「会社を設立するのに安心して相談できる先はないだろうか?」
「会社設立の相談を専門家にしたいけれど費用がかかりそうで心配……。どれぐらいかかるのだろう?」
会社を作ろうと検討されている方の中には、このように悩まれる方も多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、会社の設立について相談する先としては、以下のように大きく分けて2通りの窓口があります。
・法務局や商工会議所・商工会などの公的な窓口(無料)に相談する ・税理士や弁護士などの専門家(有料)に相談する |
ここで注意したいのは、上記の窓口は会社設立の全ての相談を受けられるわけではなく、内容によって、対応できるものと対応できないものがあるという点です。
例えば法務局では、会社の登記方法や登記に関する必要書類について具体的なアドバイスをしてくれますが、会社設立に必要な資金調達や税金の相談などには応じてくれません。
そのため第三者への相談にあたっては、どのような内容をどの窓口にすればいいのかを正確に見極めることが大切です。
そこで今回の記事では、無料・有料のものを含めて「どこに・何を相談したらいいのか」について、一通りご紹介していくことにします。
今回の記事でわかること |
・会社設立の相談ができる窓口一覧【有料・無料】 ・それぞれ窓口で相談するメリット・注意点 ・有料窓口&無料窓口の選び方 ・会社設立代行業者の選び方 など |
この記事をお読みいただければ、どの窓口がどのような相談に対応してくれるのか、費用相場はどれぐらいなのかについて把握することができます。
また、自力で対応するのが難しいと感じた場合は、会社設立をしてくれる代行業者への依頼も有効です。その際の、代行業者の選び方についてもご紹介していきますので、参考にしてみてくださいね。
会社設立に対する不安を、ご一緒に払拭していきましょう!
目次
1.【一覧】会社設立の相談窓口・費用・相談内容を紹介
冒頭でもご紹介した通り、会社設立の相談は、公的な相談窓口であれば無料で相談が可能です。
一方、税理士や弁護士、司法書士、行政書士など士業へのご相談は、有料になります(初回相談のみ無料のところもあり)。
但し、各相談先にはそれぞれ対応可能な得意分野があり、相談内容によってはいくつかの相談窓口をまたいで利用した方がいいケースもあります。
以下に各相談窓口の詳細を一覧でまとめましたので、まずはご覧いただき、ご自身が悩まれている内容がどこに当てはまるのかを把握してみましょう。
【無料相談窓口の一覧】
相談先 | 相談できる内容・解決できること | 相談時間 | 費用相場 |
法務局 | 法人登記ができる窓口 会社設立の全般的な相談:✕ | 20分 | 無料 |
商工会議所・商工会 | 創業・起業について幅広く相談できる窓口 会社設立の全般的な相談:◯ 【相談内容の具体例】 | 25分もしくは50分 | 無料 |
日本政策金融公庫 | 創業・起業の相談と融資制度について相談できる窓口 会社設立の全般的な相談:△ 【相談内容の具体例】 | 約1時間 | 無料 |
法人設立に関する行政手続きが一か所できる ※東京都内で法人を設立予定の方のみ利用可 会社設立の全般的な相談:◯ | 記載なし | 無料 |
【有料相談窓口の一覧】
※費用は会社設立時必ずかかる費用(印紙代・謄本代など)を除くものを表示
相談先 | 相談できる内容・解決できること | 費用相場 |
税理士 | 税務の観点から会社設立のアドバイスができる窓口 会社定款の作成と認証:✕ 【相談内容の具体例】 | 5~10万円前後
|
弁護士 | 会社設立に関する幅広い相談と手続きができる窓口 会社定款の作成と認証:◯ 【相談内容の具体例】 | 20万円前後 |
行政書士 | 会社設立に関する幅広い相談と一部手続きができる窓口 会社定款の作成と認証:◯ 【相談内容の具体例】 | 5~10万円前後
|
司法書士 | 会社設立に関する幅広い相談と一部手続きができる窓口 会社定款の作成と認証:◯ 【相談内容の具体例】 | 20~30万円 |
社会保険労務士 | 社会保険の相談・手続きができる窓口 会社定款の作成と認証:✕ 【相談内容の具体例】 | 2~17万円 |
中小企業診断士 | 中小企業向けの経営相談や助成金・補助金の相談ができる窓口 会社定款の作成と認証:✕ | 10万円~ |
上図をご覧いただくとわかるように、一言で会社設立の「専門家」といっても、まずは「無料」か「有料」かの選択肢があり、さらに専門家によってはサポートできる部分とできない部分があることがわかりますね。
そのため、あなたが会社設立にあたってどのような部分で支援を受けたいのかを考え、それぞれ適した窓口に相談することが大切です。
あなたの悩みに適した窓口を選び、大切な時間とお金を無駄にしないようにしましょう。
次章からは、各専門窓口の詳細を見ていきます。
2.【無料】法務局
引用:法務局
会社設立の相談として多くの方が考えるのが、「法務局では創業や企業関連の相談に応じてくれるのだろうか?」といった疑問ではないでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
2-1.相談できること・相談方法・向いている人
ここでは、法務局に相談できることと相談方法、どんな方が向いているかなどについてご紹介します。
<法務局で相談できること>
ここで相談できるのは、会社の設立にあたり必要となる「法人登記」の手続き(下図【STEP4】参照)に関する事項です。
会社を作るにはどんなステップが必要? |
そもそも会社を作るには、以下のような4つのステップを踏む必要があります。 株式会社、合同会社など会社の種類により、一部ステップが異なりますが、ここでは株式会社のケースで見ていくことにします。 【STEP1】会社の定款を作る 会社情報や会社で取り決めた規則についてまとめた「定款」を作る 【STEP2】公証役場にて定款認証を受ける 【STEP3】資本金を払い込む 【STEP4】法務局で法人登記を行う 【STEP5】無事新しい会社のスタート |
となります。
冒頭で法務局に相談できる内容として、「法人登記」の手続きだとお伝えしましたが、具体的には、
・法人登記申請書の様式について
・法人登記申請の一般的な記載事項について
・添付すべき必要書類について など
についての詳しい相談が可能です。
相談する際は、新しく設立する予定の会社所在地を管轄する、法務局窓口に一度問い合わせてみましょう。
<法務局への相談方法>
以下の3通りから選ぶことができます(いずれの方法も事前予約が必要)。
・対面 ・電話 ・WEB |
電話やWEBが利用できるので、法務局まで出向く時間がない方にとっては便利ですね。
対面および電話の場合は、下記の予約専用番号にてあらかじめ日時予約をします。
予約当日は、法務局職員から連絡が来る仕組みになります。
登記電話案内室 03-5318-0261 |
WEBの場合は、「法務局手続き案内予約サービス」にて当てはまるエリアを選択後、希望日時を予約します。
<法務局が向いている人>
・会社の法人登記の手続きをしたい方
・法人登記の手続き方法や書類に記載されている事項について詳しく尋ねたい方
2-2.注意点
法務局では、法人登記以外の会社設立の相談は一切できませんので、注意が必要です。
法人登記の内容であっても、例えば以下のような個別ケースに関しての対応は不可能です。
・申請書類が正しいかどうか事前に確認してほしい
・登記原因に関する事実や契約内容が有効かどうか判断してほしい
・個別ケースに応じたアドバイスがほしい
また、相談時間も1回につき20分と定められているため、限られた時間の中で話を進める必要があります。
このような状況から、法務局で相談できる内容は限定的であることを予め知っておき、法人登記以外の内容について尋ねたいことがある場合は、他の窓口を利用するようにしましょう。
3.【無料】東京商工会議所
引用:東京商工会議所
次に商工会議所・商工会で会社設立の相談をする際の、メリット・注意点について見てみましょう。
今回は、東京商工会議所を例に取ってみます。
※日本全国に各エリアの商工会議所が設置されていますが、エリアによって「創業支援」もしくは一般的な「経営相談窓口」という形で相談を受けています。
無料の窓口相談が多いので、ぜひ活用してみましょう。
あなたがお住まいのエリアで商工会議所を探す場合は、こちらをご参照下さい。
3-1.相談できること・相談方法・向いている人
東京商工会議所に相談できることと相談方法、どんな方が向いているかなどについてご紹介します。
<東京商工会議所で相談できること>
創業や起業をしたい方に向けて、「創業支援センター」という無料相談窓口を設けています。
以下のようなご相談がある方は、ぜひ連絡してみることをお勧めします。
・創業や起業するためにはどんな手続きが必要なのか知りたい ・公的な融資制度を紹介してもらいたい ・創業時の事業計画書の作成方法を知りたい ・資金調達の方法を知りたい |
会社定款を作成したり、認証したりなどの実際の手続きはできませんが、手続きのために用意すべきポイントについてアドバイスしてもらえます。
<東京商工会議所への相談方法>
以下の2通りから選ぶことができます(いずれの方法も事前予約が必要)。
<創業・起業窓口相談> 平日10時~16時 創業や起業にまつわる全般的な悩みを相談できます。 ・対面 ・WEB いずれも事前予約制です。ご予約はこちらからできます。 問い合わせ番号:03-3283-7767 |
<窓口専門相談> 平日9時30~12時30分、13時30~16時30分 ・対面 いずれも事前予約制です。ご予約はこちらからできます。 なおこちらは会員サービスになります。 |
<東京商工会議所が向いている人>
・創業や起業全般について悩みのある方
・会社設立までの手続き方法や受けられる融資制度の紹介、資金調達の悩みなど幅広く相談したい方
3-2.注意点
相談時間が限られていることがデメリットです。
相談内容によって、25分もしくは50分の枠で対応してくれます。
また、相談したい士業の相談員が年中無休で対応しているわけではなく、曜日によって変わるため、いつでも気になったタイミングで相談することが難しいのもネックです。
※参考までに、相談の実施スケジュールはこちらでご確認いただけます。
但し予めしっかり予定調整しておけば、創業・起業に関する様々な相談を無料でしてもらえるため、とても心強い存在だと言えるでしょう。
4.【無料】日本政策金融公庫
引用:日本政策金融公庫
次に、 日本政策金融公庫で会社設立の相談をする場合を見てみましょう。
4-1.相談できること・相談方法・向いている人
日本政策金融公庫に相談できることと相談方法、どんな方が向いているかなどについてご紹介します。
<日本政策金融公庫で相談できること>
こちらでもやはり、創業についての相談を無料で受けてくれます。
具体的な相談内容として、特に以下の事柄についてアドバイスをしてくれます。
・創業計画書の作成方法 ・融資制度の紹介 ・資金調達の方法 ・業種に応じたアドバイス ・先輩創業者の事例紹介 など |
特に融資制度については、個人企業や小規模企業向けの融資制度を用意しているため、具体的な申請手続きや融資までの流れについて、解説してもらえるでしょう。
<日本政策金融公庫への相談方法>
相談形態としては以下3通りから選ぶことができます。
・創業ホットライン(0120-154-505 平日9時~19時) |
来店およびWEBに関しては、中小企業診断士などの専門家がたっぷり1時間の枠で相談に応じてくれるため、安心して臨むことができます。
また来店タイプに関しては、以下の窓口での対応が可能です。
名称 | 窓口の所在地 | 対応時間 |
ビジネスサポートプラザ | 東京・名古屋・大阪 | 【東京】03-3342-3831 平日土日9~17時(12時~13時を除く) ※毎月第1・第3日曜日(祝日を除く) 夜間毎週木曜17~20時 【名古屋】052-561-6316 平日土9~17時(12時~13時を除く) ※祝日を除く
|
創業サポートデスク | 日本全国で対応 | 対応時間は各窓口に問い合わせて下さい |
まずは事前予約を取った上で、相談の時間を有意義に使えるよう、予め質問事項をまとめておくといいかもしれません。創業について少しでも不安や疑問点がある方は、ぜひ活用してみることをお勧めします。
<日本政策金融公庫が向いている人>
・資金調達や融資制度について詳しく知りたい方
・創業計画書の作成に自信のない方、プロのチェックを受けたいと考えている方
・自分の業種に応じたアドバイスが欲しい方
・資金計画や資金調達の相談をしたい方
4-2.注意点
平日や週末も相談窓口が対応しているとはいえ、相談時間が1時間と限られている点がデメリットだと言えるでしょう。
とはいえ、創業や起業に関する悩みを専門家に聞いてもらえる機会を多く提供してくれているので、ご自身のスケジュールを上手に調整して、こちらの窓口を積極的に活用してみるのもいいでしょう。
5.【無料】東京開業ワンストップセンター
東京都と内閣府が協力して立ち上げた、起業を考えている方向けのセンターです。
5-1.相談できること・相談方法・向いている人
東京開業ワンストップセンターに相談できることと相談方法、どんな方が向いているかなどについて見ていきましょう。
<東京開業ワンストップセンターで相談できること>
日本で会社を設立したいと考えている外資系企業やベンチャー企業などが、会社設立や事業スタートをスムーズに切れるよう、以下のような行政上の手続きをワンストップで行うことができます。
・会社定款の認証手続き ・法人登記の手続き ・税務関連の手続き ・年金、社会保険関連の手続き ・入国管理の手続きなど |
通常であれば、会社定款の認証手続きは公証人役場へ足を運んだり、法人登記であれば法務局へ行くべきところを、一か所で全て手続きを済ませることができるので、大変便利です。
上記のような手続きに加え、各省庁から派遣されてきた相談員たちに創業や起業についての相談をすることも可能です。
相談に応じながら申請書類の受付サポートまでの面倒を見てくれるので、安心して依頼できます。
また日本語だけでなく、英語・フランス語など多言語(英語以外の外国語は事前に要相談)での通訳サポートを提供している点も、このセンターの大きな特徴でしょう。
<東京開業ワンストップセンターへの相談方法>
相談方法は、以下4つより選ぶことができます。
・対面 ・電話 ・メール ・テレビ電話 |
上記いずれも事前予約が必要なので、関心のある方はまずはこちらから予約を取るようにしましょう。
<東京開業ワンストップセンターに向いている人>
東京都内で起業することを前提に、
・多忙で多くの時間を割けないため、一か所で複数の手続きを終えたいと考えている方
・日本語だけでなく英語やフランス語など多言語で起業サポートを受けたい方
5-2.注意点
何度でも無料で相談できますが、相談には事前予約が必要です。
相談してみたいと思われた方は、まずは予約を取ることをお勧めします。
【東京開業ワンストップセンター】
ここまで会社設立の相談窓口として、無料で相談できる公的機関をご紹介してきましたが、他にも士業(税理士、弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士など)の専門家に相談する方法もあります。
いずれも有料にはなりますが、初回の相談は無料で受けてくれるなど、専門家によってはルールも様々です。
次章では上記の専門家について、
・どのようなことを相談&解決できるのか
・費用はどれくらいかかるのか
などの情報を詳しく見ていくことにしましょう。
6.【有料】税理士
複数ある士業の中でも、税理士は「お金の専門家」だと言えるでしょう。
税理士の役割として、会社の納税相談や各種補助金申請のアドバイス、税務署へ提出する書類作成など、お金に関する様々な業務を担ってくれます。
詳しく見ていきましょう。
6-1.相談できること・相談方法・向いている人
<税理士に相談できること>
会社設立に関する税務関連の書類作成、届出代行ができます。
会社設立にあたり、税務署に届ける税務関連の書類の作成を依頼できます。
また、届出の代行もしてくれるため、依頼者は煩雑な事務に足止めされることなく、本業に集中することができます。
さらに会社設立後も、資金面や助成金の相談、税務や財務に関する顧問としても、定期的かつ長期的なサポートをお願いできます。
特に会社設立時には、決めなければならない多くの金銭関連の問題が出てきます。
税金の知識が1つもないまま、一から自力で対応すると、のちのちの納税額に大きく関わってくる(下記の事例を参照下さい)こともあるため、早い段階から税理士に相談しておくとメリットが大きいのです。
会社設立前の段階から納税対策の相談や対応ができる! | |
会社設立前に以下の事項について税理士に相談することで、のちのちの納税も踏まえた適切なアドバイスを仰ぐことができます。
・役員報酬をいくらにするのか ⇒役員報酬の額により法人税の負担が変わる
|
上記の点を考えても、税理士に会社設立について相談するのはメリットが大きいと言えるでしょう。
<税理士への相談方法>
それぞれの税理士事務所にもよりますが、多くの事務所では次のような相談方法を用意しています。
・対面 ・電話 ・メール ・オンライン面談 など |
実際に相談される場合は、あなたの依頼しようと考えている税理士事務所に、事前に確認してみることをお勧めします。
<税理士への相談に向いている人>
・会社設立時の税務関連のサポート&アドバイスが欲しい方
・納税関連の書類作成や届出業務をお任せしたいと思われている方
6-2.注意点・費用
<税理士に相談する際の注意点>
仕事を依頼するにあたり、有料となる点です。
また、法人登記(会社を設立した際、法務局に届け出る手続きの事)ができない点も挙げられます。
但し税理士事務所によっては、初回の相談料は無料としているところも多くありますので、ぜひ活用してみましょう。
また、法人登記ができる司法書士と協力することで、「会社設立のサポート」を打ち出している整理士事務所も数多く存在します。
そのため相談先を選ぶ際は、あなたがどの作業までを税理士に依頼したいのかをきちんと把握しておき、ご自分に合ったところを選ぶといいかもしれません。
<費用>
税理士への依頼料は、相場で5~10万円程度となっています。
会社設立場合は、この他にも以下のような費用が共通でかかります。
※定款認証印紙代40,000円は、電子定款での手続きの場合は不要です。
いざという時に慌てないよう予め頭に入れておくといいでしょう。
7.【有料】弁護士
弁護士に会社設立の相談をすることもできます。
弁護士は会社設立にあたっての様々な法律に明るいため、法的な観点から見た助言をしっかりしてくれます。
また弁護士は、税理士や行政書士、司法書士や社会保険労務士が専門とする仕事を、全てこなすことができます(法律により他の士業の独占業務を遂行することを許可されています)。
但しその分の費用が多くかかることがあります。
早速見てみましょう。
7-1.相談できること・相談方法・向いている人
<弁護士に相談できること>
弁護士に相談できる主な内容は以下の通りです。
①法務局への登記申請の代行ができる
弁護士は司法書士同様、法務局への登記申請の代行ができます。
この代行業務は、数ある士業の中でも弁護士と司法書士のみしか認められていません。
そのため、手続きごとに複数の相談先を掛け持ちするのが大変だと感じる方は、初めから弁護士に依頼することで、スムーズに手続き作業を進めることができます。
②法律の観点から法人設立への助言ができる
法律の観点から、会社設立についての有益な助言ができるのも強みです。
これから行おうとしている業務内容が法に触れないかどうか、また、例えば権利問題などで他社と争いに発展しそうな場合、どのような対策を立てればリスクを避けることができるのかなど、法律をベースにした的確な対応を相談することが可能です。
③会社設立に必要な書類作成や手続き代行を依頼できる
定款作成や定款認証の代行など、会社を設立する上で必要となる書類作成と手続き代行を依頼することができます。
初めて会社を作る方にとって、このような煩雑作業は大きな負担になることでしょう。
その点、弁護士に一切を任せることができれば、本来の業務に集中することができて、手間もかかりません。
また会社設立後、顧問弁護士が必要になった時でも、会社設立から携わってきた弁護士であれば、社内の事情にも精通していることで、スムーズな関係が築けることでしょう。
➃納税関連書類の作成ができる
弁護士は税理士と同様、納税関連の書類作成や手続き代行をすることができます。
但し弁護士が税理士の業務を行う際は、国税局長にその旨を通知する必要があります。
【税理士法 第51条】 弁護士は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができる。 |
そのため、もし弁護士に上記業務を依頼したいとお考えの場合は、まずは事前に相談されることをお勧めします。万が一、税務関連の業務までカバーできないようであれば、改めて税理士に依頼する必要があるでしょう。
④社会保険関連の手続きができる
社会保険関連の書類作成や届出代行を、一任することができます。
通常、上記業務は、社会保険労務士の独占業務になりますが、弁護士でも代行できます。
但し、実際こうした社会保険関連の手続きをメインに行っている弁護士は、そこまで多くいません。
とはいえ、会社設立後に必ず発生する健康保険・雇用保険への加入手続き、従業員への給付金手続きや各種助成金の申請など、社会保険関連の手続き作業でトラブルにぶつかった際は、すぐに相談できる心強い存在となってくれるでしょう。
<弁護士への相談方法>
それぞれ弁護士事務所にもよりますが、多くの事務所では次のような相談方法を用意しています。
・対面 ・電話 ・メール ・オンライン面談 など |
弁護士事務所に依頼する場合は、どのような連絡手段があるかをまずは確認してみましょう。
<弁護士への相談が向いている人>
・法人登記作業の代行をお願いしたいと考えている方
・法律家の立場から法人設立の助言が欲しい方
・会社約款など設立時の書類作成や手続き代行を依頼したい方
7-2.注意点・費用
<弁護士に相談する際の注意点>
費用がかかる点がデメリットだと言えます。
しかし会社設立の準備として、本来自分一人でやるべき様々な業務から解放されることで、多忙な本業に集中して取り組めるのは大きなメリットだと言えるでしょう。
<費用>
弁護士への依頼費用は、20万円前後となっています。
この他、前項でも述べた通り、会社設立に関して全員が共通でかかるコストが、22~24万円程度となります。
8.【有料】行政書士
行政書士に依頼することも可能です。
行政書士の一番大きな特徴は、飲食業や建設業などの許認可が必要な業種に代わり、申請作業を代行してくれることです。
この他にもどのようなことが相談できるのか、詳しく見ていきましょう。
8-1.相談できること・相談方法・向いている人
<行政書士に相談できること>
行政書士に相談できる主な内容は、以下の通りです。
①許認可業の申請代行ができる
行政書士の最も大きな特徴として、許認可業の申請代行ができます。
飲食業や建設業、運送業など多くの現場では、仕事をする上で様々な許認可を取得する必要があります。
例えば運送業一つとっても、以下のような認可が必要になります。
【運送業の開業にあたり必要となる認可例】
・旅客自動車運送事業許可申請 ・貨物自動車運送事業許可申請 ・特殊車両通行許可申請 ・貨物軽自動車運送事業許可申請 ・自動車運行代行業の認定申請 引用:日本行政書士会連合会 |
上記のような複数の許可申請を1人で行うには、手間と時間がかかることがおわかりいただけますね。
この点行政書士に依頼すれば、業務に必要な許可申請を請け負ってくれるだけでなく、開業にあたっての様々なアドバイスや指導を受けることができます。
②会社設立に必要な書類作成や手続き代行を依頼できる
行政書士も、定款作成や定款認証の代行など、会社を設立する上で必要となる書類作成と手続き代行を行うことができます。
仕事にまつわる許可申請だけでなく、会社設立の根幹となる手続きに関しても一緒に任せることができるため、相談する窓口が絞られて混乱せずに済みます。
<行政書士への相談方法>
行政書士事務所によっても異なりますが、多くの事務所では主に次のような相談方法で対応してくれます。
・対面 ・電話 ・メール ・オンライン面談 など |
忙しい方でも充分にご相談していただける環境が整っています。
ぜひ気になる行政書士事務所がありましたら、一度連絡を取ってみましょう。
<行政書士への相談が向いている人>
・許認可手続きの申請をプロに依頼したい方
・会社約款の作成サポートや認証代行を依頼したい方
8-2.注意点・費用
<行政書士に相談する際の注意点>
費用がかかることがデメリットです。
さらに、司法書士や弁護士のように、法人登記の代行ができないため、行政書士への依頼だけだと会社設立に必要な根幹作業が完了できないことも、ネックだと言えるでしょう。
<費用>
大体の費用目安として、5万~10万前後を見ておくといいでしょう。
費用がどうしても気になる方は、最初の相談時にどれぐらい費用がかかるのか、きちんと尋ねてみることをお勧めします。
9.【有料】司法書士
司法書士は弁護士同様、法務局で登記申請の代行ができることが大きな特徴です。
その他にも、会社の所在地や商号、事業内容などが変更になった際の、会社情報の登記手続きも司法書士であれば可能です。
このように登記申請に大きな役割を持つ司法書士ですが、その他一体どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
9-1.相談できること・相談方法・向いている人
<司法書士に相談できること>
司法書士に相談できることとしては、主に以下の2点が挙げられます。
①法務局への登記申請の代行ができる
法務局への法人登記の申請代行ができます。
他にも、会社の商号や所在地、事業内容などが変更になった際は、登記の変更作業が必要です。このような時も、司法書士であれば対応可能なので、安心して任せることができます。
②会社設立に必要な書類作成や手続き代行を依頼できる
司法書士も、会社の定款作成や定款認証の代行が可能です。
会社設立の手続きの専門家として、豊富な経験と知識を持ち合わせているため、書類の記載ミスや漏れがないように対応してくれます。
<司法書士への相談方法>
司法書士への相談方法は、次のような手段があります。
・対面 ・電話 ・メール ・オンライン面談 など |
各司法書士事務所によって、相談方法は異なります。
ご連絡の際は、あらかじめ連絡手段を調べて動かれることをお勧めします。
<司法書士への相談が向いている人>
・法人登記の代行を依頼したい方
・会社約款、定款認証の代行を依頼したい方
9-2.注意点・費用
<司法書士に相談する際の注意点>
費用がかかるのが難点です。
費用が気になる方は、法務局の法人登記申請は自力でも行うことができますが、書類作成などでミスが発覚した場合、また初めからやり直さなければならないこともあります。
特に会社設立の時期というのは、事業が軌道に乗ってきて、本来の業務だけでも大変忙しいタイミングであることが多いでしょう。
そのような時に会社の設立手続きに時間を取られてしまうと、経営者の方にとっても大きなストレスになってしまいますよね。
多少費用がかかっても、ここは一度専門家に依頼することで、確実に設立準備を進めてもらう方がいいかもしれません。
<費用>
司法書士へ依頼した場合、20~30万円ほどの費用がかかります。
司法書士事務所によっても多少のばらつきがあるようなので、予算を少しでも抑えたい方は、複数の事務所に尋ねてみて、納得のいく価格で選ぶといいでしょう。
10.【有料】社会保険労務士
社会保険労務士は、会社設立の直接的な手続き(設立のための書類作成や認証、登記代行など)に関わることはできませんが、設立にあたって加入義務の生じる各種社会保険の手続き、年金、労災関連ついての助言や、書類作成・手続きのサポートを提供してくれます。
詳しく見ていきましょう。
10-1.相談できること・相談方法・向いている人
<社会保険労務士に相談できること>
社会保険労務士へは、主に以下2点について相談することができます。
①健康保険、雇用保険、厚生年金、労災保険・労務管理などのアドバイスが受けられ、加入手続きを依頼できる
社会保険労務士は、「社会保険・年金・労務管理の専門家」です。
そのため、会社設立にあたって従業員の雇用保険や健康保険の内容が気になる方や、就業規則などで相談したい方などは、社会保険労務士に相談するといいでしょう。
さらに社会保険労務士は、以下の制度について実際の書類作成や手続き代行ができます。
・健康保険 ・雇用保険 ・厚生年金 ・労災保険 |
上記いずれも、会社を経営していく上で必須となる項目です。
このような手続きは、経営者自らが年金事務所に行き、手続きをすることも可能です。
しかし用意すべき書類の取得や書類の作成作業に時間を割かなければならず、事業で多忙な方にとっては大きな負担を感じるかもしれません。
【例えば健康保険&厚生年金保険の届出をする場合は】
以下の書類を用意する必要があります。 ・法人登記簿謄本の原本(コピー不可、発行から90日以内のもの) ・法人登記と実際の事業の場所が異なる場合は所在地の確認できる書類(賃貸借契約書の写し等) ・健康保険・厚生年金保険 被保険者新規適用届 など 参考:日本年金機構 |
このように考えると、会社設立時から従業員が安心して働ける職場をスムーズに整えるためにも、早い段階から社会保険労務士のサポートを受けて、経営者の負担を軽くするのもいいでしょう。
②雇用についての助成金や補助金の相談ができる
社会保険労務士は、雇用についての助成金や補助金について多くの情報を持っているため、都度相談して適切なアドバイスを仰げるのもメリットです。
助成金や補助金は多くの種類が提供されていますが、情報を知らないままでいるとせっかくの恩恵を逃してしまうことになります。
活用できるものはできるだけ活用して、会社の経費を少しでも抑えるためにも、こうした助成金や補助金の情報が貴重です。
社会保険労務士であれば、情報の取りこぼしもなく、公的援助を最大限活用できるサポートをしてくれます。
<社会保険労務士への相談方法>
社会保険労務士への相談方法も、以下のような手段があります。
・対面 |
ご自身が連絡を取ろうと思われている社会保険労務士事務所が、どの方法で対応してくれるのかを確認しておきましょう。
初回相談は無料の所も多いので、その点を調べた上で安心して面談予約を入れてみて下さい。
<社会保険労務士への相談が向いている人>
・会社設立後に社会保険の相談や手続きをお願いしたい方
・従業員を雇用する際の助成金や補助金の相談をしたい方
10-2.注意点・費用
<社会保険労務士に相談する際の注意点>
①費用がかかる
相談するにあたり、費用がかかります(初回は無料の所が多い)。
費用は各事務所によっても多少異なるため、いくつか調べてみて納得のいくところに依頼するといいかもしれません。
②会社定款の作成や認証、法人登記の申請はできない
弁護士や司法書士、行政書士のように会社定款の作成や認証代行はできません。
また法人登記の代行手続きもできません。
上記のような業務をお願いしたい場合は社会保険労務士では難しいので、他の専門家をあたるといいでしょう。
但し多くの事務所を見ると、複数の専門家たちが協力して会社設立のサポートをしているところも多数存在します。
そのため、あなたの探した社会保険労務士が、このような別の士業専門家との協力体制を組んでいるかどうかを確認するのもいいかもしれません。
<費用>
2万円~17万円ほどとなります。
担当する業務によっても大きく変動するため、気になる方は直接見積もりを取ってみましょう。
11.【有料】中小企業診断士
中小企業診断士はその名の通り、中小企業の経営状態を診断し、必要な経営課題を見つけだし、改善案を提供してくれる専門家です。
そのため、会社設立に関わる実務はできませんが、経営についての細やかな相談をすることができます。
詳しく見てみましょう。
11-1.相談できること・相談方法・向いている人
<中小企業診断士に相談できること>
始業にあたり、融資制度や助成金の相談などができます。
一言で融資制度と言っても数多くの融資制度があり、一体どの制度に応募できるのか混乱する方も多くいらっしゃるかもしれません。
例えば、創業する方が多く利用している日本政策金融公庫の融資制度だけでも、創業者のそれぞれの事情に応じて、以下のような複数の融資制度があります。
引用:日本政策金融公庫
この中で自分がどの制度を利用できるのか、融資制度の併用は可能なのか、さらに国の融資以外にも他に活用できる制度はあるのかなど、様々な疑問を抱くことでしょう。
このような時に中小企業診断士であれば、会社の状況をきちんと把握した上で、利用できる融資制度や助成金のアドバイスをしてくれます。
また、設立後も定期的なサポートを受けることで、会社の問題点や改善点をアドバイスしてくれるため、安心して会社経営を続けていくことができます。
<中小企業診断士への相談方法>
中小企業診断士への相談方法も、他の士業と同じように以下の手段があります。
・対面 ・電話 ・メール ・オンライン面談 など |
あなたのご都合に合わせて、利用できる相談方法でコンタクトを取ってみるといいかもしれません。
初回は無料だったり、時間制限を設けているところもあります。
どのようなルールになっているのか、気になっている事務所がありましたら、事前に一度調べてみましょう。
<中小企業診断士への相談が向いている人>
・融資制度や助成金の相談をしたい方
・経営についてコンサルティングを受けたい方
11-2.注意点・費用
<中小企業診断士に相談する際の注意点>
以下2つの注意があります。
①費用がかかる
相談やサポートを受けるにあたり、費用がかかることがデメリットです。
そのため「中小企業診断士のサポートを受けたいけれど、どのようなことが解決できるか不安」と思われる方は、まずは国や自治体が用意している無料相談窓口で、中小企業診断士と相談できる機会を作ってみてもいいでしょう。
「3.【無料】東京商工会議所」や「4.【無料】日本政策金融公庫」でも、それぞれ中小企業診断士と相談できる機会を設けています。
まずは予約をしてみて、どの程度の相談ができるのかを知った上で、改めて個別でサポートの依頼をするのもいいかもしれません。
②会社定款の作成や認証、法人登記の申請はできない
会社定款の作成や認証、法人登記の申請はできません。
会社設立に必須となるこうした作業を依頼したい場合は、司法書士や弁護士、行政書士などの専門家に依頼する必要があるので注意しましょう。
<費用>
相談料として10万円以上の費用がかかります。
創業したばかりの会社にとっては、思ったよりも負担となる額かもしれませんので、依頼の際はきちんと見積もりを確認した上で依頼するようにしましょう。
12.有料か無料か?窓口相談先を決めるポイント
ここまで会社設立時の相談先として、無料窓口と有料窓口の解説をしてきましたが、「結局どこの窓口に相談すればいいの?」と戸惑われている方もいらっしゃることでしょう。
無料窓口を利用するか、有料窓口を利用するかは、以下の判断基準を参考に選んでみましょう。
【無料か有料か?利用する窓口の判断基準】
●どこから手を付ければいいのかわからないので、とりあえず初歩の段階で専門家と話したい ●できるだけ費用を抑えたいので、公的窓口を活用したい 無料相談窓口がお勧め ●その後の顧問契約につなげたいので、会社設立時から相談したい 有料相談窓口がお勧め |
詳しく見ていきましょう。
12-1.無料相談窓口がお勧めの方
まずは無料相談窓口がお勧めの場合をご紹介します。
【どこから手を付ければいいのかわからないので、とりあえず初歩の段階で専門家と話したい】
「会社を設立したい!でもどこから手を付ければいいのかわからない!」とお困りの方は、今後の手順ややるべきことを整理するためにも、まずは無料相談窓口に相談されることをお勧めします。
「1.【一覧】会社設立の相談窓口・費用・相談内容を紹介」でもご紹介したように、無料で相談できる窓口は以下のようなものがあります。
【会社設立の相談を無料でできる窓口】
・法務局 ・商工会議所 ・日本政策金融公庫 ・東京開業ワンストップセンター |
この中でも、次の2か所では会社設立の準備の進め方について専門家の助言を受けることができるのでお勧めです。
・商工会議所や商工会
⇒例えば東京商工会議所を見てみると、東京都23区内で操業する方に対し、以下のような相談に応じています。
創業・起業準備の進め方 業種・業態選び 資金計画や経営計画 創業・起業に必要な各種申請や届け出 公的融資や補助金・助成金の申請手続き など |
上記の相談に対して、中小企業診断士などの専門家が無料で応じてくれます。
・日本政策金融公庫
⇒「創業前支援」「創業時支援」「創業後支援」と3つのフェーズに分け、それぞれの悩みに応じて中小企業診断士などの専門家が、1時間無料で話を聞いてくれます。
特に「創業前支援」では、創業に向けてのアドバイスや情報を幅広く提供してくれるため、どこから手を付けていいのか分からない方でも、専門家とひとつひとつ流れを確認し、失敗のない準備を進めていくことができるでしょう。
【できるだけ費用を抑えたいので、公的窓口を活用したい】
できるだけ費用を抑えるためにも、まずは公的窓口を活用するのがいいでしょう。
相談窓口によっては1時間近く時間を割いて、相談に応じてくれるところもあります。
このような制度を上手に活用することで、創業時にかかる費用をカットできますので、資金面でも多少の余裕ができて安心です。
12-2.有料相談窓口がお勧めの方
次に、有料相談窓口がお勧めの方について見ていきましょう。
【その後の顧問契約につなげたいので、会社設立時からお世話になりたい】
創業後も専門家と顧問契約を結び、定期的なサポートを受けたいと考えている場合は、会社設立時から関わってもらった方がいいかもしれません。
なぜなら、会社設立時のトラブルや悩み、進捗状況を専門家と共有することで、社内の情報を細かく把握してもらうことができるからです。
結果的に、その後のアドバイスやサポートにおいても、きめ細やかな対応が期待できます。
【時間や回数に縛られず、じっくり長期で相談したい】
時間や回数に縛られず、じっくり長期で相談したい場合も有料窓口がお勧めです。
税理士や弁護士、司法書士などの専門家は、初回の相談を無料で受けているところも多いです。
しかし、複雑な相談内容だと一度に話しきれないため、解決しないまま終わってしまうこともあります。そんなときは有料とはいえ、じっくりと創業についての悩みを聞いてもらい、解決の糸口をつかめるようにすることが重要です。
その場合は時間や回数に縛られず、相談時間をしっかり取ってくれる有料窓口にコンタクトを取ることをお勧めします。
13.会社設立は思っている以上に手間がかかる!自力で限界を感じたら代行依頼がお勧め
会社を設立するには、思った以上に手間や時間がかかり、途中で諦めたくなってしまうこともあります。
そのような時は、無理して自力でなんとかしようとするのではなく、会社設立のプロである設立代行業者に依頼するのもお勧めです。
詳しく見ていきましょう。
13-1.会社を設立するにはやるべきことが多い
改めてここで、会社を設立するまでの流れ(株式会社の場合)と、都度必要になる書類や時間について簡単に確認してみましょう。
やること | 必要書類 | かかる時間 | |
STEP1 | 会社の定款を作る | 定款は3部作成が必要(公証役場・法務局・会社保管) | 3週間程度 |
STEP2 | 公証役場にて定款認証を受ける | 【発起人が手続する場合】 | |
STEP3 | 資本金を払い込む | ・発起人個人の銀行口座 ・資本金 ・払込証明のための通帳コピー ・払込証明書の作成 | |
STEP4 | 法務局で法人登記を行う | ・定款 ・発起人決定書 ・取締役等の就任承諾書 ・印鑑証明書 ・出資金の払込証明書 ・設立登記申請書 ・登録免許税納付用台紙 ・印鑑届書 など | |
その他 | ・納税関連書類の作成&提出 ・社会保険・労働保険の加入など |
上記をご覧いただくとわかるように、会社設立までのステップはたった4つにもかかわらず、各段階で用意すべき書類がとても多いですよね。
このような書類は、もちろん個人で収集・作成することも可能ですが、1つでも欠けたり記載ミスがあったりすると、一から書類の用意をしなければなりません。
そんな時、事前に専門家が必要書類を一緒に確認して、不足部分があれば指摘してもらえると、時間を短縮することができます。
また、
【STEP2】公証役場にて定款認証を受ける
【STEP4】法務局で法人登記を行う
のステップについては、それぞれ専門家が代行することも可能です。
公証役場や法務局に出向いて、手続き作業をする時間がない方にとっては、会社設立の手続きに長けている専門家に任せた方が負担も減るのではないでしょうか。
13-2.自分で手続きを進めると後悔するケースも多い
もし自力で会社設立の手続きを進めると、どのようなトラブルが生じるのでしょうか?
具体例を見てみましょう。
【ケース1】定款認証を受けるのに準備不足で出直しになり大変
ケース1 |
会社の定款を作り、認証を受けるために公証役場に行きました。発起人は自分一人です。 印鑑は持って行ったのですが、実印の登録をしておらず、印鑑証明書がありませんので結局この日は認証を受けることができませんでした。出直しです。 設立登記にも印鑑証明書が必要らしいので、急いで実印の登録をする必要がありそうです。 |
上記のケースは、定款の認証を受けるために発起人が直接、公証役場へ行ったものです。
発起人全員の印鑑登録証明書が必須ですが、その書類をそもそも作成しておらず、その点を見落としてしまったことで、再度やり直しになってしまいました。
【ケース2】複雑な納税関係の書類作成と収集が大変
ケース2 |
会社設立にあたり、届け出なければならない納税関連の書類が複数あります。 提出期限がバラバラのため、うっかり見落としそうで不安です。 |
法人を設立した場合は、必ず提出しなければならない書類3種類と、必要に応じて提出すべき書類が6種類あります。
必ず提出しなければならない書類は、以下のようなものがありますが、
・法人設立届出書
・源泉所得税関係の届出書
・消費税関係の届出書
このうち「法人設立届出書」は設立した日から2か月以内の提出が義務付けられています。
しかし、その他の「必要に応じて提出する書類」を見ると、「設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限まで」といったような書類もあり、どの書類をいつまでに出すべきなのか、スケジュール管理をするのが難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
特に創業時は、事業を軌道に乗せるために時間を惜しんで仕事に取り組む方がほとんどではないでしょうか。
そんな中煩雑な作業に振り回され、負担を感じることのないよう、会社設立のための書類については、専門家へお任せするのもいいでしょう。
13-3.会社設立の代行業者を活用すれば費用がお得な場合もある
会社設立の代行業者に依頼すると、高い費用がかかるかもしれないと不安に思っていませんか?
実は自力で会社設立の手続きを進めるよりも、代行業者に依頼した方がリーズナブルに済ませることができます。
業者によっては、設立後の定期的な顧問契約を条件としているところもありますので、会社設立のあとも顧問として依頼したいと考えているようであれば、ぜひお勧めです。
具体例を見ていきましょう。
引用:辻・本郷会社設立センター
上図では、ご自身で設立作業を進めるよりも、代行業者に依頼することで79,000円お得になることがわかります。
代行業者に依頼することで、会社の設立に関する全ての準備を丸投げできますので、時間の余裕も生まれ、その分仕事に注力できるのも嬉しいポイントですね。
そのため、自力での会社設立に少しでも限界を感じたのであれば、迷うことなく代行業者に依頼するといいかもしれません。
13-4.【結論】会社設立は代行業者に依頼した方が安心&確実でおすすめ
結論として、会社設立は代行業者に依頼した方が安心&確実でおすすめと言えるでしょう。
さきほどもお伝えしたように、代行業者であれば会社設立の手続きに慣れているため、
・手続きに必要な物や書類を間違いなく揃えられる
・定款の認証や法人登記などを代行してくれるので時間の節約ができる
などのメリットがあります。
さらに会社設立についてのアドバイスもしてくれるため、初めての会社設立で不安に思っている方は特に、会社設立代行業者に依頼することをお勧めします。
14.正しい代行先の選び方
せっかく会社設立の代行業者に依頼するならば、安心してお任せできる業者を選びたいものですよね。
そのような業者は、どのように見つければいいのでしょうか?
優良業者を見つけるポイントとしては、次の4点に注目してみましょう。
・料金体系が明確か ・問い合わせ時間や問い合わせ方法が利用しやすいか ・会社設立の代行実績が豊富か ・設立後も顧問契約を結んでサポートしてもらえるか |
早速見ていきましょう。
14-1.料金体系が明確か
料金体系が明確かどうかをチェックしましょう。
料金案内が不明瞭だったり、「まとめて●円」など書いてあるのみで内訳が書かれていない料金体系は不安ですよね。
例えば「定款認証印紙代 40,000円」「定款認証手数料32,000円」などのように、料金の内訳が明確にされていると、この後の追加料金が発生するのかどうかの判断もできますし、相場より高いか低いかの比較検討もできます。
そのため、
・まずは料金が明確か
・内訳もしっかり書かれているか
の2点を頭に置いて確認してみましょう。
14-2.問い合わせ時間や問い合わせ方法が利用しやすいか
顧客からの問い合わせに、柔軟に対応してくれるかどうかも大きなポイントです。
なぜなら、初めての方にとって会社設立という経験は、とても難しく複雑に感じるものですが、このような不安に都度応えてくれるようなサポート体制があれば、安心して挑戦できるからです。
例えば、
・問い合わせできる時間帯が広く取られているか(年中無休・朝~夜まで対応など)
・問い合わせ方法は数種類あるか(電話・メール・WEB面談など)
などをチェックしましょう。
あなたにとって利用しやすい時間帯や、問い合わせ方法を備えている代行業者であれば、今後のやりとりもストレスなく行えるはずです。
14-3.会社設立の代行実績が豊富か
会社設立の代行実績が豊富かどうかも大切なポイントです。
これまで数多くの設立実績がある業者であれば、会社設立のための経験と知識が豊富なため、あなたの悩みに対しても、実践に役立つ情報を提供してくれるからです。
過去の実績については、設立代行業者の多くが自社のホーム―ページに掲載しています。
これまで何件ぐらいの実績をこなしてきたのか、どのような業種の代行を実施してきたのかなど、事前に目を通しておくと安心できますね。
14-4.設立後も顧問契約を結んでサポートしてもらえるか
設立後も顧問契約を結んでサポートしてもらえるかもチェックしましょう。
会社設立後に専属でサポートしてくれる専門家がいれば、安心して会社経営を行っていけるからです。
毎月の会計処理や毎年の決算処理、確定申告への対処など、会社経営には多くの事務作業が伴います。
また経営上の心配事やトラブルなど、専門家のアドバイスを必要とするシーンも多く出てくるでしょう。
このような時、設立時から関わっている専門家がいれば、社内の状況の把握も早く、あなたの不安に思っている点も専門知識でもって速やかに解決してくれます。
そのため、設立時から引き続き顧問契約を引き受けてくれるかどうかも、しっかり確認してみましょう。
15.会社設立でお困りなら辻・本郷会社設立センターにご相談下さい
会社設立時および設立後も、専門家やプロに依頼することのメリットをお伝えしてきましたが、
「そうはいっても忙しすぎて業者を吟味している時間がない!」
「とにかく実績豊富な安心できる専門家を早めに探したい」
と思われている方は、ぜひ辻・本郷会社設立センターにご相談下さい。
当センターでは以下3つの強みで、ご相談者様を徹底的にサポートさせていただきます。
詳しくお伝えしていきましょう。
15-1.国内最大規模!豊富なノウハウで会社設立の有益なアドバイスが受けられる
国内最大規模の豊富なノウハウで、会社設立の有益なアドバイスを提供させていただきます。
当センターは、日本の国内外合わせて92か所の国内最大規模の拠点を持つ、辻・本郷 税理士法人が提供する会社設立代行サービスです。
これまで累計実績2万件に及ぶ、様々な事例をサポートしてきたため、蓄積された豊富な経験があります。
会社設立だけでなく、貴社事業の長期的な安定と成長を見据えた観点から、有益な情報提供をさせていただけます。
15-2.会社設立費用が安くなる
ご自身で会社設立の手続きをされるよりも、会社の設立費用を抑えることが可能です。
引用:辻・本郷会社設立センター
上図をご覧下さい。
ご自身での会社設立は概算で222,000円となりますが、当センターで担当させていただいた場合、「登記代行パック」では215,000円、フルサポートパックでは143,000円と費用を抑えられることがわかります。
(※フルサポートパックをご利用の場合は、会社設立と同時期に当センターとの税理士顧問契約が条件となります。)
会社設立の煩雑な作業を全て丸投げしても、リーズナブルに済ませることができる上に、記載ミスや書類漏れなどの失敗や不安もなくなるため、スムーズに設立作業を進めることができます。
15-3.24時間年中無休!何度でも無料で相談できる
当センターへの会社設立の相談は、24時間年中無休、さらに無料でご相談できます。
何度でもご相談していただけるので、初めての方や会社設立に対し不安に感じている方は、ぜひ納得のいくまでご相談して下さい。
お客様の業種によっては、平日の夜や土日祝日でなければじっくりご連絡ができない方もいらっしゃるでしょう。そんな時でも、当センターへのご連絡はいつでも可能です。
会社設立への不安がふと沸いた時、手続きについての疑問点を思い立った時、いつでもご連絡下さい。
ご一緒に悩みを解決していきましょう!
16.まとめ
今回は、会社設立の相談窓口についてご紹介してきました。相談窓口には【有料窓口】と【無料窓口】があり、それぞれで相談できる内容は以下の通りです。
【相談窓口一覧】
また、両者を選択するポイントとしては以下4つのポイントを判断してみるといいでしょう。
【無料か有料か?利用する窓口の判断基準】
●どこから手を付ければいいのかわからないので、とりあえず初歩の段階で専門家と話したい ●できるだけ費用を抑えたいので、公的窓口を活用したい 無料相談窓口がお勧め ●その後の顧問契約につなげたいので、会社設立時から相談したい 有料相談窓口がお勧め |
各窓口で納得いくまで相談された上で、やはり会社設立の手続きが難しく負担に感じられたのなら、代行業者に依頼することもできます。
代行業者によっては、ご自身で手続きされるよりも依頼費用がリーズナブルに済むこともありますのでお勧めです。迷われたら、まずは当センターの無料相談窓口へご連絡下さい。
ご連絡を心よりお待ちしております。