と「プライベートで使ったお金」の判断が難しく、経費として認められないケースもあります。
しかし法人化することで、原則として全て事業活動のためだと判断され、経費として認められるのです。たとえば、以下のものを経費にできます。

・自宅を社宅に
・車を社用車に
・生命保険や退職金を経費に
・事業主や家族への給料を役員報酬に
・事業主や家族へのボーナスを役員賞与に など

個人事業主の場合、たとえ自宅で仕事をしていても「仕事とプライベートの割合」が検討材料になってしまうため、経費にすることは難しいケースがあります。
社宅の場合、会社が支払う賃料と、役員や従業員から受け取った賃料の差額が経費となるため、経費化が容易となります。
なお、社宅を無償や低い家賃で貸してしまうと役員や従業員が現物給与として課税されることがありますので、注意が必要です。

2-3. 社会保険に加入できる

一人親方が法人化すると、健康保険や厚生年金保険などの社会保険へ加入できます。

社会保険とは、下記の5つの保険をまとめた総称です。

・健康保険
・介護保険
・厚生年金保険
・労災保険

年収や家族構成などによっては、国民健康保険や国民年金よりも、社会保険の方が保険料を抑えられる可能性があることはご存じかと思います。

一人親方として事業をしてきたということは、今まであなた自身とご家族の国民健康保険・国民年金を支払ってきたのではないでしょうか。

しかし法人化することで、あなただけではなくご家族を社会保険の扶養にいれられます。
また、今後事業を拡大して社員が増えた場合も、社会保険に加入できるという社員の安心材料にもなるのです。

なお、通常役員は労災保険に加入できませんが、建設業や運送事業などの要件を満たす方は特別加入することができます。

2-4. 万が一倒産しても出資額を返済するだけで済む

法人化すると、会社が万が一倒産した場合でも、事業主が返済する金額は出資額のみで済みます。
個人事業主の場合は、賠償責任が無限だったことに対して、法人化すると賠償責任の金額に対して制限が発生するのです。

たとえば、個人事業主が多額の負債を背負ってしまったり、損害賠償を請求されてしまった場合、事業主ひとりで全額を返済しなければいけません。

その返済額は無制限なので、自分の財産をすべて手放さなければいけなくなってしまう可能性もあるのです。

しかし法人が倒産した場合、事業主の財産で無制限に返済をする必要はありません。
あくまでも、出資した額を返済するだけですむのです。

事業を続けていくうえで、少しでも事業主が背負う負担やリスクを抑えるための対策は欠かせません。とくに、高額事案を取り扱って責任を背負う必要がある一人親方は、万が一の場合に自分の身を守れるようにしておく必要があるのです。

2-5. 繁忙期を避けて決算期を決められる

法人化すると、工事が集中する繁忙期を避けて決算期を決めることができます。
繁忙期である年度末が終わってから、落ち着いて決算準備をはじめることも可能です。
個人事業主の場合は、2月中旬から3月中旬に確定申告をしなければいけません。
確定申告の時期は変えることができないため、たとえ仕事が立て込んでいても自分で書類を作成して手続きする必要があります。

とくに建設業界では、決算の前に工事を終わらせようと、2月から3月もしくは9月末までに工事が集中することが多いですよね。

毎日現場に入って仕事しなければいけないのに、帰宅後に確定申告もしなければならず、大変な思いをしたことがある人も多いのではないでしょうか。
法人化することで、事業者が自由に決算期を決められるようになり、一人親方としての繁忙期を回避したうえで決算期を決められるのです。

2-6. 社会的な信用度が増す

事業を法人化することで、「会社」としての社会的な信用度が増すのもメリットのひとつです。
社会的な信用度が増すことで、以下のような影響が期待できます。

社会的な信用度が増すことで期待できるメリット
・銀行から資金調達しやすくなる
・受注できる仕事の幅が広がる
・ゼネコンなど大手企業のクライアントの仕事を受注できる
・求人で目に留まりやすくなる など

もちろん、個人事業主である一人親方もクライアントからの信用を大切にしてきていると思います。
しかし一般的にみると、法人化して「〇〇会社」という肩書きに変わるだけで、信用度が上がるのも事実なのです。

事業拡大や事業継続するために必要な金融機関からの資金調達も、法人化している方が信用度が高いため融資が通りやすくなります。
これからさらに事業拡大しながら事業を継続して行きたい人ほど、法人化することで社会的な信用度を上げられるのです。


3. 一人親方が法人化することのデメリット5つ

法人化することのメリットを理解すると同時に、一人親方から法人化するデメリットについて理解しておくことで、法人化すべきか判断しやすくなります。

一人親方が法人化したことで、デメリットだと感じる点は、主に上記の5つです。

ここで解説していくデメリットは、法人化するうえで理解しておかなければいけない、個人事業主との違いです。
法人化しようと動き始めてから「こんなに大変だなんて」と驚かないためにも、事前にしっかりと把握しておきましょう。

3-1. 設立手続きに費用と手間がかかる

法人化は、会社を設立する際に費用と手間がかかります。
設立するための手続きは、個人事業主よりも複雑なので、注意が必要です。
設立手続きに必要な費用には、主に以下のようなものがあります。

※株式会社と合同会社の違いについては、5.一人親方が法人化するときの会社形態は2つで解説します

このように、会社を設立するだけでも、少なくとも10万円以上の費用が必要になります。そして、手続きをするために書類を作成して、法務局などに手続きに出向く手間も必要です。
費用もかかるうえに、実際に役所に出向いて書類作成や申請手続きをする時間を確保しなければいけない点は、すでに仕事をしている一人親方にはデメリットになるかもしれません。

3-2. 支払う経費が増える

メリットとしても解説したように、法人化することで経費として計上できる範囲が広がります。

しかし従業員を雇用するようになると、従業員分の経費を会社が負担するため、支払う経費が増えてしまうのです。

とくに社会保険料や生命保険料は、従業員が増えるほど会社負担が大きくなってしまい、経費の支払いが負担だと感じてしまうかもしれません。
経費の範囲が広がるということは、税金負担を軽減するメリットであると同時に、会社側が支払わなければいけない経費も増えるデメリットでもあるのです。

3-3. 事務作業や会計処理をする負担が増える

法人化すると、個人事業主よりも税金の申告が複雑になるため、事務作業や会計処理が増加します。

そのため、事業主自身ですべての事務処理と会計処理を行おうとすると、とても時間がかかってしまうのです。

法人決算は確定申告よりも複雑な手続きを踏まなければいけないため、処理をするために最低限の知識を身につけておく必要もあります。
会社を設立すると、必然と事務作業や会計処理をする負担が増えてしまうため、専門家に依頼するのが得策です。

3-4. 赤字でも法人住民税は支払わなければいけない

個人事業主の場合、赤字になった場合は住民税が0円となります。
しかし法人の場合は、たとえ赤字になった場合でも法人住民税を支払わなければいけません。
個人事業主の場合と法人会社の場合を比較すると、住民税の支払い義務に対する条件が以下のように違うのです。

個人事業主の場合は、事業が赤字になった場合は所得が発生していないと見なされるため、住民税を支払う必要はありません。

しかし、法人の場合は個人事業主とは違い、「資本金額や従業員人数によって決められた税率」が定められているため、赤字でも法人住民税を支払わなければいけないのです。
個人事業主だった間に免除されていた住民税も、会社設立したことがきっかけで、赤字でも支払い義務が発生すると覚えておきましょう。

3-5. 会社のお金をすべて自由に使えるわけではない

一人親方が法人化した場合、今まで自由に支えていたお金が、予想していたよりも自由に使えなくなるということもデメリットです。

個人事業主の場合は、事業売上から経費などを差し引いた利益は、すべて事業主が自由に使えていました。

しかし、法人化したら、売上からすべて使ってはいけません。
あなたが生活費などとして使うためのお金は、役員報酬として会社から給与・もしくは報酬として扱う必要があります。
個人事業主の時には、プライベートにも自由に使えていたお金が、法人化したことで制限されてしまうので注意しましょう。


4. 一人親方が法人化を検討すべきタイミング4つ

一人親方が法人化することのメリットとデメリットを理解できたところで、「自分は法人化を考えるべきだろうか」と気になっているかと思います。

法人化を検討すべきタイミングは、上記の4つの適切なタイミングを見極めることが重要です。
あなたが「今のタイミングで法人化すべきか」を検討できるようになるために、法人化すべきタイミングについて簡単に解説していきます。

4-1. 年間売上が1,000万円を超えたとき

個人事業主としての年間売上が1,000万円を超えると見込めたら、早いタイミングで法人化を検討しましょう。

なぜなら、売上が1,000万円を超えるタイミングで法人化することで、本来発生するはずだった消費税の支払いが免除されるからです。

本来であれば、個人事業主は、課税売上が1,000万円を超えると翌々年から消費税を支払う「課税事業者」となります。
正確には、課税売上が1,000万円を超えた2年後から、その年の売上に関係なく消費税を納税しなければいけません。

しかし、法人として会社を設立することで消費税の課税基準が「前々事業年度の売上が1,000万円を超えた場合」となります。

つまり法人設立を行うことで基準期間がなくなるため、基本的には2年間は消費税の支払い義務が発生しません。

2023年10月からのインボイス制度で課税事業者が増える!
インボイス制度が導入されることで、年間売上が1,000万円未満の場合でも課税事業者となるケースが増えてきます。 
とくに大手企業の仕事を下請けしている場合などは、仕事を受注するためには課税事業者になる必要が出てくるのです。  
インボイス制度導入によって、まだ課税事業者になっていない一人親方でも、課税事業者になるのか法人化して節税するのかの判断が必要になると覚えておきましょう。

4-2. 課税所得が900万円を超えたとき

すでに年間売上が1,000万円を超えており、消費税を納税している一人親方の場合は、課税所得が900万円を超えているかどうかを基準にすることもできます。

2-1.税金の負担が軽くなるでも解説したように、個人事業主の課税所得が900万円を超えると所得税率が法人税率を上回ってしまいます。

出典:国税庁|所得税の税率

4-3. 社会保険に加入したいとき

国民健康保険や国民年金ではなく、厚生年金を含む社会保険に加入したいと考えはじめたら法人化を検討するタイミングです。
たとえば以下のようなタイミングで、社会保険に加入したいと考えはじめるケースがよくあります。

・年収が上がり保険料が高額になってきた
・将来受け取れる年金額が不安になってきた
・失業手当金や出産手当金などの手当が必要だと感じはじめた
・従業員を雇用するので労災に入りたい など

今よりも保険料を抑えられるだけでなく、手厚い保障内容を利用できるのであれば、社会保険加入を検討したい人がほとんどではないでしょうか。
「国民健康保険では損をしている」と感じている場合は、今の事業を継続しながらも社会保険加入できる、法人化を検討してみるべきです。

4-4. 従業員を雇用して事業拡大したいとき

これから事業拡大していくために従業員を雇用していこうと考えている場合は、法人化するほうが新たな従業員を雇用しやすくなります。

もちろん個人事業主のままでも、従業員の雇用は可能です。
しかし、法人化している会社の方が、求人者にとって「社会保険加入や福利厚生完備などの好条件がある」と印象が良く、新たな人材が集まりやすい一面があります。

事業拡大していくためには、あなたひとりで事業を回していくのではなく、従業員を雇用していかなければいけません。
従業員を増やすことを考えはじめたら、あなただけではなく従業員の働く環境を整えるためにも、法人化を検討してみましょう。


5. 一人親方が法人化するときの会社形態は2つ

ここまで読み進めてきたことで、一人親方であるあなたが法人化するということを、より現実的に考えられるようになってきたのではないでしょうか。

法人化について本格的に考えはじめた場合に忘れてはいけないのが、「株式会社」と「合同会社」どちらで会社を設立するかです。

どちらの形態で会社設立するのかによって、今後の事業展開も変わってくる可能性があります。

それぞれの違いを理解して、適切な会社形態で法人化できるようにしておきましょう。

5-1. 株式会社

法人としての会社を設立すると考えると、ほとんどの人が思い浮かべるのが「株式会社」だと思います。 株式会社の特徴は以下のとおりです。

一人親方が株式会社を設立するメリットは以下のとおりです。

【株式会社のメリット】

・合同会社より社会的な認知度が高い
・株を発行して資金調達できる
・信用度が高いので融資を受けやすい

今度も事業を大きく拡大しようと考えている場合は、社会的な認知度と信用度の高い「株式会社」を選ぶべきです。
株式会社といっても、必要人数も最低1人で設立可能なため、一人親方でも株式会社を設立できます。

5-2. 合同会社

株式会社と並んで忘れてはいけないのが「合同会社」です。
合同会社の特徴は、以下のようになっています。

一人親方が合同会社を設立するメリットは、以下のとおりです。

【合同会社のメリット】

・株式会社より設立費用が安い
・株主ではなく社員が意思決定できるのでスピーディーに物事が決まる
・株式会社に移行できる

 

 

少しでも費用を抑えて法人化したい場合は、「合同会社」を選ぶのが得策です。
また、事業を小規模に維持しながら続けていきたい場合は、まずは合同会社を設立する方法もあります。
株式会社と合同会社では、費用や客先に与える印象が違うため、一人親方としてどちらを選ぶべきかじっくり考えてみてください。


6. 一人親方が法人化するときの全体的な流れ

個人事業主と法人では手続きが複雑になるため、設立までの流れだけではなく、設立後の手続きを含めた全体の流れを把握しておかなければいけません。
一人親方が法人化するときの、一般的な流れは以下のとおりです。

一人親方の法人化の流れ
1. 会社の基本事項と引き継ぎ内容を決める
2. 個人の実印の作成(印鑑証明取得)と会社の実印を作成する
3. 定款の作成と認証を受ける
4. 資本金(出資金)を払い込む
5. 登記申請書類作成して法務局で設立登記する
6. 税務署で税金関係の手続きをする
7. 年金事務所で社会保険関係の手続きをする
8.ハローワークなどで労働保険関係の手続きをする
9. 個人事業主の廃業届を提出する
10. 会社名義の銀行口座を開設する
11. 個人事業主としての資産や債権を移動する
12. 建設業許可を新たに取得する
13. 取引先への挨拶と契約変更の打ち合わせをする

上記の表をみるとわかるように、法人化するためには、法務局や税務署など関係各所に足を運び、さまざまな手続きをしなければいけません。
この中で重要なのは、以下のふたつの手続きです。

11. 個人事業主としての資産や債権を移動する
12. 建設業許可を新たに取得する

とくに、一人親方の場合は「建設業許可の取得」を忘れてはいけません。一人親方の仕事に欠かせない建設業許可は、個人事業主から法人にはそのまま引き継げないからです。

法人化して仕事をするためには、再度建設業許可申請を行わなければいけません。この申請タイミングが遅れてしまうと、個人事業主としての許可と法人の許可に空白期間ができてしまいます。

空白期間の間に一定額以上(500万円)の工事を請け負ってしまうと、懲役や罰金に課せられてしまうので注意しましょう。
さまざまな手続きが必要になる法人化だからこそ、事前に全体像を把握して行動することが大切です。


7. 一人親方を法人化する複雑な手続きは会社設立代行に任せるのがおすすめ!

一人親方が法人化するには、手間と時間が必要になってくることが分かってきたかと思います。

ただでさえ現場仕事で体力を消耗しているにもかかわらず、会社設立のために時間を割かなければいけないとなると、なかなか一歩を踏み出せない人も少なくありません。
そんな忙しい一人親方でも、会社設立代行を使って、あなた自身が動かなくても法人化することができます。

【会社設立代行とは】

会社設立代行とは、専門家が会社設立の必要書類作成から、設立手続きや諸申請までをすべて代行してくれるサービスです。  
事業主は必要最低限の書類や印鑑の用意だけで、それ以外の手続きはすべて任せられるので、時間を大きく節約できます。

専門家に会社設立代行をお願いする場合は、代行手数料が発生します。
しかし、代行手数料を加算したとしても結果的に以下のようなメリットを得られるのです。

会社設立代行を活用することで、よりスムーズに会社を設立できるだけでなく、設立費用を抑えることもできます。

「毎日、現場に行っているから会社設立について考える時間がない」という一人親方でも、安心して会社設立を任せられるのが会社設立代行なのです。
会社設立代行の代行内容や費用について知りたい方は「会社設立代行 」の記事で、より具体的に解説しているので参考にしてみてください。


8. 一人親方が法人化する時の会社設立代行先の選び方

法人化するための会社設立を代行してもらう場合、どの会社設立代行先に依頼するのかが重要になってきます。 会社設立代行サービスを提供している士業は、主に以下の4つです。

・司法書士
・行政書士
・社会保険労務士
・税理士

上記の4つの士業では、得意分野と代行できる内容が違うため、代行先を選ぶ時には注意しなければいけません。それぞれが対応可能な代行内容は、以下のとおりです。

4つの士業別!会社設立代行の内容
司法書士・会社設立の書類作成 ・定款認証代行 ・会社設立登記申請
行政書士・会社設立の書類作成 ・定款認証代行
社会保険労務士・保険関係の書類手続き ・保険関係の手続き代行
税理士・税務関係の書類作成 ・税務関係の手続き代行

上記の表をみるとわかるように、会社設立登記を代行できるのは司法書士の独占業務になっています。そのため、登記申請をしてもらいたい場合は必ず司法書士に代行をお願いしなければいけません。

しかし実際のところは、それぞれの士業が連携をとって情報を共有しながら会社設立代行してくれるサービスも増えています。

あなたが法人化して節税につなげるのであれば、税理士が司法書士と連携している代行サービスを選ぶことをおすすめします。

会社設立は「設立したら終了」ではありません。今後も事業を継続していくためには、資金面や節税を意識したうえで会社設立しなければいけないのです。
ここでは、税理士がおすすめの理由と、会社設立代行をお願いできる税理士の選び方についてみていきましょう。

8-1. 節税するなら税理士がおすすめの理由

節税を考えたうえで法人化したいと考えている人には、会社設立の段階から税理士の専門知識が必要になります。 税理士を活用すべき理由は、以下のとおりです。

会社設立代行には税理士がおすすめの理由
・適切な資本金の金額がわかる
・適切な決算期を選ぶことができる
・設立時に必要な資金調達のアドバイスがもらえる
・設立時に利用できる助成金がわかる
・会社設立後に顧問契約を結ぶことができる

現段階で法人化を考えている一人親方のほとんどが、法人化することで今よりも事業を好転させたいと感じていることでしょう。

とくに、節税を考えたうえでの法人化を検討している人も少なくありません。
新たに会社を設立する段階から、税理士にサポートしてもらうことで、大幅な節税が可能になる可能性もあります。
設立後の税務処理を視野に入れたうえで、メリットの多い税理士へ代行を依頼するのがおすすめです。

8-2. あなたを徹底サポートしてくれる税理士のポイント

はじめての法人化では、どのような税理士に会社設立代行を依頼するべきなのか判断できないかと思います。 会社設立代行をしてくれる税理士を選ぶ時には、以下の点を意識してみてください。

会社設立代行をお願いする税理士のポイント
・書類作成から申請手続きまで丸投げできる
・提供サービスや費用が明確に提示されている
・一人親方が利用できる助成金や補助金に精通している
・個人事業主からの法人化に豊富な実績がある
・問い合わせに迅速かつ丁寧に対応してくれる

なかには、会社設立に関するアドバイスはくれるけれど、実際の設立登記申請にはあなた自身が出向かなければいけないケースもあります。

しかし、上記の条件をクリアした税理士であれば、会社設立の際のあなた自身の負担が軽くなる場合がほとんどなのです。

平日だけではなく休日も現場で働いているような一人親方だからこそ、税理士選びの段階から慎重になり、あなたの負担が少しでも少なくなる代行先を選びましょう。


9. 会社設立代行なら辻・本郷 税理士法人にすべてお任せ!

法人化を考えている一人親方の会社設立代行なら、拠点数・職員数日本一を誇り、豊富な設立実績のある辻・本郷 税理士法人にお任せください。

私たち辻・本郷 税理士法人では、あなたが会社設立をするための準備から設立手続き、そして設立後までしっかりとサポートさせていただきます。

それぞれについて、わかりやすく解説していきます。

9-1. 会社設立の手続きや設立後の経理処理を丸投げできる

辻・本郷 税理士法人に会社設立代行をご依頼いただければ、会社設立に関連する手続きをまるごと代行させていただきます。

税理士としての専門知識を最大限に活用しながら設立準備を進めたうえで、司法書士と連携をとっているので、安心して設立登記手続きまでお任せください。

また、当法人と税理顧問契約を結んでいただくことで、以下のような税務・経理処理をあなたがする必要もなくなります。

平日や休日関係なく忙しくしている一人親方のあなたがするべきなのは、申込書への記入と最低限の必要書類の用意のみです。 私たちにお任せいただくことで、法人化して節税するだけでなく、会社設立後のあなたの負担を少しでも軽減することを実現します。

9-2. 累計2万件の会社設立代行の実績がある

当法人は、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国幅広いエリアで会社設立代行のサポートをしています。

その実績は累計2万件にも及び、多くのお客様の会社設立や税務関係のお悩みをサポートしてきました。 過去の実績の中でも、以下のようにさまざまな業種のお客様がいらっしゃいます。

出典:辻・本郷 税理士法人|顧客データ

一人親方のいる建設業界の実績においては、12.8%と数多くあるため、業界特有の知識も兼ね備えているのでご安心ください。

たとえば建設業の場合、一般の会社設立では気にする必要のない「建設業許可の申請」も重要になってきます。会社を設立したけれど、取得しなければいけなかった認可を申請しなければ営業はできません。

しかし、専門知識や業界での設立実績のある当法人では、あなたに必要な手続きを熟知しているのでご安心くださいね。
累計2万件に及ぶ実績がある辻・本郷 税理士法人だからこそ、法人化したい一人親方それぞれのケースにあった適切な会社設立をサポートいたします。

9-3. 設立前から設立後まで資金面を支えるサービスを徹底している

何度かお伝えしてきたように、会社設立は「設立したら終わり」というわけではありません。むしろ、法人化した後に、どのように事業を展開していくのかによって、本当に節税できるのかどうかが変わってくるのです。
当法人では、設立後で多くの事業主様がお悩みになる資金面のサポートにも力を入れています。

資金面を支えるサービスの例
・会計や税務の相談
・税務関係の届出書の作成
・法改正に関する情報提供と対策
・決算や納税のシミュレーション
・決算書などの作成
・会計帳簿の記帳代行
・税務調査の対応
・助成金や補助金活用のアドバイス
・予算や事業計画の策定
・相続対策や事業承継対策 など

提供しているサービスがこれだけあるということは、会社経営していくうえで、上記の項目に関して事業主が考えていかなければいけないことを意味します。

税務関係についてしっかり考えておかなければ、会社設立後に税金関係で困ってしまうかもしれません。

自分の会社設立は、一生のうちに何度も行うものではありません。
事業を法人化することは、あなたのキャリアのなかでも大きな一歩になります。
まずは無料相談で、本当にあなたが会社設立するべきかを一緒に判断させていただきます。
はじめての法人化で後悔しないためにも、ぜひ私たち辻・本郷 税理士法人にすべてお任せください。

会社設立代行なら
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10. まとめ

この記事では、建設業界などで一人親方として働いている方が法人化することのメリットとデメリットと、法人化の流れについて解説してきました。

◎一人親方が法人化するメリット

・税金の負担が軽くなる
・経費にできる範囲が広がる
・社会保険に加入できる
・万が一倒産しても出資額を返済するだけで済む
・繁忙期を避けて決算期を決められる
・社会的な信用度が増す

とくに以下のタイミングにある一人親方は、早い段階で法人化を検討すべきです。

◎一人親方が法人化をするタイミング

・年間売上が1,000万円を超えたとき
・課税所得が900万円を超えたとき
・社会保険に加入したいとき
・従業員を雇用して事業拡大したいとき

一人親方が適切なタイミングで法人化して会社設立をすることで、個人事業主よりも大幅に節税することが期待できます。

しかし、法人化するための手続きは個人事業主よりも複雑になっているため、無理して自分自身で行おうとすると会社設立後に後悔してしまうかもしれません。
会社設立で後悔しないためにも、一人親方の代わりに手続きを丸ごと代行できる、辻・本郷 税理士法人の会社設立代行にご相談ください。

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