いざ、会社を設立しようと決めても、何から決めればいいのかわからない方は少なくありません。
また、選べる会社の形態を知らずに「会社といえば株式会社」という考えで、株式会社を設立してしまう方もいます。
これから会社設立しようとしている方が、実際に設立できる会社形態は4種類あります。
4種類も選択肢があると、どれを選んだらいいのかわからないというのが本音ですよね。
あなたに適している会社形態を選んだうえで会社設立できれば、設立費用を必要最低限にできたり、設立後に事業拡大しやすかったりと、受け取れるメリットはさまざまです。
はじめての会社設立ほど、さまざまなことに不安を感じていると思います。もちろん設立してから「もっとこうすればよかった」や「もっと節税できたはずなのに」と後悔したくないですよね。
そこで、この記事では以下のポイントについて解説していきます。
この記事でわかること |
・4種類の会社形態【2024年6月現在】 ・4種類の会社形態を比較するときのポイント ・あなたが設立すべき2種類の会社形態 |
会社形態の選択を間違えてしまうと、設立後の経営にも影響してきます。後悔せずに会社経営していくためにも、本当にあなたが設立すべき会社形態について考えてみましょう。
ぜひこの記事を最後まで読んで、設立する会社形態のイメージを作り、会社設立の次のステップへと進めるようにしてくださいね。
目次
1. 【2024年6月現在】設立できる会社の種類4つ
会社を設立するにあたり、あなたが設立できる会社形態は、以下の4種類にわかれます。(2024年現在)
・株式会社 ・合同会社 ・合資会社 ・合名会社 |
会社設立は、会社の債務に対する出資者の責任の範囲と組織構成などを基準に、上記の4種類の中から形態を選んで設立できます。
2022年の一年間で設立された会社形態は、以下のとおりです。
株式会社 | 96,012件 |
合同会社 | 37,312件 |
合資会社 | 44件 |
合名会社 | 57件 |
これから会社設立しようとしている方のなかには、「会社を設立するなら株式会社しか選べない」や「有限会社を設立したいと思っていた」という方もいるのではないでしょうか。
そもそも、有限会社はすでに廃止されていて設立できないですし、株式会社以外の会社形態の方があなたに適している場合もあります。
あなたの事業に向いていない会社形態で会社設立してしまい、設立後に後悔しないためにも、あなたが選べる4つの会社形態について理解しておきましょう。
1-1. 株式会社
株式会社は、会社経営する人と出資する人がわかれて構成される、代表的な会社形態です。
日本では、明治に初めての株式会社が設立されており、長い年数のなか「会社といえば株式会社」というイメージを作ってきました。日本国内にある会社の9割ほど、株式会社なのです。
株式会社の大きな特徴は、株式を発行して出資者から資金を調達し、その資金をもとに経営者が事業をおこない、発生した利益を出資者に配当していく仕組みになっている点です。
経営する際には、会社として大きな決断が必要になると出資者の意見を伺うために株主総会を開かなければいけません。
経営者の考えだけではなく、出資者の意見も参考にして経営をするため、さまざまな意見を取り入れた経営ができるという一面もあれば、自由な経営ができないともいえます。
個人事業主とは違い、経営が困難になった場合の負債の返済義務が「有限責任」なため、出資者が大きすぎる負担を抱える心配はありません。
1-2. 合同会社
合同会社とは、2006年5月に新たに設けられた、比較的新しい会社形態です。
合同会社は株式会社とは違い、経営をする人と出資する人が同じ構成になっています。そのため、経営者がより自由でスピーディな意思決定をできるのが、大きな特徴です。
設立にかかる費用が株式会社よりも10万円以上抑えられるため、会社設立のハードルが低く、設立件数の割合は近年増加傾向にあります。
出資者(経営者)の責任範囲は株式会社と同じ有限責任なので、経営のしやすさや設立費用の安さを理由に合同会社を選ぶ人も少なくありません。
1-3. 合資会社
合資会社とは、会社設立する際に必ず「無限責任社員1名以上」と「有限責任社員1名以上」をおかなければいけない会社形態です。
無限責任と有限責任は、経営困難になった時の出資者の責任の範囲で負担の度合いが大きく違います。
無限責任 | 万が一倒産した場合、その負債金額を出資者が自ら全額返済しなければいけない |
有限責任 | 万が一倒産した場合でも、出資額が責任の範囲と決められているため、出資額以上の返済義務はない |
※詳しくは2-4. 経営困難に陥った場合の出資者の責任範囲で詳しく解説します。
また、株式会社と合同会社は、現金や他の財産で出資が可能ですが、合資会社の場合は現金以外も認められています。たとえば、お互いの信用や労働力も資産とみなされるので、資本金0円でも設立可能です。
どうしても株式会社や合同会社よりもメリットが少なくなってしまうため、あえて合資会社を設立しようとする事業主は少ないのが現状です。
1-4. 合名会社
合名会社とは、出資者全員が「無限責任社員(倒産した場合、負債金額を出資者が全額返済する)」でなければいけない会社形態です。
すべての出資者に、大きな責任が課されるため、信頼できる人同士で会社を設立する必要があります。そのため、信頼できる個人事業主同士で、資本金を用意せずに会社を設立したい場合などに利用されている傾向があります。
合資会社と同じように、メリットは少なく、責任の範囲は無限という負担があるので気軽に選ぶべき会社形態ではありません。
2. 【比較一覧表】4種類の形態別でみる比較ポイント4つ
あなたに必要な会社形態を判断しやすくするために、4種類の会社形態を以下の表で比較してみました。
※有限責任とは:出資者は出資した金額を上限に返済をする
※無限責任とは:出資者が負債の全額を返済しなければいけない
それぞれを比較してみると、株式会社と他3種類の違いは分かりやすいかと思います。
しかし、合同会社・合資会社・合名会社の3種類では、「どれを選ぶべきか判断できない」と混乱してしまうかもしれません。
あなたの事業に適した会社形態について考える時は、以下の4つのポイントを比較してみるのがおすすめです。
比較する時に着目するべきポイントを理解して、会社形態選びで不安を感じずに適切な会社形態を選べるようにしていきましょう。
2-1. 会社設立時にかかる費用
まずは、会社設立をするために用意しておかなければいけない費用で比較してみましょう。
会社設立に必要な費用は、株式会社が約22万円で、合同会社・合資会社・合名会社が約10万円ほどです。それぞれの費用内訳は以下のようになります。
設立費用で大きく違うのは、設立登記をする際に支払う「登録免許税」です。
登録免許税は、以下のように変わります。
株式会社の場合は、最低でも15万円、合同会社・合資会社・合名会社の場合は最低でも6万円の登録免許税を支払わなければいけません。
また、合同会社・合資会社・合名会社では、定款の認証が必要ないため、定款認証費用の3万円が発生しません。
会社設立にかかる費用だけを比較すると、株式会社とそのほか3つの会社形態では、設立費用が10万円以上変わってくるのです。
2-2. 会社経営をするうえでの意思決定のしやすさ
4つの会社形態は、それぞれ会社経営をするうえでの、意思決定のしやすさが違います。
経営の方向性やスピード感を考えて、会社形態を選ぶこともできるのです。
会社としての意思決定のしやすさは、会社形態によって以下のように変わります。
株式会社のように、経営者と出資者が同じでない場合は、経営者の判断のみで経営の方向性を大きく左右するような決断は下せません。
必ず、株主総会などを行い、出資者からの意見を聞かなければいけないのです。意思決定から実際に行動するまでに時間がかかりますが、「外部からの意見を柔軟に取り入れられる」一面もあります。
合同会社・合資会社・合名会社の3つは、株式会社とは違い経営者と出資者が同一になるのが一般的です。
会社に関する意思決定に株主総会などを挟む必要がありません。経営者が考えることに対して、「そうではなく、こうすべきだ」という意見が上がることはないので、物事をスピーディに進めていけるのです。
2-3. 会社設立後の資金調達方法の幅広さ
会社を経営していくうえで、経営困難に陥った場合の運転資金だけでなく、事業拡大を計画している場合の設備資金などに必要な、資金調達方法についても比較しておくべきです。
4つの会社形態によって、資金調達方法が以下のように変わります。
資金調達方法 | 株式会社 | 合同会社・合資会社・合名会社 |
金融機関からの融資 | ◯ | ◯ |
個人や法人からの出資 | ◯ | ◯ |
補助金や助成金 | ◯ | ◯ |
社債の発行 | ◯ | ◯ |
株式の発行 | ◯ | × |
資金調達方法で大きく違うのは、株式会社のみがおこなえる「株式の発行」です。金融機関からの融資や補助金などの場合、融資金額は数百万円から数千万円になるのが一般的です。
しかし、株式発行の場合はより多くの投資家にアプローチできるため、数億円の融資を受けられる可能性があるのです。
将来的に、多額の資金調達の可能性がある場合は、資金調達の幅が広い株式会社の方が向いています。
会社設立後でも株式会社への変更もできる! |
とりあえず会社を設立したいけれど、上場株式や資金調達など、まだしっかりと考えられていないという方も多いと思います。 まずは合同会社などを設立してから、事業が軌道に乗り始めてから株式会社への変更も可能なので、安心してください。 株式会社への形態変更には、約10万円の変更に伴う費用と約40日間の変更期間が必要になります。 |
2-4. 経営困難に陥った場合の出資者の責任範囲
会社形態を決める際に必ず理解しておかなければいけないのが、出資者の責任範囲についてです。
出資者の責任範囲とは、会社が倒産や負債を負った時などに出資者が負うべき責任範囲の広さを指します。
具体的には無限責任と有限責任の2つにわかれており、どちらを選ぶかで、これから会社を経営していこうとしている、あなたの金銭面での不安が大きく変わります。
無限責任 | 会社が倒産や負債を負った時に、出資者が発生した負債の全額を返済をしなければいけない。 返済する際のお金は、出資者の個人の資産から捻出される場合もある。 |
有限責任 | 会社が倒産や負債を負った時に、たとえ負債総額が高額になっても、出資した額を上限とした返済義務のみが発生する。 |
無限責任の場合は、会社名義で背負った負債だったにもかかわらず、出資者に返済の責任があるとされてしまいます。
万が一会社が大きな負債を背負ってしまった場合は、出資者となったあなたが高額の資金返済をしなければいけないかもしれません。
有限責任の場合は、たとえ負債総額が多くても、出資者が実際に出資した金額を上回る返済になることはありません。
3. 会社形態が変わっても設立後の税金負担は大きくは変わらない
会社形態を選ぶときに、多くの人が「一番節税できる形態で会社を設立したい」と考えていることでしょう。
設立費用などは、一度きりで発生する費用ですが、税金は毎年課せられるものなので常に気になってしまうものですよね。
結論からお伝えすると、紹介してきた4種類のどの会社形態を選んでも、設立後に毎年発生する税金負担はさほど変わりません。
法人の税金は、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社を一括りにまとめた「普通法人」に課せられるため、税金が発生する条件や計算式なども共通なのです。
法人に課せられる税金には、主に以下のようなものがあります。
代表的な法人に課せられる税金 |
・法人税 ・法人住民税 ・地方法人税 ・法人事業税 ・特別法人事業税 ・消費税 ・源泉所得税 など |
上記のような税金は、会社形態によって税率や計算方法が変わるわけではありません。どの会社形態を選んでも、同じような税金負担になるのです。
税金負担が同じだということは、会社側ができる節税対策も共通になります。
会社の形態に関係なく、共通して法人に対して課せられる税金について知りたい方は、「【税理士監修】法人の税金12種類!支払い時期から計算例まで全攻略」を参考にしてみてくださいね。
株式会社とそれ以外では、決算時と役員更新時の費用の有無が違う! |
あえて挙げるとすれば、株式会社では決算時と役員更新時に、他の会社形態では必要のない費用が発生します。 ・決算情報などを公開する:約7万円〜数十万円以上(自社ホームページで公開の場合は無料) ・役員更新や変更する:1件につき1万円もしくは3万円 上記の費用は、合同会社・合資会社・合名会社では発生しないので、株式会社よりも毎年数万円の費用を抑えられます。 |
4. これから会社設立するなら株式会社か合同会社がおすすめ
あなたが会社設立できる会社形態は4種類ですが、実際のところは株式会社か合同会社のどちらかを選ぶことをおすすめします。
現在の日本で合資会社と合名会社を設立するメリットはほぼないからです。
確かに、合資会社と合名会社を、合同会社と比較すると良い点がみつかりませんよね。合資会社・合名会社にすると、出資者が抱えるリスクが大きい無限責任になってしまいます。
このようにメリットがないにもかかわらず、現在も選べる会社形態として残っているのには、歴史的な理由があるのです。
合資会社と合名会社が残っている理由 |
2006年以前は、合同会社という形態はありませんでした。 その代わりに、有限会社があり、資本金の最低額も今とは違うものでした。資本金の最低額が決められていたため、会社を設立したくても資本金が用意できずに断念する人も多かったのです。 株式会社:資本金1,000万円以上 有限会社:資本金300万円以上 そのような方の選択肢となっていたのが、資本金が0円でも会社設立できる合資会社と合名会社なのです。 当時は、会社設立のハードルが低く、自由に経営できることから、家族経営の歴史ある会社が合資会社や合名会社を利用していました。 しかし2006年に会社法が改正されて、合同会社が登場したことで、合資会社や合名会社にするメリットがなくなってしまったのです。 |
現在、多くの方が利用している合同会社は、資本金1円から設立することができ、出資者=経営者の仕組みなので自由な経営ができます。
また、合資会社と合名会社とは違い「有限責任」なので、出資者が背負うリスクも軽減されているのです。
ビジネスの流れも日々変わってきているため、あえて今、合資会社や合名会社を設立する必要はありません。
特別な事情がない限りは、それぞれのケースに合わせて、株式会社もしくは合同会社の設立がおすすめです。
どちらを選ぶか判断できない方向けに、株式会社と合同会社それぞれが向いているおすすめのケースについてご紹介します。
株式会社 | ・将来的に株式上場を目指したい ・多額の出資を受けたい ・BtoBビジネスを主におこなっていく ・事業拡大に会社の信頼度や知名度が必要 |
合同会社 | ・大規模に事業展開するつもりがない ・節税のためだけに法人格が必要 ・許認可や入札などのために法人格が必要 ・個人事業主同士で集まって仲間で会社を設立したい ・BtoCビジネスを主におこなっていく ・事業主の知識や技術など無形のものが主軸となる事業をはじめたい |
それぞれについて、具体的に解説していきます。
4-1. 株式会社がおすすめのケース
株式会社がオススメのケースは、主に以下のとおりです。
株式会社を設立すると得られるメリット「株式を発行して資金調達できる」を活用して、多額の資金調達をしたい場合は、株式会社を選ぶべきです。
今後の事業拡大を視野に入れて、金融機関からの融資だけではなく投資家からの出資も考えている場合は、対外的な信頼度が高く株式発行できることが強みになります。
株式会社は会社としての信頼度と認知度が高いため、企業が企業に対してモノやサービスを提供する、以下のようなBtoBビジネスの方がおすすめです。
・スーパーや小売店に商品を販売する卸売業者 ・企業向けの商品を製造している製造業者 ・企業向けの商品やサービスを提供している企業 など |
このように、一般消費者以外の会社も取引先になる場合は、株式会社の方が安心して取引してもらえる可能性が高まります。
新しい会社形態である合同会社は、まだ認知度が低いというデメリットがあるため、「合同会社は、株式会社よりも気軽に設立できるから信用度が低い」と感じられてしまう場合もあるのです。
4-2. 合同会社がおすすめのケース
合同会社がおすすめのケースは以下のとおりです。
合同会社は、現在自営業やフリーランスとして働いている方が会社設立する、ほとんどのケースにおすすめできる会社形態です。
節税や許可のために必要に迫られて法人化する場合は、株式会社より設立費用が抑えられて、気軽に会社設立できる合同会社が向いています。
また、会社としての社名の信頼度や認知度よりも、商品やサービスの質で勝負できる以下のような業種がおすすめです。
・レストランやカフェなどの飲食店 ・美容院や美容サロン(ネイルやエステなど) ・商品を一般消費者に直店舗やECサイトで販売する小売業 ・ITビジネス関連業(アフィリエイトやFXなどを含む) ・保有している不動産を管理する不動産管理業 ・学習塾 など |
上記は、対消費者にサービスを提供する業種なので「会社として信頼できるかどうか」よりも、商品やサービスの質が信頼に値するかどうかが重要です。
普段から使っている文房具を製造・販売している会社名が「〇〇合同会社」になっていても、その文房具を気に入って毎日使いたければ会社名なんてきになりませんよね。
会社名やバックグラウンドではなく、商品やサービス自体で勝負できるような業種には合同会社が向いているのです。
5. 会社設立は形態を選んで終わりではない!起業家が後悔した裏話2つ
会社形態について詳しく解説してきましたが、それぞれの細かい違いに「会社設立前からこんなに悩まなきゃいけないなんて…」と頭を抱えていないでしょうか。
会社形態選びは、会社設立の第一歩でしかありません。この段階でしっかりと下調べをしておかなければ、会社を設立した後に後悔してしまいます。
参考までに、起業家が会社設立について知識がないことが原因で後悔してしまったケースをご紹介します。
5-1. 【事例1】株式会社しか選べないと思い深く考えずに株式会社を設立してしまった
お悩み: 夫婦で、輸入雑貨販売の株式会社を新たに立ち上げました。いつかは、小さな店舗を持てればと考えていますが、現在はECサイト運営のみで、とくに従業員を雇用することもなく事業拡大の予定もありません。 個人事業主としての経験もほとんどない状態で株式会社を設立したら、想像以上に設立費用が高くなってしまい「これでよかったのか」と考え始めました。そのタイミングで、合同会社の存在について知りました。もしかすると自分の事業は、合同会社の方がメリットがあったかもしれないと考えましたが後の祭りでした。 |
この場合は、株式会社である必要性はほぼありません。本来であれば合同会社でも十分な事業内容にもかかわらず、株式会社にしたことで株主総会や決算公告をしなければいけなくなってしまいました。
また、会社設立の費用も10万円以上おさえることができたはずです。
5-2. 【事例2】種類株式を知らなくて経営権確保のために出資を断ってしまった
お悩み: リサイクルショップを株式会社として設立しようと思い、1,000万円の資本金を集めはじめました。親戚や知り合いに出資のお願いをしたところ、実際に数人が出資してくれることになりました。 出資してくれる知人からは「経営には口出さないから安心して」と言われましたが、その人の出資額が500万円と高額なため経営権の割合に不安を感じています。 出資はしてほしいけれど、将来的に気が変わって「資本金の半分を負担してくれたからこそ、経営に口出しする」とう可能性も否定できないため、出資を断ってしまった。 |
このケースでは、「株主総会の内容について議決権を行使できない株式」を割り当てることで、高額出資をしてもらいつつ、経営に対しての議決権はない状態にすることができるのです。
しかし、何もわからずに会社設立をしていれば、株式が9種類もあることもわかりませんよね。会社設立時の形態選びから、形態を選んだ後にも考えなければいけないことはたくさんあるのです。
専門知識がなければ、あなたにも選択肢があることも知らないまま損する会社設立をしてしまうかもしれません。
適切な形態で会社設立したうえで、設立後も後悔することがないようにするためには、専門家に会社設立のサポートをお願いするのがおすすめです。
会社設立代行の内容について知りたい方は、「会社設立代行の全て!代行内容から費用・メリットまで詳細がわかる」の記事を参考にしてみてくださいね。
6. 会社設立で絶対後悔したくない!会社設立代行の専門家を選ぶポイント3つ
あなたのキャリアにおいて大きな一歩になる会社設立だからこそ、あなたが後悔せずに会社設立できるようにサポートしてくれる専門家を選ぶのが大切です。
大前提として、会社設立代行は限られた士業以外の方は行えません。最低限の費用で会社設立手続きだけを代行してもらいたい場合は、司法書士に依頼すれば問題ありません。
司法書士も含めると、以下の4つの士業が会社設立代行サービスを提供しています。
・司法書士 ・行政書士 ・税理士 ・社会保険労務士 |
各士業によって対応できる内容が変わっており、お互いに連携をとりながら、「シンプルに設立手続きだけを代行」や「設立後も見据えた手厚い代行」などさまざまなサービスを提供しています。
会社設立代行を依頼する専門家を選ぶ際には、以下の3つのポイントを参考にしてみましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
6-1. 豊富な会社設立の実績がある
まず大切なのが、その代行先が会社設立の実績があるかどうかです。とくに、実績をみる際には以下の点に着目してみてください。
・設立実績のある地域 ・設立実績件数 ・設立実績のある会社形態や業界、分野など |
会社設立は、毎回同じテンプレート通りの手続きをすれば間違いないというわけではありません。会社の形態だけでなく、会社がある地域や業界によって、一般的な手続きとは違う手続きが発生する可能性もあります。
会社設立する事業内容や将来の展望、そして地域や業界などによって、あなたが選ぶべき方法は変わってくるのです。
もちろん代行先も、お客様それぞれに適切な会社設立をするべきだと理解しているかと思います。
しかし、実際に会社設立をした経験が豊富な代行先と、経験が少ない代行先を比較してみると、提案できる内容が歴然なのです。
だからこそ、幅広い地域や業界で会社設立をした実績があり、その件数も多い設立代行先を選ぶようにしてくださいね。
6-2. 問い合わせに対して親身に対応してくれて信頼できる
代行先を選ぶ際には、実績はもちろんですが、親身になって対応してくれる信頼できる代行先を選ばなければいけません。
司法書士や税理士などの士業は、あくまでもお客様が求めるゴールへと導いてくれる仕事です。
あなたの問い合わせに対してどれだけ親身になって対応してくれるのかで、今後信頼していける代行先になるのかが決まってしまうかもしれません。
たとえば、「早急に会社設立して今年の税金を少なくしたい」と考えているあなたに対して、「後日担当よりお電話差しあげます」と言われてしまい、連絡が来ないまま待ちぼうけしてしまったらどうなるでしょう。
確定申告の期日が迫ってきてしまい、結果的に会社設立もできなければ、節税対策もできていないかもしれませんよね。
「会社設立したいけれど、自分には何が必要かわからない」という方に対して、「とりあえず、みんながやっている内容で設立したら大丈夫」と言われてしまって、あなたは納得できるでしょうか?
最初の問い合わせや無料相談には、その会社の雰囲気や対応が如実に現れるので、信頼できる代行先か判断するきっかけにしてみてください。
6-3. 設立後の事業展開や資金面を見越した提案やサポートをしてくれる
この記事をとおして繰り返しお伝えしてきたように、会社は設立したら終わりというわけではありません。
あなたが会社を設立した後の事業展開なども考えたうえで提案・サポートをしてくれる代行先を選ぶのが得策です。
・今後の事業計画に基づいた資金調達計画をたてられる ・会社の状況を考えながら適切な節税対策ができる ・事業の方向性や繁忙期などを考えながら会社設立日 ・決算日を決められる ・事業拡大した時を見越した手直しの必要がない定款を作成できる |
ただ「会社設立の申請代行をする」だけではなく、上記のように事業主それぞれに必要な情報やアドバイスをくれる代行先こそ、あなたに必要になってくるでしょう。
現状だけを見てアドバイスをするのではなく、将来どのような事業展開をしていくのかを一緒に考えながら、親身になってサポートしてくれる代行先を選ぶことが大切です。
7. あなたの不安を解決する!会社設立代行なら辻・本郷 税理士法人におまかせ
会社の形態選びから設立後のサポートまで出来る代行先を探している方は、会社設立代行だけではなく節税対策や税務調査対応までサポートしている、辻・本郷 税理士法人をご利用ください。
私たちは、税金に関する専門知識をフル活用しながら、司法書士と連携をとって会社設立代行サービスを提供しております。
はじめて会社設立する方こそ、ぜひ当法人の会社設立の経験と知識を活用してください。
3つの理由について、ご紹介していきます。
7-1. 日本一の設立実績2万件!全国展開で培ってきたサポート力
辻・本郷 税理士法人は、日本全国で会社設立代行サービスを提供している、日本一の実績を誇る会社設立代行先です。
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「私の場合でも、大丈夫だろうか?」
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そんな不安を感じていても、大丈夫です。
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7-2. 費用とサービス内容が明確で、あなたの不安や疑問を払拭
「会社設立代行をお願いしたいけれど、金銭的に損はしたくない」というのが、これから会社設立をしようとしている方の本音ではないでしょうか。
辻・本郷 税理士法人では、提供している代行サービスを以下のように、追加費用が発生する旨までしっかりとお伝えしています。
会社設立代行費用について調べてみると、その代行費用も格安なものから、20万円以上するものまでさまざまです。さらに、その費用内で、どのような対応を代行先がしてくれるのか明記されていない場合を多く見受けます。
金額が明記されていない代行先を利用すると、最終的に追加費用がどんどんかかってしまい設立費用が高額になってしまう可能性があります。
もしくは、求めていた代行作業をしてもらえない可能性も否定できません。
【代行先選びで失敗した例】
・格安なので依頼したが、書類作成や手続きを自分でする羽目になり、追加で数万円必要になった ・相場より高い費用で依頼したが、手続きが進まず、実際に会社設立するまでに半年かかった ・設立代行をお願いしたが、お金を払っても一向に連絡が取れず、詐欺に遭ってしまった |
もちろん、悪質な代行先が横行しているわけではありません。しかし、自分で見極める知識がなければ、大きな損をしてしまう可能性はあります。
ただでさえ、初めての会社設立だからこそ、費用や代行内容などに不安・疑問を感じたまま手続きを進めたくないですよね。
私たち辻・本郷 税理士法人では、そんなお客様の不安を可能な限り解消したうえで会社設立ができるよう、代行費用やサービス内容の明記を徹底しているので、ご安心ください。
7-3. 設立後に必須となる顧問税理士として経営に寄り添う
辻・本郷 税理士法人の本領が発揮できるのが、税金や資金面での経営サポートです。
会社設立後こそ、税金や資金面への対処が必要だということは、すでに理解できてきたかと思います。そして、そのサポートができるのが税理士という存在です。
当法人では、会社設立代行ご依頼のお客様の顧問税理士契約を結ばせていただいております。
これにより会社設立前の事業の状態や事業計画、設立後の経営状況を見ながらの節税対策が可能になっているのです。
私たちは、主に以下のような顧問税理士サポートを提供しています。
顧問サービス | ・会計や税務相談 ・届出書や支払調書などの作成、支援、提出 ・財務アドバイス ・法改正などの情報提供 ・税務手続きの期限管理 ・試算表や元帳のレビュー ・財務代理 ・会計帳簿の記帳 |
また、追加費用で、税務調査が入った場合の対応も可能です。
税理士がしっかりと日々の経理からサポートすることで、より確実に節税につなげる対策をしながら、いざという時の税務調査に備えることができます。
日々の経営に追われる中で、「税務処理や会計処理まで考えなければいけなくなるのでは」と設立後のことを考えて不安になってしまいますよね。
無理して全てひとりで対応しようとせず、より効率よく対応できる私たち辻・本郷 税理士法人の顧問税理士サービスを活用してください。
8. まとめ
この記事では、これから会社を設立しようとしている方が、実際に会社設立できる4種類の会社形態についてご紹介してきました。
◎会社設立できる4つの会社形態
・株式会社 ・合同会社 ・合資会社 ・合名会社 |
◎これから会社設立するなら、この2つから選ぶべき
株式会社 | ・信頼度と知名度が欲しい ・株式上場を目指したい ・より幅広い資金調達方法が欲しい ・外部から意見をもらいながら経営したい |
合同会社 | ・少しでも会社設立費用を抑えたい ・とりあえず節税のために会社設立したい ・毎年のランニングコストを数万円でも抑えたい ・自分達の意見で自由に経営したい |
これから会社を設立するなら、ぜひこの記事を参考にしたうえで、株式会社もしくは合同会社のどちらかを選んでみてください。
あなたにあった形態で会社設立して、設立後も後悔することがないように、会社設立代行の活用も検討してみてくださいね。